大阪の女。

彼氏と付き合って今月で丁度3年。
一緒に暮らしてからは、だいたい2年。
もうすぐ契約の更新が来るはず。
将来のこと考えて引っ越すんやったら、丁度ええタイミングやと思うねん。
あたしも今年で32歳。そろそろ身ぃ固めてもええ頃やと思うねん。
でもな、やっぱりこういうやつは、男から言ってもらいたいやん?あんたも多分「男の俺が言うべきや」って思ってるんかもしらへん。
出来るだけ自然とさ、そろそろどうやろなぁって思ってること気付かせたいねんな。
「こないだマチコがプロポーズされたらしいねん」
「ユミがさあ、会う度に旦那の惚気聞かされるねん、ほんまお腹いっぱいやわ」
どんだけそんな話しても「そうなんや」しか返ってけえへんってどないなん?
あんたほんまにあたしとのこと、真剣に考えてるん?
こんなんいつまでも待ってられへんから、痺れきれてゆうてもうたわ。
「なあ、引っ越しせえへん?」
豆鉄砲食らった鳩みたいな顔して「なんでなん?ここでええやん」って聞き返してきたから「あたし、大阪に住みたいねん」って返したんよ。
前から言っててん、結婚したら大阪住みたいなって。彼氏の地元やし、パートとかの給料も他より高いし。
「もうすぐ3年経つやん、あたしさ、あんたと結婚したいんやけど」
葬式でも来たんかってくらい、暗い顔色で彼氏が「俺、すぐに結婚する気ないで」ってさ。
ほんならいつなん?あたしももう若くないねんで?丁度アパートも更新やし、引っ越すええ機会やん、なあ、なんでなん?
「だって、その、俺ら結婚でけへんやん」
「だから大阪行こってゆうてるんやん」
「大阪行って何になるん?」
「パートナーシップ制度あるから、夫婦とおんなじように意味があるって、前にも話したやん!」
「そんなん聞いてないよ」
はあ?聞いてないわけないやん、あたしはあんたにしか話してないんやから。
結婚する気あるんやったら調べたりとかしてるやろって思ってたけど、なんも知らんのやったら、ほんまに結婚する気ないやん。
「もうええわ、別れよ。出てってよ」
「は?なんでそうなるん?」
「結婚する気ないんやろ?あたしとのこと全然考えてへんやん。なんかもうあかん。ここ元々あたしの部屋やねんから、はよ出てってよ」
彼氏追い出したらなんかちょっとスッキリしたわ。部屋に服とか全然置いたまんまやけど、なんかムカつくから店の子たちにでもあげよっかな。
このサイズやったらマチコと同じくらいやし。ええやんええやん。でも出勤する時は着てこんとってな、しばらく思い出してまうかもしれへんからね。
あーあ、結婚する思とってんけどなあ。
あかん、悲しんどったらもうこんな時間やん、化粧して店行かな。
髭剃る時間ないやん、もーう。

まだまだ未熟でありますが、精一杯頑張ります