”ラグビーインド代表監督で得た学び” アジア選手権編 #1 @パタヤ
日本ラグビーフットボール協会公認 S級コーチの神宮寺です。
今回は2018年にインド代表監督としてアジア選手権に出場した際のスペシャルな経験から得た学びを綴りたいと思います。私がコーチとして得た学びが皆さんのコーチングを豊かにするお手伝いができたら幸いです。
ラグビーインド代表の記録 ついにアジア選手権編 突入
アジア選手権はタイのパタヤビーチ近くの会場で開催された。
ホテルの部屋からも海が見え、インドからの移動で疲れた身体も瞬く間に癒された。いよいよ勝負の1週間の始まりだ。
暑いのか、暑くないのか?
私はとても暑く感じた。なんというか気持ちの悪い暑さ。(観光的にはOK)
インドの選手に「パタヤ暑くない?」と聞いたら、皆一様に「インドの方が全然暑いっしょ!」と応えた。 インド人って暑さに強いんだなぁと改めて思い、暑さ問題はスルーすることになった。
歓迎ムードのパタヤ
写真にあるタペストリーが、ホテルの中だけでなく街中に装飾されており、ホテルと練習会場間のバス移動の際も、前後にパトカーの護衛がつくなど、決戦間近という空気が徐々に出来上がっていった。
*写真はエースのプリンス。タペストリーにも写真が使われている。
それぞれがチームのために動く
パタヤ到着日はコンディショニングに時間を当てた。
チーム内にヨガのインストラクターや、フィットネスジムのインストラクターを仕事にしている選手もいて、トレーナーが帯同していない代表チームだったけども、それらの仕事は彼らにお願いした。
おそらくこのような環境が当たり前だから、彼らも自発的に役割をかってくれて上手にチームをハンドルしてくれた。
バスから荷物を運ぶ時もそうだし、何をやるにも自分たちでやるっていうカルチャーが根付いているから、監督としては一緒に働く事と彼らに感謝を伝えることしかすることがなかった。
ただテーピングを巻ける人が少なく、コーチ歴が長い私は現場でトレーナーが巻いているのを見てきたということで、選手達に「ジャパニーズスタイルで巻いたるわい!」と言ったものの、ガチガチの可動域0のテーピングを披露してしまい、2度とお願いされることはなかった。。。
次回行く時は、足首・膝・肘の3ヶ所ぐらいのテーピングは覚えて行った方が役に立てるかもしれない。
最終調整
チームはもう完成に近い状態だった。
日本人とは違い、主張が激しいインドでは常に活発的な意見交換がある。
ただ、主将やリーダーが話す時はしっかりと耳を傾ける。
日本では当たり前のようなカルチャーなんだけど、私はこんな所から、チームが成熟してきたことを実感する。
最後のコミュニケーション
ホテルの夕飯は豪勢だ。他の出場国のチームと同じ場所で食事ということもあり、食事の内容も和洋中(和は無いけど・・)印洋中って言えば良いのかな・・・ さまざまな国の人が食べられるように配慮がされていた。
インドチームの中にもベジタリアンやビーガン、お肉は基本は羊と鶏肉、など宗教的にも体質的にも食べられるものが決まっている人が多いので、こういう配慮はありがたいと思う。
こういうホテルでの食事は人間関係がよく見えるのだけど、意外な組み合わせのメンツが一緒に食べているところを見ると面白い。
試合に向けての状態の確認、彼らと最後までさらけ合う関係の構築、もう一つは大会が終わって彼らと離れ離れになる寂しさも込み(これが1番の理由かも)で色々な席で色々な選手と食事を取ることにした。
ちなみに、左側のショーケンダーは、彼は酒を飲まない人なんだけど、彼に「ダル(酒) Face」(酔っ払った人の顔!)と言うと周りが大爆笑します。
困った時にはよく使わせてもらいました。ありがとうショーケンダー。
*インド人は日本人以上にギャグが好きで、かつ笑いのポイントが「激あさ」なので一般的日本人のギャクセンがあれば、爆笑はもらったようなものです。
このような緊張感のなかにリラックスした状態で
試合当日を迎えることになった。
<学びのまとめ>
●良いカルチャーは最大限に活用する
(より主体性がでるように、とにかく感謝を伝える)
●チームのために動く/自ら率先する
(チームのために動く人が増えるとチームのために動く人が更に増える)
●最後まで彼らから学ぶ姿勢(彼らを知る姿勢)
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