サッカーに関するデマへの反論集


SNS上では、様々な情報が飛び交っていますが、その質は玉石混淆。専門家による丁寧な解説もあれば、トンデモないデマもあり、注意しておかないと簡単にデマに騙されてしまいます。

自然科学や歴史、安全保障、政治といった分野では、デマの拡散もありますが、デマへの反論、間違いへの指摘も盛んに行われており、手間を惜しまずに注意深く検索すれば、デマへのカウンターとなる情報にアクセスすることも難しいことではないでしょう。

しかし、(少なくとも私の観測範囲では)スポーツに関するデマにおいては、その拡散とデマへの反論を比較すると後者が劣勢と言えると思っています。

特にサッカーに関しては、海外在住のインフルエンサーであるMay_Romaさんが長年に亘って頻繁にデマを拡散しようとしており、そのデマを無批判に信じてしまう人も、相当数、確認できます。

そこで、この記事では、そのインフルエンサーが長年に亘って垂れ流してきたデマに対して反論しておくことにします。

なお、今回の記事に関しては、完成してから公開するのではなく、一つのデマへの反論を一つ書き上げるたびに公開していきます。
……全部のツッコミが終わるまで公開を先延ばししていたら、何時まで経っても公開できない可能性を危惧してのことです。悪しからず。

2023/4/5 デマ1への反論までを公開。ver 1.0
2023/4/6 誰のデマへの反論かを明示。ver 1.1  
2023/4/7 デマ2への反論までを公開。 ver 2.0



デマ1 中流階級以上の子弟が通うパブリックスクールではサッカーをやらせない


事実 名門パブリックスクール九校ではサッカーがプレイされている。

イートン・カレッジのサッカーチームは度々来日して日本の高校のサッカーチームと交流を深めています。

http://www.toko.ed.jp/high/info/eton.pdf

https://kariya-h.aichi-c.ed.jp/school/international/eton2018.pdf

言うまでも無くイートン・カレッジはイギリスの各界指導者層を輩出している学校です。

また、シュルーズベリー・スクールは現代のサッカーが近代フットボールから発展するにあたり、大きな役割を果たした学校であり、そのことは同校の公式HPでもちゃんと語られています。
https://www.shrewsbury.org.uk/co-curricular/sport/football

ちなみに「正規のカリキュラムとは別に行っているものだから」という言い訳は通用しません。何しろ、彼女は「レクですらサッカーは絶対やらない。教えない。」とまで言ってしまっているので。

流石にラグビー校は、(サッカーとラグビーが分裂することになった経緯からか)サッカーには冷淡のようですが、それ以外の名門パブリックスクールにはサッカーの活動のことも公式HPにちゃんと記載されています。

ちなみにこのデマは彼女が名門パブリックスクールの公式HPすらまともにチェックしていないということを明示しているとともに、サッカーの歴史をまるで知らないことまでをも明示しています。

オマケ
また、↓のような研究もあります。

https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1356336X17706092

pdfの5枚目に載っている表をご覧ください。調査の規模は小さい(63人)のですが、upper-middle-classでもサッカーがプレイされていることを示しています。13枚目に載っている表も解りやすいでしょう。「Both school and non-school provider」の項目において、under-classからupper-middle-classまでの全ての階級でサッカーがプレイされていることを示しています。

デマ2 英国の上流階級や十分な教育を受けた層はサッカーが嫌い

事実 イギリスの富裕層が最も好むスポーツはサッカーというデータまで存在する。

https://spearswms.com/revealed-the-favourite-sports-of-millionaires/#:~:text=The%20research%20shows%20that%20football,sports%2C%20sailing%20and%20equestrian%20pursuits.

上記に紹介したこちらの研究でもlowerからupper-middleまで、幅広くサッカーがプレイされていることが明示されています。(調査の対象になった数が少な目ですが)

https://journals.sagepub.com/doi/pdf/10.1177/1356336X17706092

現在のThe Prince of Walesであるウィリアム王子はアストン・ヴィラの熱心なサポーターとして知られています。「そういった上流階級に属している人達がサッカー好きをアピールするのは労働者階級の好感度を上げるためだ」などと邪推する人もいますが……

試合中に一喜一憂している姿やピーター・クラウチのインタビューに答える姿からはポーズでやっているとは全く思えません。


ここまで素直に一喜一憂する姿に「ポーズでやっているに決まっている」などと邪推するのは失礼でしょう。

また、高学歴の人物でもプレミア・リーグのクラブのサポーターをやっている人も珍しくはありません。

著名人だとこの人が代表格ですね。

イングランド銀行の副総裁を務めた人物です。
実は、こういった著名人はちょっと検索するだけでも確認可能。

思い込みで話すのではなく、少しは確認してから話して欲しいところです。

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