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Radiotalkお題トーク大賞・シモマツに聞く「心を揺さぶるラジオの作り方」

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は番外編として、2022年3月22日発表「Radiotalk お題トーク大賞」で1位に輝いた『シモマツのムネバーンラジオ!』パーソナリティ・シモマツ(シモさんマツさんのお2人へのインタビューをお送りします。

お題トーク大賞とは──
Radiotalkで行われる音声配信の中で、特に内容の質にこだわる番組を後押しすべく「珠玉の1本」を賞賛する賞。
放送作家・松本真一氏(担当:「ガキの使いやあらへんで」「あらびき団」等)、TBSラジオプロデューサー・宮嵜守史氏(担当:「JUNK」「マイナビラフターナイト」等)、MBSラジオ コンテンツデザイン局長・有貞直明氏ら、これまで日本のラジオ業界を牽引してきた豪華メンバーが実際にトークを聴いて審査し、もっとも優秀とした番組に19万円の賞金を進呈します。

「遺灰をダイヤにするサービスがあるらしい」という話題からコンビ同士の深い愛情というテーマに着地する12分のトークを繰り広げたシモマツ。そのトーク展開の意外性とかけ合いの妙が高く評価され、審査員全員一致で1位受賞となりました。

■トーク大賞受賞トーク「死んでも、ロマンが欲しいの」

胸がバーンとはじける、という意味の「ムネバーン」を冠し、文字通りリスナーの心を揺さぶるトークが人気の『ムネバーンラジオ!』。聴いて思わず“胸が高鳴る”トークはどのようにして生まれるのか──。2人のテンポそのままに、ロングインタビューを行いました。

(取材・文/天谷窓大

自分たちの「面白い」が評価されて嬉しい

――お題トーク大賞受賞、おめでとうございます! 

シモ:めっちゃ嬉しいっていうのと、普通にちょっと「何? 怖!」ってなってます(笑)

マツ:めちゃめちゃ嬉しいです! めちゃめちゃ嬉しいんですけど、こういう体験がないもんで。いかんせん・・・・・・

シモ:ずっと評価されない人生だったから(笑)

マツ:(笑)

シモ:いや、怖ぁ、っていうのと、あと一方で「ざまぁみろ」っていうのと・・・・・・

――ざまぁみろ??

シモ:われわれ数々の企画にエントリーしてはことごとく落ちてきたので。そのとき私たちを見つけられなかった人たちに対して、見る目無かったなー、って。フハハハハ!

――(笑)

シモ:ちょっと! マツ黙るのやめて!

マツ:いや、荒れたらシモさんのせいにしようと思って(笑)

シモ:(笑)。いやぁ、でも、めちゃめちゃみなさん喜んでくれて。ひとりぐらいアンチが出て、「なんであんなつまんないのがよ(バンバン!)」とか言われるかなと思ったら、意外とすごいみんなめちゃめちゃ喜んでくれて、反応もらえたのが嬉しかったですね。

――どんな反響がありました?

シモ:「自分のことのように嬉しい」という声ももらったし、お便りでもみなさん「おめでとう」と言ってくれたりして。

――自分のことのように喜んでもらえるって、素敵ですね。

シモ:実は賞に選ばれないことに対して、いろいろ勝手に疑心暗鬼になっちゃっていたんです。ギフトを稼げるからとか、運営と仲がいいからじゃないかとか・・・・・・。選ばれてない人間としては、そう思ってしまうところがあって。

でも今回、私たちが受賞して、そうした人たちからは「よくやった!」というか、「Radiotalk、まだまだ捨てたもんじゃないな」みたいな声をもらったりしました。

――純粋に面白さで選ばれたのが、お2人だったということですね。

シモ:おぉ〜、って思ってます。普通に嬉しいですね、選んでいただいて。

マツ:私たちは純粋に、自分たちが面白いと思ったものを配信してきたんですよね。こうした私たちの姿勢が評価してもらえたことは、すごく嬉しく思っています。

シモ:めちゃめちゃ真面目なこと言うじゃん。

マツ:本心やからな。

「1人じゃ成り立たない」ことを見抜かれていた

――審査員コメントでも、トークの内容に共感したという感想が多く見受けられました。お2人から見て、とくに印象に残ったものはありますか?

