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大河ドラマのおかげで古典読みがはかどる

大河ドラマの「光る君へ」のおかげで、ついに私の頭の中の古典作品のキャラにやっと目鼻がついた。

ドラマの歴史物といえば、戦国時代か江戸時代がほとんど。私の好きな古代、飛鳥、奈良、平安時代はなかなか映像化されない。
源氏物語の実写化はいくつかあるけど、平安時代に生きた人々を描いたドラマでこれほどまで注目を集めたものは、この大河ドラマのほかにないんじゃないかと思う。

先日のnoteに枕草子を読み返していると書いた。清少納言の書いた枕草子には、いろんな殿上人が登場する。みんなが憧れるあの方、ちょっとおとぼけキャラのあの方、苦手なあの人。会社の女性社員が社内の上司や同僚とのやり取りをブログに書いているようなノリで、いろんな人との交流が描かれている。

その段を読むのがちょっと苦手だった。
古典では人を指す言葉がややこしい。みんな姓が藤原か源なので、道長様とか兼家様とか下の名前で呼んだり、左大臣様とか蔵人頭とか官職で呼んだり、叔父なのか従兄弟なのか、はたまた遠い親戚なのか他人なのか。皆目わからない。
会社内で「社長」といえば田中社長のことで、「専務」といえば佐藤専務で、営業の山ちゃんは同期の山本さんのニックネームだって分かるみたいなことだ。

彼らの関係性は読者である宮中の人なら誰でも分かるのだろうけど、1000年後の現代人にはハイコンテキストすぎる。
会社での呼び名やSNSのアカウント名も、外に出れば理解されないのと同じ。

その上、ググっても出てくる肖像画はみんな同じ顔。下ぶくれの頬に細い目とかぎ鼻。超イケメンという設定のの光源氏も私には落書きに見える。
SNSのアイコンよりひどい。

それが、大河ドラマのおかげで、それぞれのキャラの関係性もだんだん分かってきたし、何より、生身の人間の姿でイメージできるようになった。
道長様は柄本佑さんで、藤原公任は町田啓太さんで、枕草子にもたびたび出てくる藤原斉信ははんにゃの金田さんで。中宮定子様と清少納言はまだ出てきてないけど、いずれお姿を拝見できそう。ありがたや。

ちなみに私の脳内での安倍晴明はユースケ・サンタマリアさんではなく、野村萬斎さんである。

大河ドラマ「光る君へ」

そのほか、平安時代が舞台の映画はこちら。
「十二単を着た悪魔」

陰陽師



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