見出し画像

シナノスイートとシナノゴールド

「リンゴとすだちを交換しませんか?」
と声をかけてくれた人がいました。

すだちは私の住む所の名産品。そしてリンゴはその方の住む所の名産品なのだそうです。
ある年の初秋のことでした。

「街にすだちが溢れています」
と、Twitter(現X)で、かごに山盛りのすだちの写真を投稿したのを見てくださり、「こちらのリンゴと交換しませんか?」とメッセージを送ってくださったということでした。

すだちは非常にマイナーですが、とても香りのよい柑橘類なので、もっと広く知ってもらいたいと思い、草の根ながらときどきSNSで発信しています。
その方が、私の発信に興味を声をかけてくださったことがとてもうれしくて、すぐにすだちをお送りしました。
その後しばらくして、想像以上に大きなリンゴの箱が我が家に届きました。箱には2種類のリンゴが入っていました。

赤いほうがシナノスイート、そして白いほう(実際は黄色)がシナノゴールドだと教えてくれました。

シナノスイートは酸味が少なく、甘みが強め。皮を剥いてカットするとシャクシャクと小気味よい音がしました。シナノゴールドは実がしっかりとしていて、甘みと酸味がバランスが絶妙、お菓子づくりに向きました。

皮を剥いてそのまま食べたり、タルトタタン、フィリング、ケーキ、焼きリンゴ、毎日いろんなリンゴ料理を楽しませてもらい、すっかりシナノスイートとシナノゴールドのファンになりました。今では、スーパーにいくとまずシナノゴールドやシナノスイートを探します。

また、度々、シナノスイートやシナノゴールドを探しているうちに、世の中にはたくさんの品種のリンゴがあることを知りました。
シナノスイートやシナノゴールドはもちろん、フジ、紅玉、王林、ジョナゴールド、秋映。小さなスーパーでも、必ず数品種は並んでいます。
大小の違い、色の違いや濃淡、価格、その違いを比べるのも、買い物中の楽しみとなりました。

来年は、私のほうから「すだちとリンゴをまた交換しませんか」とお声がけしようと思っていたのですが、かなうことはありませんでした。
次のりんごの旬が来る前に、彼は遠くへ旅立ってしまいました。残念でなりません。

先日、ドライブ先で立ち寄ったスーパーで、シナノスイートが2つ、並んでパック詰めされていました。その隣にはシナノゴールドも。
パックに貼られた値段を見ると、手頃な価格。旬を迎えたサインです。
迷わず手に取り、レジかごに入れました。

今年もまた、リンゴの季節がやってきましたね。
明日はリンゴケーキを作ります。一緒に食べませんか。







サポートいただけると、明日への励みなります。