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あの日の私を殺さないで

後悔ってしますか?

なんであんなことしたんだろう。なんでこうしなかったんだろう。なんであっちを選ばなかったんだろう。なんでこっちを選んじゃったんだろう。

自分の行いをいつだって肯定するの難しいですよね。後になってから、あぁあれは失敗だった。もっと上手くできたのに。そしたら今頃こんな状況に置かれていないのに。って、しくじったって思う。まあ後になってからじゃないと失敗だったかどうかなんてことも判断つかないんですけど。

「その選択をしたときの自分」を恐ろしく呪ったりしますか?今の自分なら絶対に選ばない選択肢を愚かにも手に取ってしまった自分。考えれば分かったろうよ、冷静になれば見えたろうに、その先にどんな結果が待ってるか。

かつて私もそうでした。「選んでしまった当時の私」のこと責めに責めて、それはもう他人には絶対しないような苛烈さで。

そうするとですね、えげつないくらい「人生失敗した」って気持ちになる時があるんです。あんたが馬鹿なことしなければ、正しく道を選んでいれば、今頃私はこんなことにはなっていなかったって。

そんなときに、このようなことを言われました。
「その時のりつさんも認めてあげて」

ただその瞬間を生きていた、私のことを認めてあげて。誰も失敗しようとして失敗するわけじゃない。失敗だなんて、結果を知った後の誰かが下す評価。1分先の未来も分からず、1ヶ月先に自分を取り巻く世界が様変わりするかも分からない私に、その選択が正解か間違いか、その結果待ち受けるのが成功か失敗かなんて分かりようもない。そもそも失敗の定義すらその時を生きる私と今の私では違う。

だからあの瞬間に生きて、あの瞬間に判断を下した、これがいいと思った、それでいいと思った、あの時の私を尊重してあげて。認めてあげて。あの日の私を殺さないで。

「よく生きましたね」と、抱きしめるのは難しくても頭を撫でるくらいは、それくらいはしてあげられるように。

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