シモ:TBSラジオの宮嵜守史さんの、

相方さんの合いの手もトークにプラスに働いていると感じました

というコメント。これはね〜、「わかってるな!」って思いました!

マツ:シモさん、私のこと大好きだもんね(笑)

シモ:ナハハハハ(照)

マツ:毎回言ってくれるんですけどね(笑)

シモ:私だけだと主張が強すぎて、たぶん共感という意味からは外れちゃうんですよ。けど、相方のマツがいい感じでバランスを取ってくれる。私が変なことを言っても、マツが「一般的にはこうだよね」と言いかえてくれるんです。私、そのバランスがすごく大好きで。

私1人じゃ成り立たない、マツがいるから成り立ってるんだって言うのを、宮嵜さんはちゃんと言い当ててくれていて。「あ〜! わかってる! わかってるな〜〜!」って思いましたね。

――MBSラジオの有貞直明さんも、「夫婦間からシモマツ間の関係性の話に展開していく構成の巧さ」と評価のコメントを寄せています。

シモ:いや〜、めちゃめちゃ嬉しい・・・・・・。この回って一回録り直したんだっけ?

マツ:いや、この回は一発録りだった気がします。

――あの流れるようなかけ合いを、一発録りで!

マツ:打ち合わせはしましたけどね、どういう流れで話すか、みたいなのは。

シモ:冒頭こんな入りから始まって、この話をして、ここで落とすか、みたいな流れだけ作って、その間はもうアドリブじゃないですけど、しゃべり始めてもそのまま流れで録る、みたいな。

――収録前、お2人のあいだでは普段どんなやりとりをしているんですか?

シモ:「今日、何の話する? 嬉しかったこととか、何かある?」みたいな会話から始まって、「そういえば私、今日めっちゃいいこと知ったんだよね」という感じで、「こういう話しようと思うんだけど、どう思う?」って、まず相方に聞きます。

で、「いいねいいね」みたいな感じだったら、「それってさぁ」と、細かい話になっていって。打ち合わせの段階で、トークの下地みたいなものができていきます。

そしたら、つかみはこういう感じで入って、真ん中ぐらいでこういう話題を出して、どうやって締めるか、っていうところしか決めてないですね。そこだけ決めて、あとはもうしゃべっちゃう、みたいな。だいたいそうだよね?

マツ:そうですね。12分のなかの構成をすごく評価してくれたっていうのがとても嬉しくて。

シモ:そうね! そうね! たしかに! 構成めっちゃ褒めてくれるやんって思った!

マツ:審査員の方に言葉にしてもらって、それを文章にしてもらって、私たちも「確かに!」って思ったんですよ。

シモ:思った! 言われて初めて気づいた!

――有貞さん、「冒頭にアバン(※)を置き、リスナーの関心を一気に惹きつける」ともコメントしていましたね。

アバン:本編の面白いポイントを断片的に見せ、リスナーに興味を持たせる「つかみ」の部分を表す業界用語

シモ:アバンを入れるとか、つかみの部分を作るというのは、ずっとわれわれが収録トークでやってきたテンプレートなんですよ。

――「編集の巧さ」とも。

シモ:あ〜、さすがわかってる! もう、バチボコに編集してます(笑)

こうやって素のしゃべりを聞いてもらうとわかると思うんですけど、やっぱりどうしても、「えー」とか「あー」というような“つなぎ言葉”や“間”が出てきちゃうんですよね。こういう、聴いていて気になるな、という部分は、編集で全部切っています。

収録した日の夜に編集して、一晩寝かせて、翌朝改めて聴いてみて、最後までストレスなく聴けるかを確認してから出すようにしていますね。

――なるほど!

シモ:知らなかったでしょ、マツ〜。

マツ:いや、シモさんすごい真面目なんでね、本当は。破天荒なキャラで売ってますけど。

シモ:やめなさいよ(笑)。でもさ、絵とかもそうじゃない? 描いてるときって集中し過ぎててさ、いったん引いてみないと全体像がわからないじゃん。その感覚なんだよね。

あと、もうひとつ。嬉しかったのが、

最初は相方さんと同じく『あなたは何を言ってるの?』という気持ちでしたが、最後は『死んだらダイヤありかも?』となりました

という、放送作家の松本真一さんのコメント。

このね、「人の心を動かしたった」感ね。やっぱ『ムネバーンラジオ!』だからね。嬉しいな〜と思いました。

マツ:あっ! そうだ! これを言い忘れてた!

