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COVID-19をどれだけ恐れるべきなのかを改めて考えてみる

私事で恐縮なのですが、COVID-19(以下コロナ)をどれくらいのレベルで心配しないといけないのか…ということを改めて考えなければいけない事態が我が家でありまして、実際のところ、今、日本で暮らす上でどれだけコロナを気にしなければいけないのか。

極端な話、一部で言われているように再びロックダウンをしなければいけないレベルなのか?

それとも例えばGotoキャンペーンなどを利用して旅行に出かけても(感染症対策さえしっかりしていれば)問題ないレベルなのか?

というあたりについて、一度手元にあるデータから自分なりに考えをまとめてみることにしました。

■前提:今回の推測に使われた数字について

今回私がコロナの現状を考えるに際して、元になる数字はYahoo! Japanのトップページにリンクが貼られている、『新型コロナウイルス感染症まとめ』を使わせていただいています。

実はここで出ている数字を私は4月から毎日集計しており(コロナの影響で当時職場が休業になっていたため、暇だったのです…)、今回はその、約4ヶ月におよぶ毎日の数字を、コロナの危険度を図る目安として使わせてもらいます。

正直なことを言うと、Yahooの新型コロナ感染症まとめに上がってくる数字は合計値が結構毎日間違ってたりするので(例えば全感染者数が前日100人で、次の日の感染者数が10人だった場合、合計した感染者数が105人とか115人とかになってたりする)、細かい数値はあまり当てにならないと思ってはいるのですが、統計として4ヶ月分が集まればある程度の意味はあるかなと思っています。


■データその1:現在までの累計感染者数

毎日ニュースなどで「感染者数が新たに〇〇人…」「全世界の感染者数が〇〇人に…」などと言う報じられ方をされています。

今更言うまでもないかと思いますが、それらの数字はいわゆる「累計感染者数」と言われるもので、それによると日本国内で「コロナウイルスの感染が確認されたことのある人」の人数は、7月31日現在で36,387名となっているようです。

2020年現在、日本の人口は1億2596万人という事なので、これは日本にいる全人口の、0.024%がコロナウイルスに一度は感染した事がある計算になります。

あくまで平均化した値になりますが、日本人の約1/4000の人がコロナに一度は感染しているという言い方もできます。(あくまでも私の場合、ですが、幸いにして自分はもちろん、周りにご家族や知人・親類でコロナに感染してしまった方の話をあまり聞いた事がないのですが、この数字であればそうなるのかもしれませんね)


■データその2:現在の実際の感染者数

しかし、あくまで上記の数字は「日本でコロナウイルスに感染した事が確認された数字」の合計であり、実際にはその後コロナから無事回復された方もたくさんいらっしゃいますし、残念なことにコロナのために亡くなられた方もいます。

今まで感染が確認された人数から、回復された方の人数と亡くなられた方の人数を引いた数が、今現在も病院等で治療を受けている、『実際のコロナウイルスの患者数』という事になります。

実際に、病院等で治療を受けている、もしくは国に用意していただいている軽傷者の方が過ごすホテルで過ごされている方の数になりますが、こちらが同じく7月31日現在で、9,867名となります。(回復された方の数が25,508名。亡くなられた方の数が1,012名)

こちらも単純に日本の人口で計算をすると、0.008%の方が現在もコロナウイルスの治療を受けているという事です。(12,500人に1人の割合)


■データその3:コロナの死亡率・回復率

また、コロナに実際に感染してしまった方が、どれくらいの確率で回復をしているのか。もしくは亡くなられてしまったのか、という数字を見ていきたいと思います。

ニュースなどでも報道をされている通り、日本は欧米諸国と比べると死亡率がかなり低く(アジア各国で見るとそれほど低い訳でもないようですが)、またコロナから回復する率も高いようですが、実際の数値を見ていくとコロナから回復された方の割合は70.1%。亡くなられた方の割合が2.8%となっています(7月31日現在)。

毎日ニュースなどで報道されている通り7月に入って感染された方の数が急激に増え始めており、それに伴って回復率の数字は6月までと比べると大幅に減っているのですが(6月末の段階での回復率は88.7%でした)、亡くなられた方の数は大きく増えていないため、死亡率は6月末の段階の5.2%から2.8%へと、大きく減少しているようです。(もちろん今後また増えていくかもしれませんので、この数字だけを見てどうのというわけではありませんが)


また、この数字は全ての感染者・回復された方・亡くなられた方の合計数から計算してただけのもので、1ヶ月ベースで見ていくと各月の回復率・死亡率はそれぞれかなり異なっています。

