トップリーグ2021の振り返り(後編)
RUGGERSオリジナルコラム
筆:廣瀬俊朗
1981年生まれ、大阪府吹田市出身
元ラグビー日本代表キャプテン
株式会社HiRAKU 代表取締役
NPO法人 Doooooooo 理事
スクラム・ジャパン・プログラムアンバサダー
※前編はコチラ
最後のシーズンとなった、トップリーグ2021を振り返る。
後編も、気になったチームの続きから書きたいと思う。
僕が所属していた東芝ブレイブルーパスはまずまずであろうか。近年タイトルがなくて、少し寂しいなと感じる時はある。自分自身もコーチとして貢献できずに申し訳なかったという思いもある。いつも心のどこかで気になっていて、悩ましいと思っているところであるが、シーズン後半に若手がどんどん出てきて、チームを牽引している様子が伺えてとても嬉しかった。来シーズン以降に期待できるのではないか。昨年亡くなったユハ(湯原祐希コーチ)の想いに応えるためにも、新しいトップリーグでの躍進を期待したい。
ここ数年充実していた神戸製鋼は、ずっと勝ち続けていたからであろうか、少し物足りない結果になってしまった。ダン・カーター選手、アンドリュー・エリス選手というリーダーがいなくなったことも影響しているのかもしれない。力を出しきれずに終わってしまったように思う。神戸製鋼のポテンシャルは依然として計り知れない。来シーズンも優勝候補の一つになってくる。共同キャプテンの日和佐選手もよく知っている仲間なので楽しみである。
そして、何よりもトップリーグを盛り上げたのはNTTドコモであろう。TJペレナラ選手を筆頭に皆が躍動していた。チームの一員であることに誇りを持って、戦い方を信じて戦い、良いリーダーがいれば、こんなにチームは変わるのだととても勇気をもらえた。TJベレナラ選手は、試合での活躍はもちろん、いつも1番に来て分析や自分の準備をしてから練習に行く、動物性の食品は摂らないなど、チームの文化作りや、選手の思考を変えるキッカケを作ったのではないかと考えられる。本当に貴重な存在であったのではないか。来シーズンは彼がいない中で、ドコモがどう進化していくのか非常に楽しみである。
生まれ変わる新リーグのフォーマットは発表されているが、今後どのチームがどのカテゴリーに所属することになるのか、我々ファンはまだ知らない。これから発表されるが、どうなっていくのか非常に注目である。
長年トップリーグを支えてきたコカ・コーラがラグビー部の活動を終了し、宗像サニックスは規模の縮小を決めた。コロナ禍で企業の業績も安定しない。トップリーグは新たに生まれ変わるが、社会にとってより価値のあるものになり、ステークホルダーと共に幸せになっていくものをいかに作っていくのか、ここから真価が問われる。
僕自身は、良いロールモデルのチームが生まれていくことが重要と考えるので、そういったチーム作りのお手伝いや、試合以外をどう盛り上げるのかという部分を色々と考えて、アクションしていければ良いなと考えている。
最後に、約20年に渡るトップリーグのお陰で日本ラグビーはここまでなんとかこられました。ありがとうございました!
ファンの皆さんの支えがあっての我々でしたので、本当に感謝しています。
引き続きよろしくです!!!
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