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分析はできることから始めればいい

現役アナリスト時代、高校や大学、企業などで「分析・アナリスト」について講演をしたことがある。
その講演の中で分析ソフトや機材については、必ず話をするのだが、トップチームや整った環境の中でやらせてもらったので、高額な機材や分析ソフトも購入し、使用することができた。(と言っても、ビデオカメラはTOP写真の通り、一般的なハンディカムを使用していましたが)
これはもちろん、「分析・アナリスト」というカテゴリにより興味を持ってもらうための話題性であり、いわゆる「盛り」も含めた話になる。

しかし、この話をしてしまうと、「分析」に興味はあるし、やってみたいと思っても、高額な分析ソフトは購入できないし、機材を一式揃えないと「分析」はできない!と思う人も出て来る。

そんなことは絶対ない!

もちろん様々な機材を使用し、高額な分析ソフトを使用できれば、より効率的で多角度的な分析をすることが可能になるだろう!
でも 紙とペンがあれば、「分析」は可能だ!

私は高校教師時代、簡単なスタッツを取っていた。
もちろん公立高校のラグビー部などに分析ソフトなどはなく、
あったのはビデオカメラと三脚しかない。
個人的に使用したとしたら 紙とペンとストップウォッチとボイスレコーダー

試合中に気になったことをメモしたり、
ストップウォッチで時間を確認したり、
メモをしていると試合から目を離さなくてはならないので
ボイスレコーダーに試合時間と起きた事象を吹き込んだ。
ビデオ撮影は、キックオフからハーフタイムまでは停止せずに継続録画することで、私のストップウォッチの時間とリンクしやすくなる。
つまり、試合後にビデオを見返す際、
ボイスレコーダーに吹き込んだ時間やメモした時間とビデオの時間が合うので
効率良くレビューができるのである。

あとはエクセルなどで簡単に作成した番号と罫線だけ書かれたA4用紙を用意し、
タックルやボールキャリア、ハンドリングエラーなどの簡単な個人スタッツを「正」の字を書いてカウントしたりもした。
これは私だけでなく、選手にもやらせて、
人のプレーを見る習慣をつけたり、より構造的にラグビーを理解するためのキッカケにもしていた。
また、上級生が下級生の試合時にこのスタッツをつけてやることで、
下級生の改善点や強みを把握でき、アドバイスできるので、
選手内での良いコミュニケーションにもつながった。

てな感じで、高額ですごい分析機材がなくても、「分析」を進められるのである。

これを繰り返していく中で、こんなスタッツも取ってみたいな!あんなスタッツも取ってみたいな!とイメージが出て来るので、それをスタッツの数を書きやすように、エクセルでいろいろなオリジナルシートを作成していくと良いでしょう!

これは私が15年くらい前に高校部活動でやっていた手法だが、
今では「紙と鉛筆で始めるゲーム分析〜紙スポ〜」と題され、
専用のシートがすでに販売しているので、これを活用しても良いのではないだろうか。

競技性に合わせて、その競技専用シートがたくさんある。
記入例や活用例もブログとしてまとめられ、非常に参考になる。

福岡にある「スポーツセンシング」という会社が販売しているが、他にも分析に使用できる機材等がたくさんあり、興味深い企業である。

目的は数字を出すことではなく、
集計した分析結果からいかにチームと選手個人を成長させられるかだ!
ダメな部分を見つけるための数字ではない。
より改善し、より上手くなるためにポジティブに使用していってほしい!
そのために できることから始めていけば、結果に結びつくでしょう

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