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全ストレスを、笑えるあるある話に【イクラちゃんインタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『イクラのこぼれ話』を配信するイクラちゃんにフォーカスします。

神奈川県で生まれ育ったイクラちゃんは、職業・年齢一切非公開。元キャバクラ嬢の経歴を持ち、現在は本業のかたわらライブチャットのチャットレディとしても活動中。2020年2月にスタートしたRadiotalkでの配信では収録トークを中心に、暮らしの中で湧き上がるリアルな感情を“録って出し”しています。

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ボイスチェンジャーの効果もあり、謎のベールにすっぽりと包まれた彼女。その本質的な部分を(聞ける範囲で)じっくり聞きました。

(取材/文:鼻毛の森

“イクラちゃん”の由来は「1分“いくら”」

ーー元キャバクラ嬢という経歴がいきなり目を引きます。

イクラちゃん:19歳からの4年間、キャバクラで働いていました。当時は大学生だったんですが、某ジャニーズグループのコンサートにハマってしまったのがきっかけです。というのも、最初は1ツアーにつき1回か2回行ければ満足だったんですけど、全公演追いかけたくなってしまって。

ーーということは、北海道から沖縄まで?

イクラちゃん:そうです(笑)。多いときは全国25か所巡りました。

旅費は高速バスなどを使って抑えられますが、それでも数十万はかかりますし、いい席のチケットを取ったり、グッズを買えばさらに…… なので、短期間で稼ぐためには、キャバクラしかないと思ったんです。

しばらくしてジャニーズの追っかけは卒業するんですけど、夜の世界にいる間にホストにハマってしまって(苦笑)。結局、23歳でやめるまで続けましたね。

ーー現在はチャットレディのお仕事もされているとか。

イクラちゃん:本業ではないですよ(笑)。

キャバクラをやめたのは、もともと腎臓が悪かったのもあって。あまりトイレに行けない仕事なんですが、血尿が出たりと体調を崩して、2回ほど入院したところで「これは無理だな」と。で、在宅でできて、キャバクラのスキルを活かせるバイトはないかと探していたら、チャットレディに着地したんです。

のちにキャバクラも本業もコロナで大打撃を受けるので、チャットレディという道を作っていて、ギリギリセーフだったと思っています。

ーー「イクラちゃん」という名前の由来は?

イクラちゃん:チャットレディのお給料って、基本は時給ではなく、1分ごとに数十円のカウントなんですね。なので、自分の稼ぎが「1分いくら」というところからこの名前にしました(笑)。

あと、単純にイクラのお寿司が好きという理由もあります。ちなみに「いくらのこぼれ話」という番組タイトルについては、軍艦巻きからいくらがこぼれる美味しそうな様子も絡めています。

「聴いてくれる人がいる」と気づいて変わった

ーーRadiotalkを始めたきっかけは?

イクラちゃん:2020年2月です。もともとは「聴き専」で、アプリ自体はその2~3か月前にダウンロードして活用していました。人気トーカーであるフミ子さんのファンだったことをきっかけにRadiotalkを知って、聞き始めました。

ーーなぜ、自分の番組を立ち上げようと?

イクラちゃん:ストレス解消のためです(笑)。キャバクラ時代は仕事やお客さんについて嫌なことがあっても一緒に働く女の子同士で共有できたのですが、ライブチャットではひとりなので、単純にストレスを吐き出せる場がなかったんです。

最初はSNSでつぶやこうかとも思ったんですが、それだと匿名をいいことに「クソリプ」も来るじゃないですか。それがストレスになったら本末転倒なので、自分の声に乗せて「壁打ち」するような気持ちではじめました。他のトーカーさんの交流とか、当時は全然考えていませんでしたね。

ーー実際に、ストレス解消になりましたか?

イクラちゃん:最初は「お客さんの悪口を言おう、誰も聴いていないし!」と考えていたんですが、いざ始めてみると聴いてくれる人がいて。面白いとも言ってもらえることを知る中で、心境もスタンスも変わっていきましたね。内容は言いたいことは言いつつ「不快にならない話し方を心がけよう」とか、笑える方向にシフトしました。

ーー反響は想定外でしたか?

イクラちゃん:どんな人がリスナーさんで、どんな人がトーカーさんなのかを知らないところから始まったのですが、配信をするにつれて周囲の人たちのプロフィールを「ああ、そうなんだ」と少しずつ理解していった感じですね。

「ライブチャットで働いている人が共感してくれればいいな」ぐらいに思ってましたが、リスナーにチャットレディはいませんでしたね(笑)。学生さんや主婦の方から褒められることが増えてきて、とにかく女性のリスナーさんが多いという状況が嬉しかったですね。

「面白いお客さんに出会ったら」配信する

ーー収録環境へのこだわりはありますか?

