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Radiotalkで「本音を話せる自分」になった【星野光樹さん(Gパンパンダ)インタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『Gパンパンダ星野のサシ飲みラジオ』を配信する、星野光樹さん(Gパンパンダ)にフォーカスします。

一平さんとともにワタナベエンターテインメント所属のお笑いコンビ「Gパンパンダ」として活動する星野さんは、2020年3月よりRadiotalkをスタート。コロナ禍で芸人としての仕事がなくなり、世間全体が自粛を余儀なくされる状況を逆手に取り、当初は『自粛ムードを逆手に取るラジオ』のタイトルで配信されていました。

星野(Gパンパンダ)  2021撮影

その後、番組タイトルは『Gパンパンダ星野のサシ飲みラジオ』へ。このタイトル変更は、星野さんがRadiotalkで発信するスタンスの変化にも繋がっていました。

(取材・文/ねむみえり

コロナ禍に、税理士の資格を活かしてラジオを配信

ーー音声配信を始めたきっかけを教えて下さい。

星野:もともとラジオが好きで、Radiotalkにも以前から興味があったのですが、始めるのがどこか恥ずかしかったんです。そんななか、コロナ禍でライブも出られない状態が続いて。「そんななかでも手軽にできるし、やろう」とはじめました。

ーーどのような経緯でRadiotalkを知りましたか?

星野:昔から仲良くしていただいてる先輩芸人と話していたときに「いま、結構な芸人がRadiotalkをやっているよね」という話を聞いて。そうなんだ、と思って、アプリをインストールしました。

ーー『自粛ムードを逆手にとるラジオ』では、”公認会計士 兼 税理士 兼 芸人”という星野さんユニークなプロフィールが全面に活かされていましたね。

星野:「せっかく会計や税理士の資格を持っていたので、誰かの役に立つかな」という気持ちでそういう話をしていましたね。コロナ禍で、いろんな人から相談や質問を受けて。持続化給付金についてのnoteを書いて、それが100万ビューぐらい読まれたりもしました。

(※編注:いずれも、記事公開時点の情報です)

ただ、それを機に自分を知ってもらえたとして、Gパンパンダのファンになってもらえるかというのは、また別の話で。2021年になってからは「税理士として確定申告の書類を出しに行く収録トーク」といった感じで、「自分は今こんな状態だよ」というのを発信するスタイルに変えました。

ーー税理士さんの「実況音声」というのは、なかなか新鮮でした。

星野:確定申告の時期とお笑いの現場から離れているタイミングが重なると、お客さんから「忙しいのかな? そっとしておいたほうがいいかな」と、距離を置かれてしまうんじゃないかと思って。もちろん、その間まったく何もしていないわけではないので、Radiotalkを通じて「一応こんな状態だよ」と伝えていました。

ーー今度も、この“シリーズ”は続けていく予定ですか?

星野:税理士業務でめちゃめちゃ忙しいときにはそういう話もするかもしれませんが、ベースとしてはお笑いを楽しんでほしいので。番外編というか、「こんなときもあります」という風に見てもらえたらなと思っています。

ーー『自粛ムードを逆手にとるラジオ』として最終回を迎えた際には、多くのギフトが集まっていましたね。

星野:『自粛ムードを逆手にとるラジオ』として最終回の収録トークを配信したあとに、当時MBSラジオで放送していた『あどりぶラヂオ ~月刊Radiotalk~※』のパーソナリティの話をいただいたんです。
(※編注:2021年10月までMBSラジオで毎月放送されていた、Radiotalkの配信者を起用したラジオ番組)

これをきっかけに、やっぱりRadiotalkを続けようという気持ちになりました。応援してくれていた人の気持ちを変にもてあそぶ感じにしたくないな、と。

ーー「投げ銭(ギフト)の使い道」を公開するトークもされていましたね。

星野:Radiotalkで得た経験を、またRadiotalkに還元するサイクルにしたいなとも思って。せっかくお客さんからいただいたギフトなので、使いみちを発信したほうがお客さんにとってもいいかなと思い、トークを配信しました。

ーーかなり思い切った判断ですが、葛藤はありませんでしたか?

