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果たせなかった約束を

あなたは今まで出会った人の中で最愛の人。

あなたは世界中の誰よりも格好良くて
わたしは世界中の誰よりもあなたを愛している。

目を瞑って胸に手を当てて
あなたに愛してるを送って
あなたからの愛してるを飲み込む。

涙を流しながら。

そんな風にしかどうして生きれないのだろう。



この夏、あなたが仕事で
わたしの街に来てくれた。

わたしは嬉しくて嬉しくて
電話で話した約束事を叶えて欲しいと
あなたに頼んだ。

たった一日のうちの数時間。

七夕の奇跡のようなそんな、願い事。

ふたりだけの、約束事。



デートをする日の数日前から
天気が雨予報だった。

あなたとデートする日は
どんなにどんより雲の予報でも
絶対に雨は降らなかった。

だから、前日から止まない雨が
わたしを不安にさせた。

怖くなってあなたに連絡をする。


あなたから、
ごめんなさいと
流行り病に罹ってしまったと
報告を受ける。

あぁ。やっぱり。
だから、こんなにも大雨なのか。

約束を果たせないと言う
あなたからの悔しさを
たくさんたくさん感じられた。

わたしは心配とともに
分かっているから、大丈夫。と。

残念な気持ちはあったけれど、
あなたの方が心配だった。

今にも寂しさに押し潰されて
しまいそうだったから。
会えない悔しさに
おかしくなってしまいそうだったから。

ふたりとも、言葉にならない想いを
胸にしまい込むしかできなかった。

言葉で慰め合うしかできなかった。

心と身体は繋がっているから
元気になって歩き出そう。

笑顔が戻るまで
文字で声で温め合おう。

果たせなかった約束は
少しだけ、伸ばして
必ず結ぼう。

だから待っていてね。と。

えぇ。待っているわ。と。


わたしの願いだから。
わたしの想いだから。


あなた以外の男にはできないことだから。

それまで
あなたの力強い腕も温もりも
全部全部容易に思い出せるから

あなたの文字をお守りにして
あなたの写真に元気をもらって
あなたの笑顔を宝物にして

いつか
約束が叶う日がくることを願って待つわ。
胸の中に生きるあなたを信じて。


だから、きっと、きっとよ。

わたしの想いを願いを
どうか、叶えて。


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