なんちゃってアフターヌーンティー
「アフターヌーンティー お一人様3500円」
駅前のホテルのポスターを見て、ため息がでた。
夫と二人なら7000円。
かといって一人で行くのはむなしい。
友人に「3500円のスイーツ食べに行かない?」と誘うのも気が引ける。
アフターヌーンティーとは、紅茶を飲みながら、サンドイッチやスコーン、ちいさなケーキなど頂くこと。アフターヌーンの名前のとおり、午後に、友人を招いて、おしゃべりしながらのが楽しむのが一般的らしい。
英国貴族の中で生まれたアフターヌーンティーは、優雅なテーブルコーディネイトも素敵。
食べ物は、お皿を2段、3段にしたスタンドに盛り付けられていて、紅茶を入れるカップやソーサーもとても優美で美しい。そしてキラキラの銀のカトラリー。
何より、キュウリのサンドイッチ、スコーン、小さなケーキはどれも私の大好物。食べたい・・・・・・
しかし、一人3500円は高い。
「買えなれば、作ればいいじゃない」
と、私の心の中のマリーアントワネットがささやく。
というわけで、アフターヌーンティーもどきを、自宅でやってみた。
決行は日曜日の午後。
準備は土曜の晩からスタート。
スコーンを仕込む。生地を作って冷蔵庫へ。
それから小さなケーキも焼いた。
娘が高校生のころのお弁当づくりのために買い溜めしておいた、カップが役に立った。
さて日曜日。
スコーンの型を抜き、オーブンへ入れる。180度で22分。
焼いている間に、キュウリをスライスして塩をして水分を出す。
スコーンにつける生クリームを泡立てる。そこで大失敗。十分立てを狙っていたのに泡立てすぎて、生クリームの油分と水分が分離してしまった。ぼそぼそした仕上がりになって、ショック・・・・・・
スコーンは失敗なく焼けた。卵を塗った表面はピカピカに光っている。真ん中にはしっかり割れ目もできている。よしよし。
きゅうりの水分を拭き取って、6枚切りの食パンをスライスし、マヨネーズとマスタードを塗ってきゅうりを挟む。
今日は一口サイズにするので、4等分にカット。
昨日焼いたカップケーキと、オレオクッキーを冷蔵庫から出す。
紅茶をいれて、イチゴジャムと失敗生クリームをお皿によそう。
はい、どん。
かなり華やかさに欠けるけど、わりと良い。
スイーツを盛り付けるアフターヌーンティー専用のスタンドがないので、皿とグラスを重ねて段にしてみた。
私は花より団子なので、これで十分イケる。
塩気のきいたきゅうりサンド、生クリームが溶けるくらい熱々の焼きたてスコーンも、なかなかおいしかった。
カップは、私たちの結婚式の引き出物。
母が余分に注文して、私たちの新生活に持たせてくれたもの。家庭訪問に来た先生とか、めずらしい来客のときにしか使わずに、あとはずっと戸棚にしまいこんであったけど、ちゃんと使わないともったいないなと思うなど。
ただのティーバッグ紅茶も、綺麗な器で、好きなスイーツと一緒なら、おいしさが割り増しになる気がする。
今回は作りたかったのでいろいろ作ってみたけど、別に、作らなくても、スコーンやサンドイッチはコンビニで買ってきたらいいし、スイーツもお菓子売り場のケーキでもいいかも。ホイップなら失敗なし。
でもやっぱり、アフターヌーンティー専用のスタンドはほしいなあ。
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