イクラちゃん:特にありません(笑)。自宅のリビングのテーブルにiPhoneを置いて、据え付けのマイクに向かって直録りするだけで、基本的に尺の編集もなく、録り終わったらエフェクト(ボイスチェンジ)をかけて公開する感じです。さすがに話に「ボフボフ」が乗るのは聞き苦しいので、私とiPhoneの物理的な距離だけは気にしています。見つけた適正距離は50㎝です。

ーー収録する時間は決めていますか?

イクラちゃん:決めてませんね。チャットレディのお仕事のなかで、面白いお客さんに出会ったら録るってルーティンです台本もネタ帳もないので、忘れる前に出すみたいな。夜にはなりがちですけど。

ライブ配信も、自分で積極的に企画立ててということはなくて、誰かの配信に呼ばれたり、その流れで自分も…… というような気まぐれ具合です。なので続くときは連日ですし、空ける時は1ヶ月以上空くこともありますね。

ーー声にエフェクトをかけているのはなぜですか?

イクラちゃん:まず、特定されないためですね(笑)。実際の出来事の直後に録って出しするので、ライブチャットで絡んだお客さんには絶対にバレたくなくて。

リアルな知り合いにばれても困るというのもありますが、実際はエフェクトをかけた配信とは全く違う低めの声なので、ばれたことはないですね。

ーーオリジナルジングルも凝っていますんね。

イクラちゃん:トーカー仲間が厚意で制作してくれて、気に入って使ってます。

これ、本当はもっとかっこいいんですけど、別の再生機から流して、iPhoneのマイクで拾っているだけなので、声と一緒にエフェクトかかってしまってて…… もったいないんです(笑)

実はサムネイルも最初はフリー素材だったんですが、別のトーカー仲間がプレゼントしてくれました。どうもみんなに見かねられているみたいです(笑)

「あったかいうちに録る」が信条

ーー切れ目のないトークが印象的なイクラちゃんですが、どのトークスキルはどうやって培われたのでしょう?

イクラちゃん:キャバクラ時代、当時のナンバーワンだったお姉さんから盗みました(笑)。なるべく横にべったりついて、スキルを少しずつ。見た目もですが、なにかしら秀でたものがないと生き残れない世界なので、私は早々に「面白さでいく」と腹をくくっていましたね(笑)

ーートークテーマを決める基準は?

イクラちゃん:比率的でいうと、最初の目的通り、お客さんの話が圧倒的ですね。あとは話したいことを話しているうちにアイドルとか、音楽とかジャンルが広がっている感じです。ただ、再生回数的にはお客さんがらみの話の方が伸びてますし、需要の高さは実感しています。

ーー聞いてもらうために工夫していることは?

イクラちゃん:基本的にしゃべりながら話を組み立てるのですが、時間は5~6分ぐらいに収めるようにしています。私が移動中に他のトーカーさんの配信を聴いているというのもあるんですが、流し聞きに12分はきついかなと思っていて。とにかく「ストレスがかからないように」という意識はしていますね。

ーーライブ配信での「キャバクラライブ」は斬新でした。

イクラちゃん:リスナーさんから「スキルを活かそうよ」と言われたことがきっかけで、希望者一人一人にステージに上がってもらって、順番に公開接客するコラボ企画が実現しました。お客さんにまずはギフトを投げてもらって、金額に応じた時間で接客をするので、まんまキャバクラですね。

「単純に面白い!」「リアルだ!」と反応をもらえたので、バースデー企画として第2弾もやりました。1回につき7~8人接客するのですが、リピーターは職業や設定を変えて来たりと、完全に遊んでます(笑)。ただ、リスナーさんにギフトの負担をあまりかけたくないので次は未定ですね。

バーチャルな場所で、私らしく

ーーRadiotalkを始めたことで、日常生活に変化は?

イクラちゃん:これまでは嫌なお客さんが来たらストレスが溜まる一方でしたが、Radiotalkをはじめた今では「ネタになるからいいか!」と思えるので、精神的にはずいぶん楽になりました。ネタとして発散できる場所があるって、素晴らしいですね。

あと、「本来なら出会わなかっただろうな」という人と繋がれたことも大きいですね。キャバクラ時代に出会った社長さんや業界人とはまた違う、バラエティに富んだ人たちに刺激をもらっています。

ーー番組を配信するうえで、大事にしていることは?

イクラちゃん:「配信者さんと揉めない」ですね。絶対に。

「元気がないときに聞くと嫌なことを忘れられる」と言ってくれるリスナーさんがいるので、ネガティブな出来事を笑い話にすることはあっても、ネガティブなだけで終わらないようにしようと。なので、本当に嫌なことがあって、私が笑い飛ばせない内容なら、配信しないと決めています。

ーーイクラちゃんにとって、Radiotalkはどんな場所ですか?

イクラちゃん:色んな人が聴いてくれることが、今の私のモチベーションになっています。もともとは「反応ゼロでもいい」と思って始めましたが、変わりましたね。

リアルなんだけど、そうとも言い切れない配信者同士の絶妙な関係性も含めて、生活の第一線とはちょっとだけ離れたバーチャルな世界を楽しめるストレス発散の場所…… というかもう、趣味の場所ですね(笑)

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