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Lords of the Fallen レビュー

今回は発売当初こそ話題となっていたが、ものすごい勢いで失速していったドイツ産のソウルライクゲー、Lords of the Fallen(ロードオブザフォールン)についてクリアした感想とか諸々書こうと思う。


感想

クソゲーになる一歩手前でギリギリ踏みとどまっている劣化パクリゲー
なんかDARK SOULSとSEKIROと、Bloodborneからちょっとずつもってきて、自分たちの調味料で味付けしたけど、できあがったのが劣化無印DARK SOULSって感じ。

楽しかった要素もあるが、それを上回るゴミな部分があまりにも多いので、
正直おもしろいよりも苦痛だった。特に低レベルの序盤は辛くてストレスフル、2000円ぐらいで手に入れれたからいいけど、定価で買ったら怒り心頭で返金コース間違いなし!!

自分が遊んだのは発売から半年が経過し、何度も調整や追加仕様が入った「バージョン1.5」の後半(v.1.5.75)だったが、それでもこんな評価になる有り様。正直このゲームが、公式の修正でこれ以上良くなることはほぼ無いだろう。Steamの評判が半年以上たっても「賛否両論」なのが、何よりもいい証拠。まだ前作の方が良かったかも…

発売後一週間足らずでSteamにデカデカ表示

後、出来栄えがやばいゲームほど、都合がいいレビューサイトの点数を使って、速攻で自画自賛するような販促動画や画像を世に流す傾向がある気がする。大抵そういうのって、購入者の反応見て、評判がよかったらするものだけど…レビューが悪い状態で見せられてもねぇ、ファミ通と同様で金積めば高評価にしてくれるんだろうな~って感じ。
メタスコアなみに当てにならねえわ、こういうレビューサイトの点数…

レビューが悪いのに誇大広告してる会社…
ガチで危機感もったほうがいいって!

世界観関連

前作を踏襲した人物

前作のムキムキゴリマッチョのハーキン

これは多分唯一良かったし、褒めれる点
お前あいつだよな?みたいな奴がチラホラいたり、よくよく会話を聞いてたら前作の登場人物の子孫的な奴がいたり、そういうファンサービスは前作やってた分、地味にうれしかった。

今作はローガーになりかけているハーキン
おそらく前作の鍛冶屋やってた精霊的やなつ
前作の人類指導者の子孫らしい

ガバガバ翻訳

「貴様がそのランタンを持つのは相応しくない」って言いたいのかな

有名所じゃない開発の洋ゲーあるあるなのだが、翻訳(ローカライズ)の質が著しく悪い。キャラの素性や背景、状況とかあまり加味されずに、ただ英語をそのまま翻訳した、いわゆる直訳状態が余りにも多い。
なんとなく言いたいことはわかるけど、なんでそういう言葉えらんだの?と首を捻るような翻訳が多く、キャラの言ってることが結構な頻度で理解できない。

「アディール様が目指す世界に弱者は不要、お前もそれを知るべきだ」ってことね

もうちょっと意訳を頑張ってほしかったなぁ、なんか日本語にはなってるんだけど文法が怪しいんだよね。そんな言い回ししないだろっていう。

キャラの性格にあった口調までしっかり翻訳してくれてた2014年の前作

前回の一作目にあたる Lords of the Fallen (2014) は販売元がUBIだったこともあり、わりとちゃんとした翻訳がされていたゆえに、今作はけっこう機械翻訳なのでは??と疑ってしまう出来で残念…
オープニング映像ぐらいしかマトモに翻訳されてない気がする。

謎に制限されるテキスト

防具や武器の説明ぐらい読ませて

たぶんオリジナル要素であり、めちゃめちゃいらない要素。
え?そこ制限する必要ある???って、めっちゃ言いたい…

なんか頑張ってやりこみ要素考えたけど、思いつかなかったから考察するための情報を隠して、プレイ時間を間延びさせてやろうって考えたとしか思えない。

難解?過ぎるストーリー

暗黒はほんとようわからん勢力やった

DARK SOULSシリーズ以上にわからない、わからなすぎる…

前述したガバガバ翻訳と謎の規制もあるが、公式の日本語翻訳で理解するのはちょっと無理だと思う。前作みたいに主人公がベラベラ喋って、他のNPCと絡んでいくスタイルじゃなく、ふわっと意味深なことをNPC達に語られて、後は武器や防具のテキストから考察してねという、ソウルライクゲーあるあるに方針転換したからというのもあるが…

