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全日本ミドルロング2022反省号_田中基成(筑波大2013年入学)

はじめに

去る2022年10月8-9日、オリエンテーリング競技歴10年目の28歳にして初めて全日本選手権を走りました。真面目に競技に取り組んでいた学生時代でも出場できなかった舞台に立とうと目指したこと、目指す過程や実際にその舞台を走ってことで感じたことを文章に残しておこうと思います。

※この記事はオリエンテーリング記事掲載サイト「FORSTA」に寄稿したものです。

きっかけ

自分は2017年の春に大学を卒業して以降は登山に傾倒、オリエンテーリングは年に数回、果てには北海道行きの異動を受けた2020年の中頃、「これが界隈から離れると言われるフェーズか…?」と感じていた。当然ながらトレーニングなどはせず、体重も学生時から+7kgまで順調に成長していた。
2021年の夏に転職で関東へ帰還したものの、久しぶりに会う友人たちとの飲み会三昧でオリエンテーリングの機会が増えることはなかった。そんな日々の中、転機となったのは年末の関東ミドルセレ。その大会会場には2013年同期のメンバーが多かった(みんな声がうるさいのでどこにいるかすぐに分かる、何を話していてもいつも「ガハハ!」と聞こえる気がする)。
レース結果は1ミスがなければセレ通過くらいのタイムで「およ…意外とまだやれるのか…?」という感触。レースのフィニッシュにはなぜかまた同期が集まっていて「オリ最高!」と叫んでいる、10年も口から出る言葉が変わらないのは大丈夫なのか。「ガハハ!」しながら会場への誘導中、誰が言い出したのかも覚えていないが、
「来年の全日本に全国同期がモリモリ出たらウケるのでは」
「アリよりのアリ」

という会話が湧いて出てきて、自分は2022年度の全日本選手権を目指すことになったのだった。

ちなみに、この時に確認した全日本ボーダー(日本ランキング70位)のレベル感は「え、楠(筑波2015)より速くなればいいの??余裕か??」という感じだった。
※そして、みなさんご存知の通り、今年のボーダー通過は全然余裕ではなかった。

ミドルセレのラップ、久々に見返したが確かに悪くない感じである

全日本選手権出場を目指して

目指し始めたもののオリエンテーリングをやっていなかったので当然日本ランキングは150位圏外。まずは毎週大会に出ることと、トレーニング習慣を戻していくところからである。
ここから5月のシーズンまでは本当に楽しく、毎週代わる代わるのメンバーを車に乗せて遠征して、少しずつも着実に勘を取り戻し、ランキングを90位まで押し上げていった。走れば走るほど速くなるのでトレーニングにも気持ちが乗って2月には200km/月を達成、しっかりポイント練を取り入れた結果5月には3000mTTで10分半切をすることになった。
(学生時には出なかったタイムなので「当時の自分は何をやってたんや…」という気持ちになったが…)

楽しかった要因の一つとして、上を目指すことで会場の競技派メンバーから気にかけてもらえるようになったことがある。フィニッシュ後のルート談義や、リレーで支え合っての順位争い、かつて切磋琢磨していた日々を思い出すこととなり、とても刺激的で充実した時間を過ごすことができたと思う。人生にはこんな時間が必要だ。

小牧から声かけで生まれた筑波OBチームでの山リハ、最高のウィニングラン
5年ぶりに京葉1軍入りしたCC7、優勝にが届かなかったがヒリヒリするレースだった

6月以降は暑さと仕事にやられ伸び悩んだものの、8月にはランキングが安全圏の50位に到達、無事に全日本選手権へと駒を進めることとなった。

全日本選手権の結果

初めて走った全日本ミドルロングの結果は以下の通り、「惨敗」という単語がよく似合う順位だった。
ーー
・ミドル:48/66位
・ロング:55/63位
ーー

ミドルは技術的に全く歯が立たず、ロングはスタミナ不足を痛感。
特にロングは全日本本番の強度に対応したトレーニングがなければまともに完走しきれないタフさで、自分の取り組みの甘さに殴られた気分だった。「全日本に出れること」と「全日本で戦えること」では指すレベルが全く異なり、「出場」に満足していた自分が戦えるわけもなく、この点に一番悔しさが残ることとなった。

ロングのフィニッシュ写真、本当につらかった…

全日本選手権を目指して・走ってみて

2021年末から足掛け10ヶ月、5年振りに真摯にオリエンテーリングと向き合ったこと、30歳も目前にしてこんなマイナースポーツに取り組むことで何を得られたのだろうかと考えてみる 。
まず前述のように他選手との交流、切磋琢磨からの刺激は何物にも代えがたいものだ。しかしそれ以上 に、この取り組みを通じて得られた「自分もまだやれるじゃないか」という実感が、自分にとっては大きな収穫だったように思う。
人生というものは勝負、精進の場から離れた途端に平々凡々で、穏やかな凪のようなものになりがちだ。社会人になってからの日々はつまらないものでは決してなかったが、努力の先で人と競い合う機会がないと自分のポテンシャルが見えなくなり、いつの間にかつまらない限界を設定してしまいそうになる。そんな状況に片足を突っ込んでいたが、そこから救い出してくれたのがこの実感だった。
改めてこの素晴らしい機会を与えてくれた全日本大会運営陣、特に長年の屋台骨であった粂早穂実行委員長にお礼を申し上げます。

素晴らしい大会だった

来シーズンに向けて

正直今回の全日本大会で競技からは降りるつもりだったが、あまりに不完全燃焼な結果だったこと、そしてこの1年がとても楽しかったことがあり、もう少し頑張ってみようかと考えている。
また競技だけではなく、大会運営やAdventCarenderなど他の取り組みも通じて、この界隈へ自分がもらったものを返して行ければと思うので、引き続き大会会場であったら仲良くしていただければ幸いです。

2023/2/19(日)に京葉OLクラブで大会やります💪🏻来てね!


Special Thanks…

・1年間いつも通りガハハした2013年入学同期、特にずっと前を引っ張りこちらを認めてくれていた前中
・全日本リレーから京葉でずっと仲良くやってくれている朝間&もとはる
・KOLC大会(筏場)のレーン差
・札幌OLC大会で僕を導いてくれた堀田選手

今年のCC7同期写真、相変わらず人数が減らない

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