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【010】"若手"会計士とは~2000年代後半合格の会計士からみた雑感~

先週に引き続き、今週も割と穏やかな1週間でした。メリハリ重要なのですが、ボケーっとする期間が長くなると頭の回転が鈍くなるので、意識的に緊張する予定を入れています。今週だと、海外の方との重要な会議がありました。すごく繊細な内容の議論だったので、短時間だったのですが脳みそ的にはタフな良い時間だったと思います。
また、去年の会計士試験合格者の方々と会話する機会もありました。今週のお題にもつながりますが、"若手"会計士って何なんでしょうね。私もわかっていません。

若手の定義とは

私の価値観では、若手というと、会計士試験合格を基準にして大体1~6年目位までを想定しています。7年目以降になると監査法人ではマネジャーになる層も出てくるので、あくまで一旦 6年目位までを若手と定義しています。

1~3年目は、更に詳細に補習所に通うJ1、J2、J3と分解できるのですが、力量としての差分は正直よくわかんないです。J3が4月、J2は5月、J1は6月生まれ位のイメージです。いずれにしても、業界に足を踏み入れたばかりの新生児~幼児位の気持ちで彼ら彼女らを見ています。

一方、4~6年目の人たちは、多少なりとも、仕事が理解でき始めてきているので、少しまだ子供ではあるものの、あと数年で大人だよね、という水準でしょうか。若干、やんちゃをし始める時期でもあり、大人と子供の違いもわかってくるような時々かなと思っています。

なので、(会計士試験合格から十数年経過する人から見れば)6年目までの人たちは基本的には子供であり、我々みたいな大人ではないよねという認識でいます。これを好意的な側面で語れば、(業界にいる大人が)6年目までは面倒を見てあげなければならない対象であり、多少の不手際は仕方がないと思ってもらえているということです。

じゃあ、7年目以降はどうかというと、これも好意的な切り口で語れば、もう一人前なので、今後、仲間やライバルになる可能性はある存在としてみて取れると思います。

若手会計士との接点がない

そもそも、普通に接している仕事をしていると、若手会計士の層と接触する機会がないです。私が監査法人に所属しているわけではないので、当然といえば当然です。
ただ、TwitterをはじめとしたSNSで若手vs老害の対立構造をよく見ることがあります。

他の私と同世代合格した人たちとも会話しても、ほぼ接点がないとのこと。なので、あくまで一部の層が、一部の層の切り取って議論しているにすぎず、Twitterでの議論は常に懐疑的なお気持ち50%ぐらいは占有させて拝見するようにしています。

老害感とは何か?

ここまで2000年代後半に会計士試験に合格した会計士の目線で書いてきましたが、一方、上記の定義に当てはまる彼ら彼女らからの目線からすれば、逆に、この15年目前後の会計士はもうベテランのイメージがあろうかと思います。ネガティブな側面を切り取れば、口うるさい老害であり、あまり接点を積極的に持ちたいと思わない対象かもしれません。

でも、15年ぐらいやっていると、聞かれてもないのに色々知っていることをしゃべりたくなるのが人の性。加えて、会計士になる人たちは相対的にコミュニケーション能力が高くなく、それを自身も知っているがゆえに、一丁前に色々と教えてあげようという先輩(面)メンタリティ。黙って聞いてくれているのが自分の話の面白さ起因だと勘違いしてしまい、若手のためだと思って延々と説教カマしてしまう時代錯誤プレイ。一言でいうと、合格年数が数年離れた人のお話は、たいてい面倒くさいです。

そもそも世代間で闘う意義

個人的には、そもそも世代間で闘う必要性は無いと思っています。なぜならば、我々の仕事は個別具体的な専門能力に起因するものであって、世代・年齢による違いは、その専門能力における一因子にしか過ぎないから。具体的には専門能力の経験値、もっといえば経験年数に反映されるものだと思います。

例えば、特定国に係る税務コンサルティングを受けようと思ったら、その国の税務に詳しい人が良く、海外駐在の経験とかがある英語が得意な人が望ましいですよね。むしろ、年齢が高いと、古い知識・経験をアップデートできていない可能性も危惧されるところです。

他方、年齢が全く関係ないかというと、そんなこともなく、事業承継なんかのお話になると20代位の若手M&A仲介の人がやるよりも、事業承継する側・される側の経営者と世代的な価値観が比較的近しい50代ぐらいの人が間でコーディネートしたほうがスムーズに話が進む場合もあります。

世代内での脱コモディティ化

ここまで世代間闘争は意味がないという話をしてきましたが、一方で、同世代の中でいかにレアな存在になるかという論点はあろうと思います。

特に近年、一年齢あたりの人口は減少傾向にある一方で、会計士試験の合格者数は横ばいが続いており、一年齢における会計士の比率は年々高まってきています。つまり、世代内におけるコモディティ化が進んでいる状況かと思います。話は脇道に逸れますが、個人的には数年前からこの状況をめちゃくちゃ懸念してまして、会計士の合格者数は微減すべきだと考えています。

なので、この中で自分自身がどうやってレアな存在になるかっていうのは、重要な論点かなと思っています。

というのも、監査であれ他のコンサルティングであれ(=どんな仕事であれ)、意思決定権限者の存在を無視できません。
仕事を自分に仕事を発注してくれる人、この人の価値観を理解する必要がありますが、それはやはり同世代の方が理解しやすいだろうと思っています。余談ですが、個人的には最近色んな方とカラオケにいく機会があり、選曲でだいたいの価値観を判別しています。

価値観が近い人の方がコミュニケーションしてて気持ちが良く、年齢は価値観を醸成する一つの因子です。事業会社の意思決定権限者が40-50代であれば、この層に営業しやすいのは40-50代です。20代の人の話も聞いてくれるかもしれませんが、価値観のハンディキャップを埋めないと勝負の土俵に上がれないと思っています。

少し話が逸れましたが、基本的に若手のうちは多少の目を瞑っていただける部分があるので、After若手の世界線で闘うための準備は早めにしましょうね、というのが私の雑感です。
いやまぁ、自分の若い頃を思い出すと、色々と恥ずかしいことがあり過ぎて悶絶しそうになるのですが、そう思えるぐらい自分が成長することっていうのは良い事だと言い聞かせています。

以上です。このnoteもあれよあれよと10号まで到達しました。ありがとうございました。


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