4月の数字を見ていくと、4月の間にPCR検査でコロナの感染が確認された方の数は、1ヶ月間で約14,000名。その中で、約3,500名の方が4月の間にPCR検査で陰性が確認されて退院され、約415名の方が亡くなられています。

2020年4月の数字を見ていくと、回復率は24.6%。死亡率は3%前後となります。

しかし、2020年7月の数字を見ていくと、31日の段階の感染者数17,638名中、8,877名の方が回復され、38名の方が亡くなられているので、回復率は50.3%。死亡率は0.2%となります。

急激に患者数が増えた7月そのものよりも、7月に感染された方が8月にどうなっているか…というあたりを見なければなんとも言えないとは思いますが、日本の場合は感染者が急激に増えた7月でも、亡くなられた方の数は1ヶ月単位で見ると着実に減ってきており、また回復される方の人数は増えてきています。

有効な薬や治療法が確立されていない状況での数字ですので、少なくとも日本では、という前提はあるものの、「感染は増えているが死亡や長期にわたり治療が必要な病気ではなくなりつつある」というのが、日本における現状なのかもしれません。

これはひとえに医療関係者の方の努力の賜物だと思います。毎日命をかけて前線で働かれている医療関係者の方達には、本当に感謝いたします。


■推測その1:市中感染者はもっといる

さて、ここからは、上記の数字を基にした憶測の話になります。

検証その1で、現在の累計感染者数が36,387名(7月31日段階)という事が分かりましたが、感染症とは必ず「誰かからうつされる」事で感染をします。

コロナウイルスにある人物(以下A)が感染した事が判明した場合、必ずそのAに感染をさせた人物(以下B)がいなければいけません。

感染の拡大は現在も続いていることから、現在判明している36,387名以上の数の感染者が日本にはいることは間違いありません(もし市中にいる感染者が0だった場合、それ以上感染が広がることはないので)。


理論的に、「感染しているけどそれが判明していない(PCR検査を受けていない、もしくは受けられない感染者)」という、いわば隠れた感染者がどれくらいいるかを明確に測る手段はありません。

なので、実際の感染者数に関しては推測するしかないのですが、例えば6月まで国のコロナ対策のトップに近いところにいた北大の西浦教授によれば、4月の段階の予測ですが感染が判明した数の「10倍以上」の感染者がいるのではないかという予想がされているようです。


個人的には、危険予測をする際は、まずは予想されうる最悪の事態を考え、そこから現状に即して数値を修正していく…というのが必要だと思っているので、今回はこの西浦教授の提案していた「実際の感染者数は10倍以上」という数値のさらに倍。「実際の感染者は判明している感染者数の20倍いる」という前提で、推測を進めていきたいと思います。


■推測その2:予想される最悪の数で考える実際感染者数

データ2で述べたように、7月31日現在、日本には現在9,867名の方がコロナウイルスに今時点で感染している事が判明しています。

この数に、「感染が判明していない感染者」の最悪の予測数である20倍という数字をかけてみると、日本に現在いる実際の感染者数は197,340名、という予測が成り立ちます。

ここから、感染が判明している9,867名を引いて、187,473名。

これは日本の人口の0.148%に当たり、約1/675の確率で、感染者に出会う可能性がある、という事になります。

なんか中途半端な数字になってしまいましたが、最悪を想定した数値を見た場合、1日に675人の人とすれ違った場合、そのうちの約1人がコロナに感染している確率がある事になります。


■推測その3:予想される実際感染者数の検証

北大の西浦教授が予想されていた数(感染者の10倍)をそのまま使った場合はどうなるでしょうか。

単純に予想される感染者数が先ほどの予測の半分に減るので、98,670名の感染者が日本にいる計算になり、それを日本の人口で割ると0.078%の人が感染している事になります。(1282人あたり約1人の感染者)

西浦教授ご自身が「最悪の場合」ということを想定して出された数字ですが、この数字だとお住まいの地域によっては、感染している方と出会う確率はかなり低い状態のような気もします。(多分私は1日に1,000人もすれ違わない…)


■推測その4:別方向からの推測

ここまでは現在の感染者数から実際の感染者数を勝手に予測して数字を出してきましたが、別の角度からも予測をしてみたいと思います。

コロナは3〜5割(もしくはそれ以上)の方が、感染したとしても症状が出ず、無症状で終わる病気だと言われています。実際、最近ではPCR検査で感染がわかった方のうち、無症状で陽性が出ている方も多くなってきているようです。