――おっ?

マツ:審査員のみなさんが“満場一致”で1位に選んでくれたということ! これは嬉しかった!!

シモ:確かに!! 完膚なきまでの「ざまぁみろ」でしたね!

――審査員全員が「面白い!」と思ったというのは、本当にすごいことですよね。

シモ:大好き〜。私、こういう下剋上とか大好きなんだよね。弱きものが這い上がる瞬間・・・・・・ クーッ!

――誰が聴いても面白い、ということが名実ともに立証されたわけですもんね。有貞さんにいたっては「このままMBSラジオでオンエアに載せたいようなクオリティの高さ」と絶賛していました。

シモ:言ったな!(笑) でも大人ってそういうこと簡単に言うからな!

マツ:できないことも言うからな!

シモ:実現してくれよな!

シモマツ:(笑)

2人のトークが動かした“思わぬ相手”

――今回のトークには、“後日談”があるそうですね?

シモ:今回は「亡くなったあとの遺灰をダイヤモンドにしてくれるサービスがあるらしい」という話をしましたけど、実際にそのサービスを提供している会社さんに、今回のトークのURLを送ったんですよ。「貴社のサービスのおかげで賞を獲れました!」って。

――すごいことしますね・・・・・・ 取り上げるっていう話は事前にしていないんですよね?

シモ:はい。事後報告で。実際、私たちもこのトークをきっかけに考えることができたし、その結果がこうして評価されて。「死んでダイヤになるって最強じゃん!」っていう価値観も発見できて、本当にありがとうございます、という気持ちを送ったんです。

そしたら、代表取締役の方から、めちゃめちゃ丁寧なお返事をいただいて。遺灰からダイヤを作るというサービスを思い立ったきっかけの話に始まって、ものすごく熱い、サービスへの思いを綴ってくれたんです。

――思いがさらに共鳴して、トークのきっかけになった方にまで届いたんですね。

シモ:そうなんです。「素晴らしいサービスだけど、まだなかなか広められてないから、シモマツさんのトークをきっかけに、会話の輪が広がってくれると嬉しいです」とメッセージをいただいて。

――“ムネバーン”させちゃいましたね。

シモ:させちゃいましたね!!!

聴いたあとに“心が高鳴る”ラジオをしたい

――お2人のトークで、実際にひとりの人が行動したという話はすごいですね。

シモ:でも、一部の人からは、「この話、『最近嬉しかったこと』じゃなくないか?」とツッコまれましたね。

マツ:私たちの話し方だと分かりづらいのかな。

シモ:でもたしかに、私たちは「最近嬉しかったこと」を話したんですよ。

――シモさん、マツさんの仲の良さを確かめ合ったというところが今回の真髄であって、直接言葉には出していなかったけれど、「嬉しかった」様子がトークに収まっていたと思います。

シモ:めっちゃ褒めてくれるじゃん。

マツ:めっちゃ褒めてくれる。

――審査員がコメントで述べているように、聴いたあとの余韻からそういうものを感じられるというのは、本当に巧いと思いました。

シモ:こそばゆい!! うれしいけどこそばゆい!!

マツ:私たちが言葉で言い表せないところをダイレクトに言葉にしてもらって、こそばゆいですね。

――それにしても“ムネバーン”って、秀逸なタイトルですよね。いい映画を見終わったあと、胸がいっぱいになるように、聴き終わったあとに起こる“心の高鳴り”を的確に言い表していると思います。

マツ:嬉しい。でもそういうことなんですよ。本当に。

シモ:めっちゃいい音楽聴いたときとか、めっちゃいい映画見たあとに「あぁ、胸がバーンってなっちゃった。どうしよう」みたいな、その「バーン」を受け取ったあとに、なんか変わろうとしたり、そういう経験がすごいあって。それを自分たちが発信できる、与えられる側になれたらめっちゃ素敵だよなと思って。

最初はいろいろ考えたんだよね、タイトル。「胸キュン」みたいな。胸キュンを覚えて、そのあと自分が変わる瞬間を表す言葉として「バーン」という言葉を思いついて。その間をとって「ムネバーン」っていいじゃん、って。そういう感じだったんです。

マツ:ちゃんと受け取ってもらえて嬉しいですね。

伝えたい感情に言葉を割り付ける

――トークの際にお2人が大切にしていることって、何ですか?

