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自由から得たモノをバンドの財産に!【でこぽん(向日 葵さん&夢人さんby彩冷える)インタビュー】

Radiotalkで活躍する音声配信者「ラジオトーカー」を紹介していく連載インタビュー企画。今回は、番組『スタジオでこぽん放送局』を配信するヴィジュアル系バンド「彩冷える」のメンバー内ユニットでこぽん向日 葵さん夢人さんにフォーカスします。

「彩冷える」は現在、ギターのタケヒトさんやベースのインテツさん、ドラムスのKENZOさんを含めた5人で活動中。2009年には紆余曲折の末メジャーデビューを果たし、オリコンにもランクイン、全国ツアーを完走するなど、今もなお音楽業界で足跡を残し続けています。なお、2022年3月にはニューシングルも配信リリースしました。

2021年11月に告知から始まった3本のライブ配信とアフタートーク(収録トーク)が好評となり、2021年1月にレギュラー配信に昇格。現在は週1ペースでのライブ配信、収録トーク配信を重ね続ける彼らに、Radiotalkとの出会い、レギュラー配信までの道のり、今の心境、さらには描く未来について、聞いてみました。

(取材/文:鼻毛の森

結成18年のビジュアル系バンドの制作ユニット

――二人の出会いについて教えてください。

葵:2004年に「彩冷える」を結成し活動をはじめたのですが、立ち上げメンバーのうち、作曲とアレンジを担っていたギタリストが脱退して困っていたんです。そこで、よく対バンしていた夢人君のバンドが解散したことを知り、即スカウトしました。彼の作曲する曲そのものが好きだったのもあって、運命だなと。

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夢人:僕は音楽をあきらめて出身地の三重に帰ろうかというタイミングでした。「彩冷える」はもともと好きなバンドだったので、即快諾でしたね。

葵:歌謡曲やJ-POPが好きな夢人くんの作る曲はメロディーがキャッチ―なんです。バンドがいろんな世代の方に愛されているのは、夢人君の加入の影響が大きいなと。そしてメジャーデビューしてからは事務所に所属して、レコード会社のバックアップで活動の規模も大きくなって、より多くの人に楽曲が届くようになりました。

――「でこぽん」はバンド内ユニット名と聞きましたがこの名前の由来は?

夢人:ユニット活動をはじめた当初、アコースティックデュオスタイルだったのですが、その形態だったら「柑橘系の名前にあやかろう!」と(笑)

葵:みかん、オレンジと模索する中で「でこぽん」が引っ掛かりがよく、ただそれだけのお遊び感覚でしたね。バンドの楽曲は僕作詞、夢人くん作曲のものが多く、いわば作品の制作チームでもあるんですよ。そういう流れから、番組のタイトルも「スタジオでこぽん放送局」になりました。

制作は、ガチのラジオ番組制作チームで!

――Radiotalkでの番組をはじめたきっかけを教えてください。

葵:僕がかつて、新潟のFM PORT(2020年6月に閉局)で夕方の番組パーソナリティをしていて、その制作会社の方がRadiotalkの本社の担当者と繋がっていたことから、声がかかった感じですね。新潟の番組には夢人君もゲストで出たこともあるので、気心知れたメンバーで始めることができました。

夢人:ただ、番組と言ってもバンド内でのしゃべりの立ち位置そのまま、ライブMCの延長戦みたいなものですね。もちろん、作家さんやディレクターがベースを作るのですが。

葵:僕が台本を読み、夢人君が瞬発力で答える……流れは最初から出来上がってましたね。

夢人:「毎週ライブ配信を始めますよ!」って告知した瞬間は、ファンも喜んでくれましたし、僕たちにとっては嬉しいものでした。

葵:バンド単位ではいくつか番組をやってきましたが、地上波とは違う、聴きたい人しか聴けない、いい意味でクローズな空間を楽しんでいます。

――第1回、はじめて発信した時の心境は?

葵:レギュラーとしての第1回は2022年1月なのですが、試運転は2021年11月から始めていて、その時に限って言えば、けっこう手探りでしたね。CMもなく、息のつけるタイミングのない番組自体が初めての経験で。あと、最初のうちは制作会社のスタジオが出来上がる前で、オフィスの一角にマイクを立て、しかも冬なのに換気のために窓を開けて、暖房も不調という、駆け出し感溢れる環境でした。

夢人:現場では脚本家を兼ねたディレクターが一人、僕ら二人の三人チームで配信と収録に臨んでいます。

葵:僕が新潟で一緒にやってきたベテランのチーフディレクターもいるのですが、今は20代の子がメインで番組に付いてくれてるんですけど、世代が違えば笑いのツボが違うというか。トークバックも僕らの想定といちいち違って、という部分も新鮮でした。

自由奔放すぎる番組スタイルを確立

――番組のコンセプトと、実際のノリに違いがあるようですが。

葵:「熱血・爆笑・感動系トークバラエティ!」ですよね(笑)。ディレクターたちが頑なに台本に添えてくるフレーズなので、とりあえず読み上げ続けていますが、どういうつもりなの分かりません!

