灰。

真っ白な世界に

真っ黒な闇があって


その狭間に

ゆらゆら揺れている

自分は灰色で


この世界に

色はなく

頬を伝う涙すら

灰色



色のない世界の隙間から

外の世界を垣間見ると

あら不思議

外は色があふれている


隙間から入ってきた彼女は

真っ白なワンピースだが

ところどころ赤で飾っている



なぁにこのせかい

つまんないの

こっちに出てごらんよ



彼女に手をひかれ

隙間から飛び出そうとするも

足元に僕と同じ色の鎖



僕はここから出られないんだよ



彼女の手は

僕の腕をひっぱったまま


にっこり笑う

こんなとこにいたいの?


つまんない人間


ほら鎖なんてないんだよ


足元みてごらん




僕の足元には

真っ赤な薔薇の花びらが散らばり


僕と同じ色の鎖は


存在しない
















花びらの辺りから

周りがどんどん

色を持つ




僕はまだ灰色



だけど

彼女の触れた腕だけは

彼女の色に染まっている



まだまだ未熟でありますが、精一杯頑張ります