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「僕らが笑い合うのが最優先の番組です」【チケットボンバーズインタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『チケットボンバーズの記録』を配信する、“チケボン”ことチケットボンバーズにフォーカスします。

チケットボンバーズは、関西出身のけいすさん(写真・肩車上)たっすさん(写真・肩車下)による先輩後輩コンビ。「ラジオの概念ぶっ壊す」をポリシーに2019年7月より番組をスタートし、1000本を超すエピソードを発信してきました。

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現在は、大阪と東京の遠距離で配信を継続していますが、一人は結婚し、父親となり、ライフステージも大きく変わった二人。変わらず「毎日配信」を続ける理由とテクニック、そして今後の野望を聞きました。

(取材/文:鼻毛の森

「残ったバイト2人」の関係が濃くなりコンビに

ーーまずはお二人それぞれのプロフィールを教えてください。

けいす:僕は兵庫県出身・大阪在住で、システムエンジニアをしています。既婚で子どもが一人。子どもは生まれたばかりなんですが、番組内のエピソードでは既に「じゅにす」として何度か登場していますね(笑)

たっす:僕は今東京在住で、WEB関係の広告代理店に勤務しています。もともとは大阪出身で、大学時代にアルバイト先の同僚としてけいすに出会いました。大学も違いましたが、学年も1年上なので、先輩後輩コンビとして仲良くしています。

ーーお二人のアルバイトは、コンビの結成ともゆかりが深いそうで……

けいす:アルバイト先は梅田の映画館だったんですけど、映画館って、役割が完全に分かれているんですね。僕らはチケット担当だったんですけど、男子は30人中3人。うち1人は辞めたりもして、結果的に残った2人の関係が濃くなっていった感じです。

で、映画館のメンバーで、セクション別でゲームをする機会があって、当然僕とたっすが組むんですが、僕「チケット!」とノリで拳を前に突き出してみたら、たっすが「ボンバー!」ってアドリブで乗ってきて。以降、それがコンビ名になりました(笑)

たっす:一応僕がボケで、けいすがツッコミの立場なんですが、お互いがお互いを笑かそうとしてるので、実際は曖昧ですね。

けいす:たっすが暴走するところがあるので、僕は世話係って言い方はしますね(笑)

「これ配信したら面白くない?」録音した自分たちの会話に大ウケ

ーーRadiotalkをはじめたきっかけは?

けいす:社会人になってからもたっすとは遊び友達だったんですが、いつも通り二人でしゃべっていたとき、たまたまボイスレコーダーを持っていたたっすが「僕らの生産性のない会話を聴き直してみませんか?」と持ちかけてきて、「おもろそうやん」と。で、録音して聴いてみたら、実際に面白かったんですよね。

たっす:で、「これ、配信したら面白くない?」ってノリが生まれて。動画配信も含めていろいろ媒体は検討したんですけど、毎日配信を考えると動画は手間的に難しいなと思って、音声アプリに絞って。で、録り溜めができて他の機能も便利そうなRadiotalkに決めました。これなら週に一回集まって続けられるよね。と。

ーー第1回目の配信をRadiotalkで聴くことができますが、お二人の照れている感じとか、アプリを興味深そうにいじっている様子がとても初々しいですね(笑)

けいす:いま聴くとひどいなぁ(苦笑)。電子レンジの音とか入ってますし。

たっす:寝転びながら、自己紹介をだらだらと……(笑)

けいす:思いついたことをそのまま喋ってる感が凄い(笑)

ーー番組開始にあたって、コンセプトや目標はありましたか?

けいす:うーん、ないですね(笑)。自分らがおもろかったらええ、楽しかったらええって感じで始めたので。その部分は変わらないので、いまもコンセプトはあるようでないですね。目標みたいなものはつど生まれますけど。

たっす:変化で言うと、配信1000本を超えた今では、2ミリぐらいはリスナーを意識するようになりましたかね(笑)

けいす:そうそう。補足を入れたり、状況が見えるようにとか、細かい話し方は変わったかも。トークも毎回、何かしらテーマを設定するようにはなりましたね。

たっす:あと、僕らって基本的に声が似てるらしいんですよ。なので、聴き分けられるように、途中からお互いの一人称を「たっす」と「けいす」に変えましたね。いまは「声が低い方がたっす」って言われてるんですが、僕はシェアハウスの個室で録音しているので、隣の部屋に気を使って小声で話しているだけなんです(笑)

徹底した音作りでクオリティを担保

ーーそれぞれ東京と大阪に住むお二人ですが、毎回の収録はどのように行っていますか?