ぶっちゃけ深く内容を知りたかったら海外Wikiとか動画みて、自分で内容を把握するしかない。それぐらいしないとわからない難解?なストーリーなので、みな最初は内容が頭に入らず、言われた通りなんかビーコン浄化してたら、なんか知らん間に終わった…って感じになると思う。

システム関連

いらなかった暗黒世界

雰囲気と見た目のデザインはよかった

プレイヤーが一度死んだり、ランタンを使用することで行ける死者の世界。このゲームのオリジナル要素であり、他のソウルライクゲーと差別化をとるために導入されたであろう要素だが…

どうもイマイチ作り込みが甘いと感じる箇所が多く、ゲームジャンルとシステムが噛み合っていない印象だった。こんな出来なら寧ろいらなかったよ…
暗黒世界自体はクトゥルフ神話的な感じで、けっこういいデザインになってるのに…

今作は「暗黒世界でしか進めない箇所」「暗黒世界でしか取れない重要アイテム」「暗黒世界でしか見れない過去の記憶」等と、至る所で「暗黒」の押し付けをされるわけだが、それがあまりにも多すぎる。しかも、「暗黒世界では敵が無限湧き」「時間経過で敵がどんどん強くなる」のおまけ付きだ。

特に「暗黒世界では敵が無限湧き」って仕様は一番いらなかった。
ソウルライクゲーの醍醐味の一つでもあるエリア探索を、こちらは腰を据えてしっかりと隅々まで時間をかけてやりたいのに、上記の仕様のせいで常に急かされるような感じで、終始暗黒世界を駆け回らないといけなかった。そら敵をガン無視して走り抜けるのが、このゲーム一番の攻略方法とか言われるわけだよ。

暗黒世界にわざわざ入らないと通れない門

また、「暗黒世界でしか進めない箇所」については、ギミックを含めてかなり多く作られてはいるが、逆にギミックがこれぐらいしかなく、表世界での探索がほぼ無意味になっていたが悲しい。
暗黒ばかりじゃなくて、もうちょっと表世界にもギミックつくってよ…

なんでもかんでも車使わせようとしてきたバットマン最終章

遊んでいて「そんな無理に暗黒世界に入れさせなくてもいいでしょ」って思うぐらいの押し付け感は、バットマンアーカムナイトのバットモービルを思い出した。多分、あれと一緒で「折角作ったんだから、なにがなんでもこれをユーザーに見せるぞ」という開発者のエゴが、かーなーり入ってた。

役に立たないお助けキャラ

もうちょっと賢くなるか強くなって

一応DARK SOULS のように大ボス前では味方NPCをお供として召喚できるシステムがあるのだが、なんと一度負けて死なないといけないというテンポの悪さ…最初から呼ばせろよ!!

しかも、呼ばれて召喚された味方のAIもすこぶる頭が悪く、基本的に敵に猪突猛進で突っ込んで攻撃するだけの存在。回避動作やガードも禄にせず、怯まされるまで攻撃を延々と繰り返すおバカちゃん。
まぁ、そんなことしてたら大抵ボスに瞬殺されておしまいなので、最後までほぼソロと変わらない状態だった。
なんのためのお助けキャラなのか、せめて敵のヘイト集める盾役ぐらいにはなってほしかった…

劣化篝火

気分はインスタント篝火

無駄にオリジナルと差別化しようとして、頑張って考えたけど、失敗してテンポ悪化&ストレス増やしてる要因のひとつ。

ソウルライクゲーあるあるシステムで、エリアの要所には休憩地点が設置されてるものなのだが、なんと今作はそれが異常に少ない。というのも代わりに「苗木」というインスタント休憩地点があるからだ。この「苗木」はけっこう色々な場所に設置することができ、そこが新たな休憩場所となり便利なのだが…

