見出し画像

息子、サンタする

「お、それいいな。俺もやるわ」
息子がサンタになった。

去年のクリスマスに「ブックサンタ」というチャリティを知り、参加している。

いろいろなら事情があり、存分に本を買えない家庭に、本を届けるチャリティ活動。
ブックサンタに参加している書店で絵本や子ども向けの本を買い、レジで申し出ると、書店から運営事務局のNPO法人に本が届けられて、そこからご家庭へ届けられるシステムになっている。

昨年は徳島県内での参加書店は数軒だったが、今年は大幅に増えていて、活動が広がっている様子。

書店で本を買うだけでなく、ネット書店から送ったり、活動資金を寄付することもできるそう。
私は地域の書店の売り上げにも貢献したいので、地元の書店で買う派。それに、子どもが大きくなった今、足を踏み入れる機会のなくなったので、児童書や絵本の売り場を覗くのは、当時にタイムスリップしたような気持ちになれて楽しい。いろんな思い出が蘇る。

先日、息子と書店行ったとき、ブックサンタの話をした。すると息子が、
「それ、いいな。オレもやろうかな」
と乗り気になったので、一緒に児童書のコーナーに向かった。
「これ、昔読んだわー」
「懐かしいなー」
「お、この本続編がめっちゃ出てる」
などとひとしきり息子と本を見て回った。
「これにするわー」
と、選んできたのは、小学生が面白がりそうな雑学本。息子は子どもの頃から雑学好き。そういうところにやはり趣味が出る。
親世代の私なら、ついつい教養本や小説を手に取ってしまうところだが、やはり大学生はまだ子どもに近い感覚を持っているらしい。

「レジで言えばいいのね。ちょっと行ってくる」
ポケットからスマホを取り出しながらレジへ向かった。あとで聞くと、スマホにチャージしておいたバイト代で支払ったそうだ。

常はおっとりぼんやり、人よりテンポの遅い息子だけれど、人のために何かしたいと思い、自分で稼いだお金をそうやって使えるようになったらしい。
まだまだ親のスネをガシガシかじっているけれど、少しずつ社会の役に立てるようになってきたのだなと、少し安心した。

ちなみに、pixivでクリスマスをテーマにした小説を書くと、pixivから寄付される企画もあるみたい。

サポートいただけると、明日への励みなります。