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#スポーツを止めるな について(前編)

RUGGERSオリジナルコラム
「#スポーツを止めるな について」

筆:廣瀬俊朗
1981年生まれ、大阪府吹田市出身
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU 代表取締役
NPO法人 Doooooooo 理事

高校生にチャンスを!

 5月から本格的に動き出した、「#ラグビーを止めるな」「#スポーツを止めるな」(注1)という活動はもうすぐ3ヶ月経過することになるが、猛スピードで駆け抜けている。一人の高校生でもいいので、大学でスポーツを続けて欲しいという想いでスタートした。また、試合がなくなっている彼らのモチベーションが少しでも上がってくれればという想いもあった。実際に彼らが掲載してくれた映像を現役トップリーガーや僕がリツィートしたら、Twitter上で高校生が「オーー!」と反応して盛り上がっていた。少しでも彼らのためになっていることが実感できて、僕らのスイッチも入った。
 社会人時代のライバルであった元パナソニックワイルドナイツの霜村誠一が、現在桐生第一高校(群馬県)のラグビー部監督であったので、上手に連携して、高校側の視点をすぐに確認することができた。対外的に動き出す前から相談していたので、すぐに対応して、映像を発信してくれたので、他の高校生にとっても何をやる活動なのかをビジュアルとして理解することができた。ロールモデルができたことは大きかったと思う。

 今回の活動が大きなムーブメントになったのは、何よりも発起人である野澤武史さん(注2)が100校を超える高校に自ら直接連絡をして、普及活動を積極的に展開したことが大きかったと考えている。生徒のために何かをしたいと思っていた顧問の先生も積極的に動いてくれたし、日本代表の選手やトップリーガーもこの活動を支援してくれたので、初動から大きなムーブメントになっていった。テレビや新聞など、メディアでも数多く取り上げてもらった。この映像がキッカケで実際に大学が決まったという話を何件も聞けた時は感慨深いものがあった。

 一方で、他競技のことを考えると、同じような境遇のスポーツが多いことも明白であった。他競技でも同様の取り組みが重要になると考え、早々にバレーボールの元日本代表・大山加奈さんなどに声をかけて、オンラインミーティングを繰り返した。競技によって、置かれている環境は異なっていた。個人競技のため相手側の選手への配慮がより必要なスポーツ、普段から映像を作って発信しているのでどんどん積極的に展開するスポーツ、TwitterではなくInstagramの方が向いていると考えてプラットフォームを変えるスポーツ、オリジナリティが重要なのでハッシュタグを変えるスポーツなど、様々な方法が取られていった。僕らとしてもお互いの競技特性について新たな発見があったり、これまでなかったネットワークにも繋がったり、この活動の本筋以外にもとても勉強になることが多かった。
 活動としては、共通のハッシュタグで進んでいく中で、集約されたプラットフォームも必要になってきたので、その構築は外部のリソースに頼った。大学スポーツの団体であるUNIVASさんがサイトを協力してくれることになり、各競技毎にまとまった映像が集約されることができた。

 後編では、今後の活動について書きたいと思う。


(注1)「#ラグビーを止めるな」
新型コロナウイルスの影響で各種大会が中止となり、大学側にアピール出来なくなった高校3年生の進路支援をするインターネット上の活動。高校から大学の進路に留まらず、大学からトップリーグの進路等にも拡大。

他競技でも同様の取り組みが始まり、競技の垣根を越えた「#スポーツを止めるな」のムーブメントに拡大。
7月には一般社団法人を設立。


(注2)野澤武史さん…元ラグビー日本代表。現在は、(株)山川出版社 代表取締役副社長を務めながら、日本ラグビーフットボール協会リソースコーチとして若手選手の強化・発掘を担当。J SPORTSでラグビー解説も行っている。


~後編はコチラ~


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