と言うことは、現在感染が判明している方というのはほとんどが実際に症状があってPCR検査を受けた方なので、無症状が6割だと多めに仮定すると、PCR検査を受けている方は実際の数の4割程度、という推測ができるのではないかと思います(最近は少し改善されてきているようですが、日本では濃厚接触者であることがはっきりしている場合を除き、無症状でPCR検査を受けることが難しいとされているため、検査を受けている=なんらかの症状がある、と見ることは可能ではないかと思われます)。

単純に計算して陽性となった方が9,867名いると考えて、それが感染者のうちの6割、と言う風に計算をすると、判明していない感染者数は14,802名。全体の0.012%が実際の感染者という事になり、8334人につき1人ほどの感染者がいる計算となります。(西浦教授の予想のちょうど1/4くらいの数値ですね)


■推測その5:推測まとめ

上記の数値を全て検討して、科学的根拠は全くありませんが、西浦教授が出された最悪の数値(感染者は現状の10倍)を倍にした数字(なので20倍)と、単純に感染が発覚している感染者数から計算した数値(判明している感染者が実情の4割)の平均値から計算をして、実際の感染者数の予測を立てていきたいと思います。

日本全体で見た場合、予想される最悪の数値(187,473名)と、判明している感染者が実情の4割程度という計算で出た数値(14,802名)の平均値、101,138名が、日本にいる感染者数の、私の予想ということになります。


■予想その1:地域別で見る実際感染者数 東京の場合

では、上記の予測を基に、今度はいくつかの都道府県別でデータを出してみたいと思います。

先ほどまでの数字は「日本全体にどれくらい感染者が実際にいるのか?」という予想でしたが、人口密度の関係等で、実際の感染者数は各都道府県に寄ってかなりばらつきがあるのではないかと思われます。(毎日300人近い感染者が出ている東京と、現在の感染者数が一桁台で止まっている件では状況が全く違いますし)

例えば、日本で現在最も多くの感染者が出ている東京ですが、8月4日の段階で東京の現在の感染者数は3,577名。(累計感染者数が14,022名。回復された方の数が10,112名で、亡くなられた方が333名)

推測その5で出した数値(実際の感染者数の20倍)を当てはめた場合、約71,540名の隠れた感染者がいるという事になります。

また、現在の感染者数3,577名を全感染者の4割だとした場合、5,364名の方が無症状の感染者としていることになるので、先ほどの「実際の感染者は判明している感染者の20倍」という最悪の予想と平均値をとると、現在東京にいる感染者は、実際には38,452名いるということが予測されるわけです。

1日の都内で判明している感染者数が200〜400前後で推移していることを見ると、あながち外れた予想でもないような気がしますが、どうでしょうか?

東京の人口が13,999,568人ですので、約0.3%の感染者数…ということになりますが…。(約333人につき1人の確率で感染者がいる)

これくらいの感染率だと、マスクや手洗いをはじめ感染にはかなり気を使っていないと、気を緩めると感染の可能性があるのでは…と思ってしまいます。(もちろん私の予想があっていれば、の話ですが…)


■予想その2:地域別で見る実際感染者数 島根の場合

逆に、現在(8月4日現在)日本で最も感染者数の少ない島根県の場合、今現在実際に感染している方の数が2名。

 ・実際の感染者数の20倍:40名

 ・実際の感染者数を実情の4割として予想した感染者数:3名

 ・二つの値の平均値:21.5名

となり、平均で1日1〜2人出るか出ないか…という島根県の現状を見ると、こちらもなんとなくそれほど遠い数字ではないような気がします。(ちなみに島根県の1日に判明した最高感染者数は5名です)

島根県全体の人口は69万人ということなので、こちらは全県民の0.003%しか感染者がいないということなので(約3万3千人に1人の確率)、Gotoなどで他県から感染者が入ってこない場合は、まず感染リスクに関しては気にしなくても良いレベルなんじゃないでしょうか?(繰り返しますが私の勝手な予想ですので、マスク手洗いは必ずしましょう)


■予想その3:地域別で見る実際感染者数 北海道の場合

他の地域も見てみましょう。

当初は首都圏と並んで感染者数が爆発的に増加していると言われていた北海道の数字も予測してみたいと思います。

8月4日現在の感染者数は123名ということなので、

 ・実際の感染者数の20倍:2,460名

 ・実際の感染者数を実情の4割として予想した感染者数:185名

 ・二つの値の平均値:1,323名

となります。

う〜んどうでしょう?。

北海道は毎日の感染者数が5〜20くらいで推移しているようなので、そこから見ると妥当なんですが、なんとなく人口比で見ると少ない数値のような気がします。

北海道の人口は528.1万人ということなので、こちらは全道民の0.03%が感染しているかも…という計算に。(約3,333人に1人の割合)

ただ、北海道の場合は感染者が出ているのがおそらくほぼ札幌圏内のみ、という状況らしいので(北海道のコロナ感染者数の発表は道内の地域ごとに件数が発表されており、それを見る限り、ここ数週間は札幌を含む空知管内での発生がほぼ全てのようです)、札幌の人口195.2万人で計算し直すと0.07%なので…。(約1428人に一人の割合)

やっぱりあんまり変わらない?


