![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/71756523/rectangle_large_type_2_a31df556986bf08b6c3250f07b9ac0bd.jpeg?width=800)
酔人どもの夢の跡・写真ビデオ
この拙筆の(↓)、実際の体験をかなりデフォルメさせて小説風にした「ユア・アイリッシュ・パブ インバウンド繁盛記」の、その舞台・題材となった本当のお店についてあれこれ。まあ、自己満足的な記録のようなもんですが。
*
今となっては架空の小説の中だけのお話のようで、実際になにがあったのかが、記憶の中でだんだん曖昧になってくる。
実際に起こったことより、小説の中で話されたことが、本当に起こったような気にもなる。
実際には2人なのにそれを1つにまとめたキャラが登場していて、なんだかそのキャラが存在しているかのような錯覚にも陥る。
でも、たしかにその店は存在していた。いまやAIが写真や動画さえ作れてしまうが、目の前のかなり動作が遅くなってきたPCの中に埋もれていた画像を拾ってみた。いつ突然死するかもしれないし。
*
2018年にたちあがった店は、2019年のラグビーワールドカップを経て、2020年の夏には閉店となっている。
グーグルストリートマップでみると今は花屋になっている。
京都の御所の西側の、こじんまりとした、テラスのある店だった。
![](https://assets.st-note.com/img/1644210078872-xxv384URnQ.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210226944-aO8sR22A7h.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210279697-Vtc6WPuPqK.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210317359-UUh9jbcUQ4.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210417696-XOXYz8ZBro.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210448579-8OeaasmKzB.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210352097-ioJRJmcCI4.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1644210388391-8hsiG9eotc.png?width=800)
*
動画を2つ。小説からの抜粋と共に。
スローダンス
「ある木曜日の午後3時、20代かとみえるオーストラリアの若夫婦が、客一人いないパブにはいってくると、冷えたギネスを所望。ちょうど店番をしていたナガト(日本人が店番することも時にはあった)が話かけると、結婚したてでハネムーンでの京都旅行だという。ちょうど店内は、マルがこだわって自腹で買ったレコードのジュークボックスがあるのだが、そこから古い1930年代のスローなビックバンドジャズが流れていた。
ほろ酔いの二人は、そのジャズにあわせてゆっくりと踊りはじめた。きちんとしたダンスというよりも、チークダンスと時折ゆっくりとまわったりサイドに動いたりの、ゆるーいスローダンス。片手をつないだ新婦がくるりと回ると、それを笑顔で新郎がみている。ナガトがそれをビデオをとったので、後でみんながみるところとなったのだが、マルは「これなんだよ、これ。この空間を俺は提供したかったんだよ」と感涙」
ラグビーワールドカップ
「それは、予期されていたが、怒涛のような勢いでおしよせてきた。進路が予報されていた大型台風の上陸のように。
コアなラグビーファンは、ワールドカップ開催とともに世界旅行をする。どちらかというと、あまり興味のなかった東洋の日本も、ワールドカップがあるから初来日。1ヶ月以上続くゲームを長期滞在しながら楽しむ筋金入のファンたちが、ヨーロッパやオセアニアから大挙して来たのである。そして、彼らのビール消費量は半端でない。
チケット購入済みの試合は日本中動いて見に行くが、全部の試合を観るわけでなく、それで初めて来た日本の観光名所も行く。京都にも来るが、滞在中試合があるとやはり彼らはパブで盛り上がって観たい。我々は彼らに不可欠なインフラになる。
それで京都の我らがパブも非常事態体制を敷いて、物資と戦闘要員を配備、満を持して戦いに望んだ。結果は、予想をはるかに上回る、すごい事に。試合中は立ち見となって、生ビールサーバーには長い列ができた」
酔人どもの夢の跡、アーメン、Rest in Peace ■
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?