星野:僕はRadiotalkに関しては、これで稼ごうという感覚があまりないんです。ギフトをいただけるときはすごく嬉しいんですけど、なによりRadiotalkで配信をしている一番の理由は、ここをきっかけに、Gパンパンダのことをこれから5年も10年もずっと見ていてくれるような人ができたらいいな、という思いからなので。

「ついてきてくれる人にだけ届ける」ラジオへ変化

ーー番組タイトルを『自粛ムードを逆手にとるラジオ』から『Gパンパンダ星野のサシ飲みラジオ』へと変えた背景には、どのような思いがあったのでしょう。

星野:そもそもコロナ禍がこんなに長く続くと思ってなかったというのもありますが、「自粛ムード」って言葉をずっと言ってるのもちょっとな、と思って。

ーー番組名が変更されてから、収録トークの配信が多くなっていますね。

星野:『自粛ムードを逆手にとるラジオ』のときは「自粛ムードの今だから話したいこと」とか、「こんな状況なので〇〇な話」というようにお題のルールを自分の中で決めてたんですけど、『サシ飲みラジオ』にしてからは、割となんでもよくなっちゃいました。ライブだったら絶対にしゃべらないような話も、「ここでなら、もう言っていいや」と考えるようになったというのもありますね。

いまは、日記をつけるような感覚でトークを録っています。自分が今思っていることとか悩んでいたことって、何ヶ月後かには忘れちゃうんですよ。どうせなら、あとで聴き返して「このとき、こんなこと考えてたんだな」って思い出せるようにしちゃえ、と思って。

星野2

ーー星野さんによる、星野さんのためのラジオというわけですね。

星野:Twitterでも、Radiotalkの更新の告知をしなくなったんです。もともとは多くの人に聴いてもらおうと思っていたんですが、これからはついてきてくれる人にだけ届けようと。その結果、更新頻度も増えました。

出演番組同士の”連動”に込めた思い

ーーニッポン放送『オールナイトニッポンPODCAST』で2021年10月の土曜日配信パーソナリティを担当されていましたが、その振り返り配信をRadiotalkで行っていたのが印象に残っています。

星野:ちょっと色々思ったんです。Radiotalkをずっとやってきているなかで『オールナイトニッポンPODCAST』という、ある意味すごく似たような媒体でも配信が始まるけど、片方だけ宣伝だけしてしまっていいのか、と。

以前、Radiotalkのギフト仕様について誤解したトークを配信してしまって、Radiotalkさんに申し訳ないなという気持ちもあって。そういうこともあって、Radiotalkと『オールナイトニッポンPODCAST』を、自分なりに“連動”させたいと思ったんです。

最初はRadiotalkで『オールナイトニッポンPODCAST』の話をするのはどうなのかとも思ったんですけど、もしかしたら『オールナイトニッポンPODCAST』を聴いてくれた人が、Radiotalkに興味を持ってくれるきっかけにもなりうるかなって思って。Radiotalkって、Podcastとしていろんな所にも配信できるから、「Gパンパンダ」とかで検索してもらった時に、どっちも聴いてもらえるかもという狙いもありました。

Radiotalkで「本音を話せる自分」になった

ーーRadiotalkを続けてきたなかで、印象に残っていることはありますか?

星野:もともと僕たちを応援してくれてたお客さんが、僕がRadiotalkを始めたのを聴いて、「それをきっかけにRadiotalkで配信を始めました」とメッセージを送ってくださったんです。僕もちょっとだけですけど、その方の番組を聴いたりして。ラジオの楽しさみたいなのが広がってるのはいいなと思いました。

ーー芸人としての活動に影響を与えた部分はありますか?

星野:結構本音でしゃべれるようになったかもしれないですね。

僕、お笑いやるために公認会計士の資格を取ったんですけど、その資格を取るために2年間くらい働いたんですよ。その2年間って、自分のやりたいことと、実際やっていることがずれていて。周りの人とコミュニケーションを取るときに、自分は「公認会計士として働きたい人間」として接しているような感じになって。それが自分の中に浸透しちゃったというか、あまり本音じゃないところでこなしていくというのがなかなか解けなかったんですよね。

本音でしゃべるということを反射的に避けているところが多分あったんですけど、Radiotalkでトークを録っては「なんか嫌だな」っていうのを繰り返しながら、ちょっとずつ本音を出していけるようになった気がします。

ーーたとえばどんなときに「なんか嫌だな」と感じるんですか?

星野:建前みたいなことを言っちゃった気がしたときとかですかね。「本当にそう思ってたんだっけ?」みたいなことを録り終えてから思って、これちょっと違うなとか思って。自分の気づかなかった、“取り繕ってた部分”に気づきつつ、ちょっとずつ自分としてしゃべれるようになっていく感じでした。

ーー今後、Radiotalkで取り組んでみたいことはありますか?

星野:ライブ配信をうまくやりたいなと思います。一時期ライブ配信をやっていたときに、コメントを拾っていくだけになってしまって。それもいいことではあるんですけど、もうちょっといいやり方を見つけたいなと思って。かしこまってMCしてるみたいな感じでしゃべっちゃうのは、なんかな〜と思って、最近はやってないんです。でもライブ配信をしたくないわけではないので、うまい塩梅を見つけられたらなと。

ーー星野さんにとって、Radiotalkってどういう場所ですか?

星野:ホントに取りつくろわずにしゃべるところというか、他では絶対見せたくない部分を見せていく場所ですね。

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