unknown imo soft

家に帰ってレジ袋から取り出したアイスはベルギーチョコショコラプレミアムソフトだった。

狐に包まれたような感覚とはこのことを表すのか、確かに私は安納芋モンブランソフトのカップを頼んだはずだ。ただ眼前にはカップのショコラプレミアムソフト。

他の人のソフトを持って帰ってきてしまったのか?と焦りレシートを探す。ただあの時、前後にコールドスイーツを注文していたのは私だけだった筈と思いつつ、自分に都合良く記憶を書き換えているんじゃないか?と少し不安になりながら運良く見つけたレシートにはプレミアムショコラ 378円と表記されていた。

まずは取り違えではないということに安堵すると同時に何故安納芋ソフトを注文したのにプレミアムショコラソフトが出てきたのかという謎に直面した。

思いつく理由は何個かある、一つ目は無意識にプレミアムショコラを頼んでいたパターンだがこれはない。なぜなら私はチョコは好きだが、チョコソフトは全く食べないミルクソフトやバニラ派の人間なのだ。そして秋から冬にかけて出現する紫芋系のスイーツを食べることが好きな私にその他のアイスましてやプレミアムショコラに浮気をする選択肢は存在しない。

次に浮かぶのは自身の滑舌、声量の通らなさだ。これが一番有力だ。私は滑舌が悪い上に声がただでさえ低く声量に厚みがない、電車の走行中の環境音に負けるほどである。だが、ここで二つの商品名を比較してみると

プレミアムショコラソフトは「u e i a u o o a o u o」

安納芋モンブランソフトは「a o i o o u a o u o」

共通している母音はソフトだけで他に似ている箇所はない。よっぽど歯が抜けているかハスキーボイス過ぎるかじゃないと聞き間違えることはないだろうし

何より店員さんは聞き返すことなくレジを打っていた。

では、他人のせいにはしたくないが対応した店員さんに非があったのか?

打ち間違えか、外国籍の店員さんだったから、安納芋モンブランがわからなかったか・・・いや多少わかる人じゃないとコンビニ店員にはなれないだろうし違うなぁ・・・ じゃあ打ち間違えか、そうに違いない!… 違う、私がレシートをすぐに目を通し、プレミアムショコラにいち早く気付き、作り始める前に間違いを訂正していれば…いや? ここでHPを検索しコールドスイーツの商品情報をみると

プレミアムショコラ 378円に対し 安納芋モンブラン 368円

10円も違うのに会計時何故気付かなかったのだ。何をしていたんだ私は?

デカデカと表示された安納芋モンブランソフトの看板を指差し

「あれのカップ 持ち帰りで」だけ言えば向こうも「モンブランソフトのカップで間違いないですか?」と確認を取る流れになったことだろう。こんなに簡単なことなのに・・・などと考えながらベルギーチョコソフトプレミアムショコラ カップを食べる。普通に美味しくて完食するのにそう時間はかからなかった。

そう言えば乃木坂工事中で生ちゃん(名称略)がベルギーチョコソフト美味いって言ってた回あったなぁってことと小学校のときに読んだ本でソフトクリームを食べたい子狸のために母狸が奮闘する話読んだなぁてことを思い出した。

狐と狸ってどっちも化けられるのに両者の化かされた系の慣用句やことわざで意味にちょっと違いが出ているのはなんでなんだろう?

後日、安納芋モンブランソフトを食べた際、やっぱこれだねーと思うと同時に紫芋系スイーツが好物の一つなのだと再認識した。 焼き芋色のモンブランだったけど





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