お遍路

(ゆる遍)四国八十八箇所霊場を巡る旅〜ちょっと寄り道(たらいうどん)〜

ゆるいお遍路旅、略して「ゆる遍」は続きます。
なんの情報もありませんが、ぶらぶらと気楽にお寺をめぐりませんか。
前回は、こちら

たらいうどんを食べよう

お腹がすいたので、8番札所を早々に辞し、ランチ場所を探します。
熊谷寺は、徳島県阿波市土成町にあります。徳島県で土成町と言えば、郷土料理「御所のたらいうどん」が有名なんです。
たらいうどんとは、読んで字のごとく、たらいに入ったうどんを、温かいおつゆにつけて食べる、とてもアットホームなうどんのことです。
元々は、林業や農業の際のふるまい料理として出されていたものだとか。

たらいうどんをランチに提案すると、
「いいね。『ジンゾク』でダシをとったおつゆのたらいうどんが食べたいのよ」
と、Tちゃん。ジンゾクって何? 40数年徳島に暮らしてきて、初めて聞いたこの言葉。
Tちゃんの運転する車の助手席で、ググりました。

ジンゾクとは「ゴリ」とも「カワヨシノボリ」とも言われるハゼ科の川魚。
吸盤を持っていて、川底の石なんかに張り付いているそうだ。

国道318号線沿いには、たらいうどんのお店はたくさんあります。ですが、出汁にジンゾクを使っているとはっきりわかるお店はそんなに多くないみたいでした。その中で、「樽平」さんというお店が、ジンゾクで出汁をとっていると有名だそうです。
いざ、樽平へ。
たらいうどん街道を進みます。


右手に見えて来ました。国道を外れて坂を下ると駐車場です。
到着。駐車場から沢が見えました。

お店は、階段を降りた先にあります。


お店の窓からは、先ほど見下ろした沢が、間近に見えます。いい眺め。
写真が下手すぎる……

こちらの名物料理は、たらいうどんだけではありません。
「沢ガニの唐揚げ」
「ジンゾクの唐揚げ」
食べてみます。
もちろん、たらいうどんも2人前。

はい、カニ!

カニの姿そのまんま、揚げてありました。

一口サイズです。
口に入れて噛むと、カニの殻がコリっと音を立てて砕け、カニの風味が口に広がります。塩加減もちょうどよくて、香ばしくて美味しい。

次は、ジンゾクの唐揚げ。

左が唐揚げ、右の黒いのが佃煮でした。

ジンゾクは、こんな小さい魚です。
「金魚、フライにしたいみたい。金魚は美味しくなさそう」
なんて思ってしまったので、一瞬食べるのに尻込みしてしまいましたが、勇気を出して口に放り込みます。

味が濃い。
魚の味が濃いです。こんな小さな魚なのに、しっかり魚の味がしました。
深みのある苦味があって、これが旨味です。うどんの濃い目のお出汁に合いそうです。

それから、佃煮。これもジンゾクの濃い味と砂糖と醤油の味がうまくマッチしていて、美味しい。私は、唐揚げよりこちらが好きかもしれません。

唐揚げを堪能している間に、たらいうどんが出来上がりました。

これが、たらいうどんです。
たらいに人数分のうどんが入っています。
このたらいから、みんなで取り合って食べます。楽しい。

こんな感じです。

おつゆには、すだちを絞って。
お店の人によると、100パーセント、ジンゾクのお出汁ではないそう。やっぱりそうだよね。
だけど、このおつゆ、いつも食べているおつゆよりコクがありました。うどんのあっさりした味に、おつゆが絡まって、いい塩梅。ジンゾク効果。
ごちそうさまでした。

レジの近くに、水槽がありました。
よーくみると、ジンゾクが泳いでいます。

見えますか? 白い石に乗っかるようにいるのがジンゾク。
かわいいですね。(食べちゃったけど)

お腹もいっぱいになったので、次のお寺に生きましょう!

つづく。

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