けいす:番組を始めた時は2人とも大阪にいたので、集まってスマホに向かってまとめ録りして、毎日21時にリリースするって形でしたね。ただ、今は、収録機材とパソコンを駆使して、リモート収録と編集を行っています。

具体的にはZOOMで映像をつないで、別途PCで立ち上げた録音ソフトの録音ボタンを同時に押し、それぞれのマイクに向かってしゃべって、それぞれの音声トラックを作ります。その後、これらを共有して、当番制でBGMも含めたミックスを行い、番組としてひとまとまりの音にしたうえでRadiotalkに取り込み、配信するという形をとっています。

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けいす:せーの、で7本分収録するので、収録自体は1時間半ほどで終わります。収録日についてはだいたい土曜日に、と決めてるぐらいですね。音質にはこだわってはいて、声にホワイトノイズが乗らないように、チェックはしっかり目に行います。

ーー番組のオープニングジングルも楽しそうな雰囲気で、引き込まれます。

けいす:オープニングジングルはいろいろ試して、半年ぐらい前に今の形に落ち着きました。僕が作ったんですが、つかみとしては当分あれでいいかなと。賑やかであればいいといった軽い感じです。

ーートークの説明文に、聞きどころのタイムポイントが案内されている点も非常に細やかなだなと感じます。

たっす:その回ごとの概要については備忘録も兼ねてスプレッドシートで共有しているのですが、せっかくまとめてあるならリスナーさんにも公開したほうがわかりやすいし、と思いまして。ある程度フォーマット化すれば毎回イチから紹介文を書かなくて済みますし、効率化という面も大きいですね。

「どちらにしても、たっすが相手なら面白くなる」

ーーネタの打ち合わせはどのように行っていますか?

けいす:毎回、事前に軽くテーマだけ決めて録っていく感じなのですが、最近は収録中に唐突に話題を振ることもあります。ネタがどうしてもなかったら、ウソをつくこともあります(笑)。どちらにしても、たっすが相手なら面白くなるので。

ーー100キロマラソン企画や24時間ライブなど、ライブ配信企画にも力を入れていますね。

たっす:生配信はこれまで200本ほどやりましたね。いまは僕は東京の会社へ転職、けいすは父親になって、生活スタイルがお互い変わり過ぎたので、一旦ひと区切りという感じです。

けいす:企画モノはたっすが言い出したら乗っかるスタンスだったので、いまそれを聞いて、「ああそうなんだ」という感覚です(笑)。まあ、収録のスキルに自信が付いたタイミングでもありますし、こだわりのBGMのカットオフで笑いの要素を膨らませる演出も、収録なら自在ですから。僕はもともとインドア派で、職業柄、システムを作るのが好きなので、仕上がりのいい収録の方が好きかもですね。

ーーイベントにも積極的に顔を出したり、トーカー同士の交流にも積極的な印象があります。

たっす:始めて半年くらいは、特にそうでしたね。「いいね」がもらえるたびに世界が広がる感じがして、地上波進出(※)にも興味が湧くようになって(※Radiotalkでは不定期に、MBSラジオを始めとする地上波ラジオ局の番組出演オーディションを実施している)。他のトーカーさんとか、本来繋がらないような人と繋がるのがただ楽しくて動いてた時期ですね。各方面にいろんな“売り込み”をしたのも、この頃です。

けいす:トークの場以外では、たっすは広告、僕は技術屋という役割が主ですからね。

逆に僕がひとりでMBSラジオに出演(※)したこともあって。
(※2021年6月24日深夜、MBSラジオ『あどりぶラヂオ 月刊Radiotalk』でパーソナリティを担当)

そのときもプロの音響さんやプロデューサーさんとか、普段暮らしていたらなかなか出会わない人が同じスタジオにいて、異世界を見ましたね。だから、たっすの気持ちはよくわかります。

「僕らが笑い合うのが最優先の番組です」

ーーお話を聞いていると、お二人のラジオに対する憧れを強く感じます。もしや、根っからのラジオ好き……?

