お遍路

(ゆる遍)四国八十八箇所霊場を巡る旅〜10番札所〜

ゆるいお遍路旅、略して「ゆる遍」は続きます。
なんの情報もありませんが、ぶらぶらと気楽にお寺をめぐりませんか。
前回は、こちら

10番札所 切幡寺

数年前、地元の学生が描いた絵を見た。

国指定重要文化財「切幡寺大塔」

学校の美術の時間か夏休みの宿題で写生したのだろうか。
緑の中で見上げるようにそびえる大塔は、堂々と、貫禄があり、それでいて若者が描いたみずみずしさがあった。学生による地元の民族文化、風習を描いた絵のコンテスト作品の中で、あの絵は特に輝いていた。最優秀賞に選ばれていた。実物を見てみたかった。

さて、まいりましょう。

車を降りると、延々と続く坂道と階段が現れました。
うわ、これを上がるのかと、ちょっと引きました。ですが、小さい子供もお年寄りもどんどん上がって降りてきます。
行くしかないでしょう。

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切幡寺は、切幡山の中腹、1500メートルに境内があるそうです。
さあ、登りましょう。

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333段!

上がります。ひたすら上がります。
数年前、京都の鞍馬山に登ったことがあります。あれはきつかった。2時間くらい延々と階段と坂道を登りました。貧血が酷くてふらふらの時期でした。よく登ったなと今でも自分に驚いています。
あの時に比べれば、333段なんて、なんてことない。

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まだまだ、登ります。

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「足がつる!!」 Tちゃんが叫びます。

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これも、修行です。ふう。
結構登りましたね。

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女厄除坂、男厄除坂を登ります。私も厄落としできたでしょうか。

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到着。

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手水舎で手を清めながら、上がった息を整えましょう。
ここは、龍も虎もいませんでした。残念。

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お参りしましょう。
線香とろうそくをあげ、お賽銭を入れ、般若心経を唱えます。
「ガラガラ、ガッシャーーン!!」
どこからともなく、ものすごい音が聞こえてきます。
音のする方を見ると、大きな数珠玉が天井の梁にかけられていました。梁には、滑車が取り付けられていて、数珠が回せるようになっています。
試しに、引っ張ってみましょう。
すると、数珠が上から勢いよく落ちてきました。
「ガシャン。バチバチバチ」
数珠と数珠がぶつかって、大きな音がします。音が出るたびビクッとします。これがあの音の原因でした。

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特に説明書はありませんでしたが、回すとご利益がありそうなので、しっかり回しておきましょう。

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「ちょっと、何の音!?」
お参りをしている方が、さっきの私たちと同じように驚いていました。
きっとあの方も、この後、数珠を回したことでしょう。

次は、念願の大塔へ。

また、階段です。

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晩秋とは思えない緑の階段。

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あと、少し。登りきった先に、大塔がありました。

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思えば、高く登ったもんです。絶景かな。
見下ろせば、吉野川流域に広がる平野。
徳島自動車道を西へ西へ四国の中心へと向かって走ると、この景色が味わえます。私の好きな景色です。

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参拝者は私たち以外にいない。緑の芝生の上に佇む大塔が、徳島平野を静かに見下ろししている。
地元の学生が絵に描くほど、この大塔は地元の方に愛されているのだ。綺麗に整えられ、落ち葉一つ落ちていない芝生を見てそう理解した。

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