シモ:「自分たちで聴き直して笑っちゃうか」ですね。あと、「伝えたいことがあるか」。これを聴いたあと、リスナーさんにどんな気持ちになってほしいか、どう思って欲しいかということを考えてしゃべるようにしています。

――深い!

マツ:私たちのキャラクター的に、おちゃらけてるというか、テンションとノリでやってるような感じに思えるかもしれないですけど。実際にはかなり録り直してるし、かなり構想を考えてるし。こう見えて、かなり作り込んでるんですよ。

シモ:トークを収録するときの動機は、大きく分けて、「こんなことあって、面白いからしゃべりたいな」でスタートするときと、「私のなかにこういう感情があるから、それをうまく伝えるためにこういう話をしよう」という2つですね。伝えたいメッセージと、身近にある話を組み合わせるというか。

――まず伝えたい感情が先にあって、そこに言葉を割り付けるんですね。

シモ:すげぇカッコイイ言い方してくれるじゃん! でもたしかに、そういう感じだと思います。

第1関門は「相方のウケ」

――トークのネタをどうやって集めているんだろう、というのはすごく気になっていました。どういう基準で「これを話そう」と決めるんですか?

シモ:私個人の価値観って、そのままだとなかなか共感されにくいものが多いなと思っていて。そのうえでまったくわからない話をしてしまったら、誰も何もわかんない話になっちゃうから、トークのテーマは一部でも共感できそうなことを選ぶようにしていますね。

マツ:トークのテーマやタイトルって、ほぼほぼシモさんの発案なんです。

ほぼほぼシモさんが、毎日何かしら話のネタを見つけてくるんですよ。日々過ごしていて、何かしら気になっちゃうんでしょうね。そのなかから、2人で面白いと思うものをしゃべるという。

シモ:マツにまず「こういう話があって・・・・・・」っていうのを1回全部聞いてもらって。で、笑ってくれた話を最終的に収録するという。

――マツさんへの“ネタ見せ”から始まるんですね。

シモ:そう。まず第1審査が、マツ(笑)。マツが笑ったら、やる。

――めちゃめちゃコンビの絆を感じるお話ですね。

シモ:そうですか? マツ、最近私が送ったネタ、全部無視したじゃん。

マツ:そうだっけ?

シモ:最近送ったテーマ案が・・・・・・(スマホを見て)「いい匂いのするデブ、反則だろ」「異性を選ぶ際の第1優先順位が“顔”のやつ、だいたいブス」・・・・・・

――(苦笑)

マツ:このネタ案はね、そもそもまず、シモさんがやさぐれてるんですよ。

シモ:そうね(苦笑)。だから、「あ、いま疲れてるのかな」と思って・・・・・・(笑)。でも、「いい匂いのするデブ、反則だろ」は絶対録りたい。これは伝えたいメッセージだから。

マツ:いい意味で反則、ってことだよね?

――こうして話を聞いていると、あらためてマツさんの「相づち力」を感じます。

マツ:ありがとうございます。何も考えてないですけどね(笑)

収録している内容よりも、収録の前に2人でしゃべってる内容とか、収録の後に2人でしゃべってる内容のほうがめちゃめちゃ面白いんですよ。

シモ:そうなの! いつも「なんでこの会話録ってなかったんだろう」って思うんだよね。

マツ:2人で会話しているのがそもそも面白いって思ってるもので。それをそのまま出せるように意識していますね。

「そういえば、なんで?」から、トークの種が生まれる

――いろいろなことに気がつくというシモさんですが、それは意識して何かを見つけようとアンテナを張っているということですか?

シモ:なんだろうな。なんかのコンテンツに触れたことをきっかけに「自分だったらどうするだろう」と考えたり。世の中の真理や法則みたいなのに、ふと気づくときってあるじゃないですか。そういうのに気づいたときに、しゃべりたくなっちゃう。

――何かしら刺激を受けて、そこから「そういえば・・・・・・」と考え始めると。

シモ:みんなが当たり前に思ってて、ある種、思考停止状態で「こういうもんだから、やる」っていうものって、めちゃめちゃあるじゃないですか。それ、意味わかんねぇなって。みんな、意味わかんねぇなって思わないのかなって。逆に。

