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10年目の廃車

シンガポールは、車に乗る権利を政府から買わないといけない仕組みがある。

ある車で10年走っていられる権利は、月2回の入札で手に入れることができ、価格は需給で上下する。今は6万シンガポールドルくらいで500万円くらい。

過去には1000万円くらいに跳ね上がったこともあったし、経済危機のときには20万円くらいの時もあった。好景気で需要が増えたとき、渋滞などで政府が交通量を減らしたいとき入札の数が絞り込まれたりする。

いろいろ、その他輸入税もあって、日本で150万円の車が800万円とか1000万円ないと買えなかったりする。この国で車の保有は贅沢品。

以下、2018年にうちの車を廃車したときに書いた文章。

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今日の夕方、整備工場に廃車のために、車を持ち込む。

なかなか故障しないトヨタ車。この10年間にエアコンが壊れたのと、ラジエーターから水蒸気がでたこと以外は故障しらず。

まだまだ走るのだが、乗る権利の値段が高止まりしているので5年更新断念、子供も大きくなってきたし、廃車に。

12歳の娘にとっては、自分より年下の10歳の弟のような存在?でもあり、整備工場までお見送り。名残惜しく、整備工場のお兄さんに車と記念撮影してもらう。

この小さい島国で、13万キロ弱、地球を3回回るくらい乗った。

最初の数年、後部座席に2つチャイルドシートが乗っていた時代もあった。

無理やり2家族が乗ってしまったり、マレーシアの山までいったり、野球の試合や新体操の練習にいったり、集中豪雨のなかを走ったこともあった。

工場で車を引き渡して家に帰ろうとすると、急に大雨。

びしょ濡れになってタクシーをつかまえて帰宅。こういう時こそ車があるといいんだが。

廃車になる車が流したお別れの涙にしては滝のようなかなりの豪雨で、久しぶりに下着や靴の中までびしょ濡れになってしまった。  

2018.3.20

(タイトル絵はnote gallary から)

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