かなり曲者仕様で全マップを通して一つしか植えれず、新しく「苗木」を植えると、以前の場所が消えて上書きされてしまう。しかも、まさかの消費アイテムで、なにも考えずにあっちこっちに作ってたらすぐなくなる。

基本的に強い敵しか落とさない一応買えるが説明がない地味にちょい高い、という最悪な3ステップ構え…

せめてもうちょっと安くして…

後半の経験値が困ってない時ならいいんだが、序盤はレベルも上げたいし、装備とかも揃えたいしで、かなりカツカツだからマラソンを強いられる形になってテンポ最悪。

というか、いくら「苗木」があるからとはいえ、流石にボスの直前には固定の休憩地点を設置してほしかった。マジで「苗木」を使わせたいがために、ボス前に休憩地点がないパターンが非常に多い。そんなに使わせたいなら、せめて消費アイテムじゃなくて、元から何度でも使えるようにしておいてほしかった。

エフェクトがゴミ

爆風で見にくすぎる鉄の旅人戦

マッッッッッッッッジで見づらい!!!
なんか Unreal Engine の最初から入ってるアセット使ってるのか???ってレベルで、属性攻撃やら水しぶきやら火柱やらのエフェクトがゴミ
ド派手に光ってたり、鈍い色して透過されてないくせに、画面いっぱいに広がる物が多すぎて、敵が何してきてるのか一切見えないことが多々あった。

「肉体の信徒」「静寂の聖人」「鉄の旅人」このボスが、そういうエフェクトをふんだんに使ってくるため、終始「何してんのか見えねえよ!!」ってキレながら戦ってた。あのエフェクト考えたやつ終わってる。

一番これが最悪に作用してくるのが「鉄の旅人」とのボス戦。
参考動画を貼っておくが、戦う場所が狭すぎて火柱が立つ攻撃されたら何も見えない。ガードしたら最後、何も見えない&多段ヒットの連続で死ぬ…なんか無印DARK SOULSの山羊頭のデーモンより酷かった。

謎のロックオンシステム

手前のランタンをロックオンしたいから画面中央に寄せる
でもボタンを押すと奥の敵をロックオン

「マジでどうなってんだよ」というツッコミを終始自分でゲームにしてた。
画面中央のやつを優先してるのかと思いきや、真横の敵をロックオンしたり、一番近いやつを狙ってるのか???って思ったら、足元とかはスルーして彼方の敵をロックオンするし……

一体何を基準にお前は狙ってんだよ…

複数敵などがいて、ロックオン対象を変えたい時は、カメラをぐいっと自分で動かして、対象を画面中央にもってこないといけなかったりと、色々使い勝手もわるいし…良いとこなし!!
タイマン以外で使うのもうやーめたってなる始末。

うーん、エフェクトもそうだったけど…
Unreal Engine を制御しきれてないだろ絶対これ。

レベルデザイン関連

雑すぎる難易度調整

序盤屈指のクソボス

なんかめっちゃにDARK SOULSやエルデンリングを意識してつくったみたいだけど、序盤で力付きたのか中盤から後半、すげえレベルデザインが雑になっていった。ちゃんと真似出来ていたのは序盤のピエタぐらいまで…

大抵のソウルライクゲーはボスとボスの間に雑魚敵がいて、そいつらを倒して良い感じにレベルアップしてそうな頃合いで、次のボスに到達するようにしっかりとメリハリがあるよう調整されてたりするが…

このゲームはそうなってない場合が非常に多い!!!

作るのがめんどうになったのか、中ボスの後にちょっと歩いただけで大ボス、みたいなエリア構成になってる箇所が多々ある。
えええ!!!???ってなる、「俺、知らない間にボスラッシュモードやってた???」って勘違いしそうになるレベル。

序盤のやつらより弱かった中盤の大ボス

また、ボスの難易度もめちゃくちゃむらがある
序盤の大ボスは強くて、何度もやり直すぐらいのやつらばかりなので、大ボスってこんなやつらばかりなのかなと思いきや、なんかドンドン後半に行けば行くほど敵が弱くなっていくという。
わかりやすい挙動だったり、ゴミみたいなエフェクトが少ないせいだとおもうけど、出す順番まちがえてないか??って勘ぐるほど。