思わない人のほうが多いんだろうけど、私の場合は「なんで?」って考え出しちゃうというか。それをしゃべってるというところがあるかもしれないですね。

――常識とされているものについて、「それ、本当にそうか?」と。

シモ:そうですね。私は「なんでなんでお化け」なのかもしれないですね。

――最近は価値観も多様化して、「こういうのがいいモノなんだ」という押しつけが通用しなくなってきた感がありますね。

シモ:ほんとそう。全部疑ってかかってるかもしれない。

物事に対して「自分が得た感覚」を言葉にする

――お2人には、「面白いトークをするために何をすればいいか」という質問をしようと思っていたんです。これからトークを通じて世の中にアプローチしていきたい方たちも、このインタビューを読んでいるんじゃないかと思って。

シモ:めっちゃ難しいこと聞くやん! それ知りたい! こっちが知りたいわ!

マツ:えーっ?!

シモ:なんだろう・・・・・・。めちゃめちゃ観察する。めちゃめちゃ観察して、1回入れて、出す。・・・・・わかるよな、マツ! 私が言いたいこと・・・・・・! これ、なんて言語化したらいい?

――観察して感じて、それを自分のなかで1回咀嚼する、ということですか。

マツ:シモさんというフィルターを通すことが肝だと思うんですよ。シモさんって、感性や着眼点が面白いんですよ。それがヒントなんじゃないかなと思って。

日常のちょっとしたことにも疑問を持って、「なんでこれは丸い形をしているんだろう」とか、「これはどうしてなんだろう」という、それこそ「そういえば・・・・・・」の部分から関心を広げていくことが上手いんですよね。そういったところからエンタメに昇華していくのが上手いっていうか。

シモ:めちゃめちゃ褒めるじゃん。

マツ:そんな感覚でいつも見てるけどな。

シモ:嬉しい。

――外から得た体験を自分の中で消化して、“自分事”にするということなのかな、と思いました。起きた事柄そのものとはまた別に、それに触れた自分の気持ちを出すというか。

シモ:そうですね。言語化するとそうかもしれない。

あとは、外から受けた「なんで?」っていう感情が、全然違う別のことをしたときの感情とすごい近かった、っていうことってあるじゃないですか。そういうのを紐解いていくというか。「このときの感覚だ!」っていうのが自分の中で見えたら、それが何なのか、他の人にもわかりやすい言葉にしてしゃべるというか。

「自分を通して出す」過程がオリジナリティを生む

――お2人のトークがこんなにも多くの人の共感を引きつけるのは、本当に“自分事”としてしゃべっているからなのかもしれないですね。世の中の事柄に対して高みの見物をするのではなく、それに触れた自分の生の感情を語っているから。

シモ:自分の心の中に入れないで、パッと表層をすくって出してるだけだったら、上っ面だけの言葉になっちゃうと思うんですね。どこの誰でも言えるというか、世の中にありふれた話になってしまうと思うんですけど、たぶんラジオって、そういうことじゃないよね、って気がするんです。

もっと、人の内側の泥臭い部分とか、キラキラしてない部分、リアルな生活では表に出したら良くないような部分もふくめて、なにかもっとリアルな人間性がわかったほうがいいというか。ラジオって、そういうものを楽しむものだと思っているので。全部出しちゃう(笑)

マツ:いったん自分の中に入れて出す、っていう言葉を聞いて思ったんですけど、まさにその過程を経ることで、トークのオリジナリティっていうものが生まれていくんだろうなと。

シモ:トークって、誰が話してもいいし、情報を伝えるということに徹してもいいんだけど、話す人がいままで歩んできた人生とか、もともとの性格とかで全然違う答えが返ってくるはずなんですよね。

その違いがたぶん楽しいんだと思うんですよ。ラジオって。こんな人がいて、こんな人がこう感じた、っていう、その差が面白い。人間くさくて。

作られた綺麗な話とか、上手な話だけだったら、テレビとか、大衆に向けてプロが作ってるものを見ればいいじゃんって思っちゃう。

――同じ話題でも、シモマツのお2人のフィルターを通して聴きたいって思うから、みなさん『ムネバーンラジオ!』を聴くんでしょうね。

マツ:それ、めちゃめちゃ嬉しいです。それが一番いいですね。

シモ:もともと私たちも社会不適合者じゃん、ベースが。社会不適合者だなって自覚していても、サラリーマンのコスプレをして働いているわけじゃん。

マツ:そこまでは思ってないですけども、マツは(笑)

