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文句なしに今年最も注目の秘蔵ジャズ音源リリース

WBGOというアメリカのジャズラジオ局のWebによれば、セロニアス・モンクの幻の1968年の録音がやっと9月18日にリリースだという。

ピアニストのセロニアス・モンクが、カリフォルニアはパロアルトの高校で演奏したとき、その高校の用務員さんが趣味の録音で録音していたものが発見され、それをPalo AltoというタイトルのCDで夏にリリース予定があったが、遅れに遅れていた。

https://www.wbgo.org/post/lets-call-thelonious-monk-lost-found?fbclid=IwAR0YuTnGgzyMM36jlMzuKUeghDpeSxbBglzBHUfR_SUHqtQ-FSAO7GsLmDY#stream/0

無関係な話だが、この録音された1968年は、政治経済の議論でなぜか今年2020年と比較されることが多い。キング牧師が暗殺され市民権運動の高まりがあり、ベトナム戦争泥沼化でジョンソン大統領は2期目当選を断念して唐突に再選不出馬、混沌とした年だった1968年。この高校のあった東パロアルト市民権運動の高まりがあり、Nairobiという名前の市に分離しようという運動もあったという。

WBGOの対談によれば(↑の中の音声リンク)、モンクは1960年代半ばにはJazzミュージシャンとしての名声を確立していたが、病気してレコーディングをキャンセルしたらスタジオ代を要求されたりで踏んだり蹴ったりの頃で、この高校生のコンサートの提案に勿論その市民権運動的なところに共鳴したところも大きかったが、500ドル!というギャラで演奏を合意したとか。その高校の用務員の趣味が録音だった、というのも奇跡。どんな音なんだろうか、楽しみである。

その他、関連情報はこの日本語のサイトにも:https://www.udiscovermusic.jp/new-releases/thelonious-monk-unreleased-palo-alto

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