■予想その5:地域別で見る実際感染者数 愛知の場合

もう一つか二つくらい予測してみたいと思います。

次は、東京に次いで感染数が増えている、愛知県での予想です。

8月4日現在の感染者数は1,680名ということなので、

 ・実際の感染者数の20倍:33,600名

 ・実際の感染者数を実情の4割として予想した感染者数:2,520名

 ・二つの値の平均値:18,060名

となります。

愛知県のここしばらくの毎日の感染者数が100人〜180人前後ということを考えると、少し少ない予想だと一瞬思ったのですが、よく考えると愛知県の人口は755.3万人なので、全県民のうち0.2%の感染率となると500人に1人の割合で感染者が市中にいることになるので…。

東京に迫る勢いで感染者が増えているという状況を考えると、あながち少ない予想でもないのかなと思ってしまいます。


■予想その6:地域別で見る実際感染者数 福岡の場合

東京の半分の人口の愛知県で少なく感じられる予測値が出たので、最後にもう少し人口を少なくした地域での予想をしてみたいと思います。

福岡も、東京/北海道/関西と並んで感染がずっと続いている県ですね。単純な感染者数だけで言えば日本で4番目の県です。

8月4日現在の感染者数は1,122名ということなので、

 ・実際の感染者数の20倍:22,440名

 ・実際の感染者数を実情の4割として予想した感染者数:1,683名

 ・二つの値の平均値:12,062名

となります。

福岡の人口は510.9万人なので、隠れ感染者数は全県民のうち0.2%。愛知同様、500人に1人くらいの割合で感染者がいる…という計算になります。


■結論

ここまで長々とあーでもないこーでもないと計算式を組み立ててきましたが、結論としては感染者が多い地域は300人から500人に1人くらいの割合で感染者がいる、という計算結果となりました。

これは、例えば小さなレストランや食堂、スーパーなどで感染者と同席する確率はそれほど高くなさそうですが、大型の商業施設や満員電車、大きなスポーツの試合やライブ会場等ではほぼ100%の確率で感染者がいる、と考えても良い数字なのではないかと思います。

また、今回は都道府県までの数値で計算をしましたが、同じ県内でも人口の多い所と少ない所が極端に差があるところも多いでしょうし(人口が多い地域の方が、確率的には感染者の数も多くなる)、クラスター等で人口は少ないのに感染者が爆発的に増えている地域もある(例えば今の沖縄)と思いますので、一概に感染者数の平均値だけで予測することはやはり難しいのだとは思います。


ただ、一番感染者が多い東京でさえ約300人に1人くらい?という感じの感染者数という予想があっていたとしたら、まぁ少なくともちょっとした買い物や外食くらいであれば、きちんと感染症対策をしていればある程度の安全は確保できるのでは?という予想なのではないかなと私は思いました。

(ちなみに、私の住んでいる地域だと、予測される感染率が0.05%。2000人に1人の割合で感染者がいる…という感じだったので、今回調べた中では東京・愛知・福岡といった地域に比べれば、ある程度は安心して生活ができそうです。わりと大きな夜の街が近くにあるので、感染症対策はもちろん必須ですが)


誰に知って欲しいわけでもなく、単に自分が少しでも安心したいがためにやってみた計算ですが、せっかく時間を結構使ってあーでもないこーでもないと言いながらやってみたので、滅多に記事を公開していないということもあり、今回noteに公開をしてみました。

「そもそも前提の計算が間違っている」「◯◯の要素が全く考えられていない」等、突っ込みどころがたくさんあるとは思いますが、思考実験の一つとしてアホが考えた精一杯の結果と見ていただければ嬉しいです。


ここまで読んでいただいた方。もしいたら、ありがとうございました!


※今回の憶測は、素人が物事の表面だけをみて考えた事です。今回の結論はなんら正確な事実を表しているものではありません。むしろ間違っている可能性が極めて高い数字ですので、その点だけ必ずご了承お願いいたします。

また、記事に出てくる数字は実際に私が調べたものではありますが、冒頭でお伝えした通りYahoo!の『新型コロナウイルス感染症まとめ』で誰でも確認ができるものです。

データが7月31日までのものと、8月4日のものが混在していますが、全て上記のデータから引っ張ってきた数字ですので、必要であればご確認をお願いいたします。

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