世界支配層によるNWO計画(人口削減)を示すものとして陰謀論者の攻撃の的になり、2022年に破壊されたジョージアガイドストーンについて調べてみました。
日本語版Wikipediaより
日本語版Wikipediaにジョージアガイドストーンのエントリがあります。
エルバートンの位置
南北戦争では奴隷州となった南部の州で、気候は日本の大部分と同じく温暖湿潤気候です。
こちらのページ(英語)に全体のわかる写真と構造図が掲載されています。
6枚の厚い石板で作られ、全高5.87メートル、中央に建てられた1枚の回りに4枚の石板が立てられ、1枚が上に乗せられています。4枚の石板の両面に「10のガイドライン」と呼ばれる短い10の文章が1面につき1つの現代言語で記されています。上に乗せられた石板(キャップストーン)の側面には古代言語文字(アッカド語、古代ギリシャ語、サンスクリット、ヒエログリフ)で短いメッセージが刻まれています。
建造の経緯と所有者および管理についてはWikipediaに次のようにあります。
10のガイドライン
4枚の石板の両面に8つの言語で刻まれた10のガイドラインについて見ていきます。使用されている言語は、建造物の北側から時計回り順に、英語、スペイン語、スワヒリ語、ヒンディー語、ヘブライ語、アラビア語、中国語、ロシア語です。日本語は含まれていませんが、8つの言語しか採用できない中で世界各地からバランスよく選択されている印象です。
Maintain humanity under 500,000,000 in perpetual balance with nature. (大自然と永遠に共存し、人類は5億人以下を維持する)
Guide reproduction wisely — improving fitness and diversity.(健康と多様性の改善、再生を賢明に導く)
Unite humanity with a living new language.(新しい生きた言語で人類を団結させる)
Rule passion — faith — tradition — and all things with tempered reason.(熱情・信仰・伝統・そして万物を、沈着なる理性で統制する)
Protect people and nations with fair laws and just courts.(公正な法律と正義の法廷で、人々と国家を保護する)
Let all nations rule internally resolving external disputes in a world court.(外部との紛争は世界法廷が解決するよう、総ての国家を内部から規定する)
Avoid petty laws and useless officials.(狭量な法律や無駄な役人を廃す)
Balance personal rights with social duties.(社会的義務と個人的権利の平衡をとる)
Prize truth — beauty — love — seeking harmony with the infinite.(無限の調和を求める真・美・愛を賛える)
Be not a cancer on the earth — Leave room for nature — Leave room for nature.(地球の癌にならない - 自然の為の余地を残すこと - 自然の為の余地を残すこと)
「人類は5億人以下」の部分について、世界を支配する秘密結社NWO勢力による人口削減計画を示したものであると見なす人々が、このモニュメントを敵視していました。
解説用石板
石板やタイムカプセルの存在は知りませんでしたが、いずれも神秘的なものというよりも実用的なもののようです。タイムカプセルが確認されなかったのは、最初から設置されていなかったからではないでしょうか。石板の中央左側には次のように記されています。タイムカプセルの設置と開封の欄は空白になっています。
社会の反応
施主について
R.C.クリスチャンと名乗る人物について、以下のページに記載があります(英語)。
このページから「Robert Christian And His Mission」と題された節の機械翻訳を以下に記載します。
考察
ジョージアガイドストーンの詳細を知り、依頼主と思われる人物について知ることで、おおよそ見当はついたと思います。10のガイドラインの内容を見るに、おそらく、理性や知性を重視するタイプの人物が、将来の人類の危機において指針(ガイド)を示すためのモニュメントとして建造したと考えてよいでしょう。
まず、サイズです。6メートルほどの高さしかないということは、人との比較において特に巨大というわけでありません。それは、NWO勢が設置するにしては小さいと感じます。ただ、ストーンヘンジやモアイ像が5メートルほどということなので、それらに合わせた規模にしたのかもしれません。
ガイドラインの内容については、20世紀後半、人口増加が続き、資源の枯渇や、対立の激化が進む中で、どうすればよいのかを真剣に考えていくと、この10のガイドラインのような内容に行き着きやすいと想像できます。
またこのモニュメントには、オカルトチックな要素が少なく、天文学的特徴にしても平凡です。
NWO勢であれば、このような特徴を作り込むことは決してしなかったでしょう。彼らはもっとシンボル的・予言的な演出を好みます。北極星のように長い時間のうちにずれていってしまう存在をあえて目印にするようなこともしないでしょう。こうした部分から、設計者は、生真面目であまり演出的なセンスに富まない人物であると考えられます。
選択されている8言語についても、世界中の大陸から広く利用されている言語を選んだものと思われます。ヘブライ語だけは違和感がありますが、現代の社会におけるユダヤ人の活躍や、ヘブライ語が一度日常語として使われなくな った古代語が再び復活して実際に話されるようになった唯一の言語である点を考慮したのかもしれません。ヘブライ語を抜いて代わりに入れるとすれば、日本語ではなくインドネシア語・マレー語になったかもしれません。
私は、人類がうまくやっていく鍵は、現在のような中央管理型やグローバル型を捨てて、各地域で独自に自然保護や経済活動を展開することにより、総体としてうまくいかせることにあると考えます。福岡伸一氏のいうように、
人体には全体を知る細胞は一つも存在せず、脳という器官にしても全体を知っているわけではありません。しかし体全体で細胞がうまく調和をとりあってバランスをとっています。その観点から10のガイドラインを読むと、まだ人類の知性や理性を信じ込んでなんとかしようとしている点に工夫のなさを感じてしまいます。
ヘブライ語が採用されている点は少しひっかかりますが、このモニュメントは何らかの呪詛をこめたものではないと私は考えます。
余談ですが、この記事を書くまで私は「ガイドストーン」ではなく「ガイアストーン」だと勘違いしていました。NWO勢が名付けるとすれば「ガイア」になるのではないでしょうか。