終わってるよ、評判を立て直したいならボスを含めたステージ構成、ちゃんと作り直した方がいいよ。ピエタ以降の難易度調整がマジで安定しないゴミだった

優遇の差が激し過ぎる

このゲームを楽しみたかったら光ビルド一択

圧倒的に光ビルドが最強!!!
びっくりするぐらい優遇
されてます、回復も攻撃もお手の物で召喚術もなんのその。一番やばいなって思ったのが、光の状態異常の仕様です。
異常値が貯まるとゼウスの雷が如く、いきなり光のエフェクトが身体に走り、ゴリッと体力と体幹削ります。もちろん体幹を削り切るとノックダウン状態になり、致命の一撃がそのままとれます。マジぶっこわれ、他の状態異常は体力が減ったりとか、ダメージが伸びる系ばかりで、さすがに体幹までは削らないのに…

確かに光属性をつかさどるNPCが、主人公勢力みたいな感じあるけど、にしても露骨に強すぎる。もう一つの主人公勢力の暗黒騎士ビルドはそこまで強くないのに…

今でいう五条悟なみに強さだったのが懐かしい

例えるなら初代DARK SOULSの調整される前の呪術なみのぶっ壊れで、ある意味脳筋よりも脳筋できる。武器に光属性付与して殴ってたら、物凄い勢いでのHPも体幹もゴリゴリ削れるんだもん。

最初に脳筋ビルドで苦しんでた時間は一体なんだったのか…

中ボスの扱いが雑

序盤の中ボスだらけの中盤に行く丘エリア

中ボスクラスで戦った相手が、雑魚敵に格下げされる速度が異常に早い。
最早ボスである意味そんなにないのでは?っと思うぐらい。

特に中盤からは大ボスを除いて、目新しい敵がほぼ出てこなくなり敵の使い回しっぷりが顕著になる。序盤に中ボスとして戦った敵が、エリアに無造作に配置されまくるという。あっちもこっちもボスだらけ…

最弱ボスで速攻で雑に置かれる毒騎士

一番酷かったのは終盤で、さっき戦ったばかりの中ボスが扉あけて入った建物で、雑に2,3体置いてあった時は、流石に呆れるのを通り越して笑った。

流石にもうちょっと敵キャラの種類作るの頑張ってくれよ…
というか作れないならそんなにエリアいらないから、量より質を頑張ってほしかった。モーションもほぼみんな一緒だし、見た目が変わったぐらいの奴が多すぎる。
DARK SOULSとかエルデンリングもそういうのあるけど、もう終盤の終盤ぐらいにしかそうならないから許されてるだけで、今作は中盤からそういう事が起こり始めるので、めっちゃ手抜き感がすごい

やたら不親切な作り

ランタンの強化してくれるこいつぐらい説明あってもいいだろ

所々で不親切極まりない設計になっている。
ランタンの強化について一切説明がない武器や防具の並び変えができない、買い物中や装備強化のUIがクソわかりずらい、次の行き先がわからなくなる等など…

細かいことが多いが、昨今のユーザーフレンドリーなゲームデザインに当てはまらず、昔ながらの自分で見て感じて気づいてね方式。おかげで何回か攻略サイトを見る羽目になった。わかんねえよ…てか最低限の説明して…

あとがき

パット見はいいけど中身がだめだった

なんというか、2000円ぐらいなら買う価値あるかもしれない…
アプデを繰り返してよくなってきたとSteamのレビューに書いてる人もいるが、マイナスだったものがゼロにきただけで、まだまだスタート地点にようやく立てただけだと思う。正直これで4000円以上はやばすぎるよ。

一応、今後のアプデでModに対応しやすくなるよう、改善していくらしいが、有志の力でどこまで改善できるのかやら…

同時期ぐらいに出た Lies of P は堅実なアプデを繰り返して、最初に言われていた問題点を丁寧に修正していったのに対して、このゲームはそれがあまり出来ていない。というか、元々の根っこが腐ってるので、調整というより作り直しに近いオーバーホールをしないとだめな気がする。

結構色々紆余曲折あって、一度は頓挫しかけたゲームタイトルだったから、ちょっと目をつけてたんだけど、寝かしといて大正解の作品だった。
ビジュアルだけは好きだったよ。

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