けいす:いえ、実は自分たちが出演した番組以外、ラジオはあまり聴いたことがなくて。別にトガっているとか、こだわりがあるというわけではないんですが……。あ、でも、オールナイトニッポンには憧れますね。本当に勝手な印象なんですが……(笑)

たっす:だからこそ、逆に自分たちの色がくっきりと出せているのかなとも思います。話し方とか、編集とか、間接的に何かの影響は受けているのかもしれないけど、自分たちの中のベストを積み重ねて、自信をつけて、今も楽しくやれているので間違ってはいないのかなと。とにかく、僕らが笑い合うのが最優先の番組ですし。

けいす:リスナーさんに対しては「一緒に笑ってくれ」ってスタンスはずっと変わりません。「ついてきてくれたら嬉しいな」と思いながら。

ーーゲストで招いたトーカーとの会話をうまく回したり、プロ的な意識を随所に感じます。

けいす:とりあえず2人だけの世界にならないように、塩梅は見ていますかね。ゲストを置いてきぼりにするのはだめだけど、ゲストばかりしゃべると僕らの個性が出ないので、全体の運びは意識してるかも。

もともと僕は、食べるのも飲むのも苦手なのに飲み会のセッティングするタイプでして(苦笑)。バイト時代から、場がしらけないように箸も持たずに話を回していたのが、功を奏しているかもですね(笑)

たっす:なるべく自分たちで完結させて、第三者を巻き込む感じに着地するように意識しています。面白いけど、誰も傷つけないというのが理想だと思っていますね。

ラジオ局への「逆オファー」を始めた本当の理由

ーーながらく顔を隠して番組を続けてきたお二人ですが、2021年11月27日に顔出しを解禁すると聞きました。なぜこのタイミングで?

チケボン顔出し

けいす:チケボンがラジオ配信活動をしてきた中で、最も濃い経験をさせていただいたのが、MBSラジオでお笑い芸人の街裏ぴんくさんとパーソナリティを務めたことだったと思っていて。

その日は2020年11月27日なのですが、この思い出ある日から1年という節目で、という想いから、この日に公開することに決めました。

たっす:最近になって、そもそもなんで顔出ししてこなかったんやろう? と疑問に思ったんです。顔出しをせずとも発信できる媒体の特徴もあってチケボンも自然と顔出ししてこなかったんですが、ご存じの通り“ラジオで組体操”するようなコンビなので……(笑)。

よりリスナーさんに、どんな2人が話しているのかイメージしてもらいやすくできるよう、いまさらながら顔出しを解禁することにしました。

ーー現在取り組んでいるという「ラジオ局への逆オファー」計画が気になります。

けいす:地上波ラジオへの出演で純粋に感じた感動をまた味わうには、何から始めたらいいだろうと考えたんです。ライブ配信で発表したんですが、ラジオ関係者の方も聴いてくれていて、「ええやん」な空気にもなったので、とりあえずやってみようと。

たっす:と言っても、アクションはこれからなんです(笑)。今までの僕らの歩みを名刺代わりに、ネタとしてどれだけ売り込めるかなと。僕は飛び込み営業が得意なので、まずは動いてみてから、柔軟にやり方を模索したいですね。まあ、この企画の状況報告だけでも、僕らの番組のネタとしておもろいと思いますし(笑)

けいす:全国にはどんなラジオ番組があるのか、どんな出演者がいるのか勉強するきっかけにもなると思いますし。

たっす:自分からゴリゴリオファーしてゲスト枠を取りにいく謎の若者って、今のご時世、稀少なんじゃないかなと期待する部分はあるんですが。まぁ、結果はともあれ、受け身ではなく、自分でチャンス掴んで世界を広げようとする姿を見せるのが、チケットボンバーズの「らしさ」なのかなと。

けいす:本当に全国のいろんなラジオに出してもらうことができて、ストーリーみたいなものが増えたら、ラジオデビューさせてくれた『あどりぶラヂオ』に“凱旋”したいですね。実はまだ、2人だけで出演ってパターンはないので、僕らの中で壮大な目標です。

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