存在価値

久々にゆっくりめに出社した。おかげで、冨安四発太鼓選手権を見れてしまった。

いつもより1時間遅い電車に乗ると、いつもは見かけない人が乗ってくる。たしか、新御茶ノ水あたり。おっさんが立ってる私の顔を覗き込んできた。驚いて顔を上げると、おっさんは何も言わずに先頭車両の方に歩いて行った。

私が立っていた後ろはガラ空きだったし、通れなかったわけでもない。
ただのやばいヤツだった。
おっさんはフェイスシールドをしていて、バッグには「持病でマスクをしていません」と書いたプレートを装着していた。
いや、もう、マスクしてなくても誰も咎めんよ。
このおっさんはコロナ禍にマスク反対の声を上げることで自分の存在価値を保っていた人なんだと思った。仮に、本当に持病があって、本当にマスクができなかったとしても、いつしか本来の目的はそっちのけで、世の中の風潮に意を唱えることのみを生きがいにしてきたんだと思った。
みんなマスクをしなくなって構ってくれる人がいなくなった。だから、わざわざフェイスシールドを見せつけてきたんだと思う。
そろそろ目を覚ましなよ、おっさん。

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