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メジャー(巻き尺)を使わないお話・その1

龍が1982年に、ブラジャーを中心とした下着専門店
『リュー・ドゥ・リュー』をオープンしてから、
一度もメジャー(巻き尺)を手にお客さまの胴回りを計測したことは
ありません。

「そんなの下着屋さんなのに嘘でしょう?」
「カップもアンダーベルトも数字というものがあるのに、どうするの?」

お客さまの洋服を着た状態で、お店の扉を開けた瞬間に〔目測できる〕のです。
「こんにちは。初めまして〇〇です」ご挨拶のとき、龍の頭の中には、なにが浮かぶのでしょうか。


背の高さ、肩幅や肩の傾斜やつき方、全体的に骨格をみて、お客さまの着けることが可能な範囲のサイズやカップが、さらさらとわかってしまうのです。
着ているものの服のサイズ感も見ていますが、細部までみなくても
「このサイズがいいと思う」とピンと明確にわかるのです。
「あまり胸のボリュームそのものは、目に入らないかも?!」
とさえ言います。
これは、龍のみならず、スタッフもそうだとうなずきます。
あくまでも数字は目安だと・・・。

では、どうするのか。
●両手のひらで胸の付け根を包んで、胴回りの感触を得ています。
●さらに、両手のひらで、肩甲骨や肋骨の状態を確かめバストの円周が
どうなっているのかも確かめます。
カップの形と身体のバランスを探るのです。

その感触は2つのタイプに分かれ、「丸い」か「平たい」かでピッタリくる
「ブラの構造」を導き出していきます。

●丸い体型は、身体の幅が狭くて厚みがあること
●平たい体型は、身体の幅が広くて厚みがないこと

骨格の大きさとバストの量感について、最短でどういうブラジャーが
ぴったりか明らかになります。


例えば、身長が低く胸のボリュームが大きい人の場合。
丸い体型は、どちらかというと華奢な身体。
そこに胸のボリュームがあるため、身体の幅に収まりきれない残念な点がおきます。

この場合、アンダーサイズを小さくし、カップのサイズをひとつ上げて高さをつくります。

ベストブラ選びは、胸とブラジャーの円周と高さのバランスをベストの状態にします。

イメージとして、
山のすそ野を小さくして高さを出し、左右の山の頂点の間隔を近くすると
身体の幅の内側にすっきりと収まります。
その結果、背が高くみえ、バストの形がシャープなので、ウエストも細くみえるのでスタイルよくなります。
とても気持ち良い事です。


一方、平たいタイプさんのお悩みに多い例として、
身体に幅があるため、ブラジャーのカップの上部の中心から、
脇の下のところまで距離が届かないために、脇の下(腕の付け根)の
皮下脂肪が収まらない。
カップがバストの量に対して足りていない感覚があると思われます。

この場合のポイントは、アンダーサイズを上げて、カップの上辺が脇に届くまでの距離を満たし、肩ひもとの接続面からバスト全体が引き上がるようにします。バストの底面積を広めの量感の布で包み込むように集めます。


イメージとして、
広めの肋骨の土台に、なだらかな丘陵があって、それを脇から中央に向けてやさしくしまい込む。
バストのボリュームは自然な収まり方ですっきり整います。
上部にむけて引き上げられた結果、肩が自然と下におり、胸が開いて姿勢が良くなります。
そして小学生の朝礼の時にした『小さく前へならえ』したくなります(笑)

龍やスタッフの【ハンドメジャー】はリュー・ドゥ・リューの
信頼の肝なのです。
両手のひらから確かめられた感触は、とても的確で、フィッティングの体験は、とても腑に落ちて、だけどバストは、気持ちはあがるのです。


お店に到着したら
「骨格を触ってくださーい」と、ご挨拶してくださいね。

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