シモ:私は頑張ってるの(笑)。でもそうして擬態するなかで、自分のフィルターって、すごい邪魔なんだよ。世の中で生きていくうえでは。

ナチュラルにいい感じで生きていこうとすると邪魔なの、その自我って。きっと。ない方が上手くいくと思うんだけど。でもね、しょうがないじゃん。どこにも出す部分がないから。Radiotalkで出して、好き勝手やって評価されてぇ〜、って思ってた(笑)

マツ:いろんなトーカーさんたちも、やっぱりその人らしさが勝負の鍵なのかなと思いますね。

シモ:私、一番嫌いなのがあれ。よく思われたくて、綺麗な言葉だけを紡ぐやつとかいるじゃん。それってたぶん、綺麗な言葉だけど、別にどこでも拾えるし、たぶん誰にも刺さらない。

マツ:うん。

シモ:キーワード、「入れて出す」。下ネタじゃないですからね。ちゃんと真面目な意味で。

「あなたのトークは、必ず誰かに刺さる」

――めちゃめちゃ深いトーク論になりましたね。ラジオ論でもあるけど、マスメディアのラジオとは違う、個人発信のラジオ論。

シモ:これ聞かれるかな、ってあらかじめ想定していた質問、全然聞かれなかったね(笑)

――どんなことを聞いてくると思いました?

マツ:いや、恥ずかしいからいいです(笑)

シモ:野暮な事聞くんじゃないよ!

――(笑)。最後に、この記事を読んでくださっているトーカーの方に向けて、メッセージをお願いします。

シモ:ライブ配信のランキング上位にいる人たちを見て、「ああなったらいいんだろうな」とか、「どうしたらギフトが稼げるんだろう」って考えて立ち回りをする人もいると思うんですよね。それはそれで、正解のひとつだと思うんです。Radiotalkのなかで有名になりたい、っていうのももちろん大事なモチベーションだから。

けど、トークを通して何かを伝えたいとか、自分がしゃべりたいことがあるとか、いいトークをしたいということと、ギフトを稼いで評価をもらうってことは別々の話だと思うので、そこが伴わなかったとしてもくじけないこと。かな・・・・・・。

私たちも結構さ、ブレそうになったときあったじゃん。一瞬。「やっぱ、ああいうのがいいんかな」みたいな。こういう風にならないと誰も聴かないんじゃないか、みたいな。ちょっと心折れそうになったんですけど、でもたぶん、心折れてそっちに行くと、自分のこと嫌いになるよね、と。

そうじゃない人もいるから。きっといつかどっかで誰かに刺さるよ、という気持ちで、魂を捨てないこと。かな。

――その言葉、刺さりました。

シモ:何かモノを作るとき、外の評価を気にするのって邪魔でしかないと思うんですよ。目的が変わっちゃうから。悪い意味で丸くなっちゃう。共感とは違う、一般的なものになっちゃう。

どこにでもある話なんか、誰も聴きたくないと思うんですよ。ましてや素人のなんて。魂、売らないで欲しいな。

――評価されたいからしゃべるんじゃなくて、感じるからしゃべるんですもんね。

シモ:そう。最初にRadiotalkを始めたときの、「何で始めたか」を大事にしたほうがいいと思うんですよね。バズって評価されたいんだったら、Radiotalkじゃなくて、他のアプリに行った方がいい気がする。

選ぶべくしてRadiotalkを選んだのなら、魂は売らずにしゃべってもらえたら。そういう人が増えるといいなって、私は思います。

――「思っちゃったんだからしょうがない」という気持ちを忘れないということですね。

シモ:そうそうそう。本当そう。思っちゃったんだからしょうがないんですよ。

マツ:なんでやりたいと思ったのかとか、そこを忘れないでやっていくということですよね。

シモ:私たちが何でRadiotalkをやりたいと思ったのかという話は、またどこかでね。今日言おうとしてた話はね(笑)

マツ:そうだね(笑)

――ルーツの話も、今度ぜひ聞かせてください。

マツ:ろくでもない話ですよ(笑)。いや、ろくでもなくはないか。

シモ:ちゃんとしてたよお(笑)

ーー本当に素敵なお話、ありがとうございました。私もインタビューしていて“ムネバーン”した気がします!

シモマツ:まーたひとりムネバーンさせちまったな! ガハハ(笑)

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