――現在の収録環境について教えてください。

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葵:今ではスタジオも完成し、機材もどんどん充実しているので、番組が成長している感がすごいです。

夢人:制作チームは地上波のラジオ制作も仕事としている達人ですし、ディレクターは別室のコントロールルームに。いい環境を貸してもらってますね。

葵:借りてはいるんですけど、このスタジオを使った第1号は僕らなので、勝手にホームスタジオ感覚ではいますけどね(笑)

――番組スタートまでは、時間をかけて準備したのですか?

葵:声がかかったのは2021年の9月、11月にはプレ配信を始めているので、段取りは早かったですね。番組タイトルについては1回目の直前に「なににします?」ってノリから決めてますし……全てが唐突でした!

夢人:「とにかく1時間自由にしゃべってくれ!」といった、節操のない感じでもありましたね。

――現在の配信ペースはどんな感じですか?

葵:ライブ配信は火曜夜8時から約1時間、金曜夜8時に配信するアフタートークの収録はそのあとに行っています。

夢人:ライブ配信はあえてアーカイブを残さないのですが、収録トークでその名残りを感じてもらえるはずなので、ライブ配信も絶対に楽しんでもらえるだろうと思っていました。

――アーカイブを残さない、ライブ配信はどんな内容を?

葵:フリートークもさることながら、番組専用のTwitterを活かし、お題を告知して、ハッシュタグをつけてもらったものを拾っていくスタイルが今の主流です。

夢人:台本は全体の流れとコーナー名、その概要や趣旨がざっくり書かれているものなので、僕らはそれをその場のテンションでひたすら盛り上げるのがミッション。盛り上がりすぎて、おたよりのコーナーが2週連続で飛ぶこともありました(笑)

葵:それをフォローするのがアフタートークのはずなんですけど、結局しゃべりすぎて、お蔵入りにしていることも多々あるんですね。しゃべることが好きなので、自由と言われたらとことん自由にいけるのが僕らです。

ゆくゆくはバンドの冠番組に?

――時間を決めていると、スケジュールが縛られませんか?

葵:時間もそうですし、なるべく配信に被らないスケジュール組みはしていますが、やむなくどちらかがお休みということはあります。どちらかが出られれば片方に代打を。どちらも無理なら事前収録2本立てで、前半パートと後半パートの構成で長めのトークを残していますね。

夢人:その場合、ライブ配信はお休みをいただくのですが、逆に普段生で聴けない人は、ライブ配信っぽいノリをそこで体感してもらえたらいいですね。

――バンドメンバーが番組大集結、ということはないんですか?

葵:スタジオのキャパ的には大丈夫なのですが、二人でもうるさいのでフルメンバーはまだ難しいです(笑)。ただ、「でこぽん」はバンドに曲を提案する派生ユニットなので、番組が大きくなれば番組そのものをバンドの冠番組に成長させたいなと思っています。

――毎回のトークネタはどのように準備していますか?

夢人:僕は毎週身の回りで起きた面白い話をしゃべるんですけど、それが続きすぎてディレクターが捏造を疑い始めたこともあります(笑)。僕って、変わったことが起きてしまう星の下に生まれているようです。

葵:ライブ配信直前の夢人君のエピソードに、女性がヒールでダッシュしてきて、ヒールが溝に挟まって脱げたのに走り抜け、そのままダッシュで戻ってきたっていう話があるのですが、普通は「ほんとかよ」って思うじゃないですか。ただ、その強い話が派生して、結局「なんの話だった?」まで広がっちゃったり、結局フリになってます。

ーー地上波ラジオとRadiotalkで違いを感じる部分はありますか?

葵:地上波だと不特定多数向けになるので、いい意味で無難な話題で収めてもいいのですが、わざわざ聴きに来てくれる人に対して発信するRadiotalkは、自分たちで話を決めて、ちゃんと広げないといけないという意識を強く持っています。同じ時間にライブ配信をしているラジオトーカーにコメント残してみたり、いろいろ意外な角度からの広がりを求め始めていますね。

夢人:結果、今ではコメントしてくれるようになったトーカーさんもいますし、ライブハウスなどでは出会えない人に出会える、新しい時代のツールだなと感じています。

――今までの配信で、特に印象に残っていることは?

葵:手探りでしかなかった初期の方が印象深いですね。最終的に、いろいろ自由になって今のノリがあるんですけど、なんだかんだいろいろと周囲のことを考えながらやっていたからこそなので。

夢人:僕はレギュラー前のライブ配信で、アンチコメントが来て、本来スルーするところを全力であおったことですね(笑)

葵:Radiotalkの社員さんが苦笑いしたやつ……早速悪い癖が出た瞬間ではありました。

――番組を配信するうえで、決めているルールはありますか?

葵:ルールを作らないのがルールだと思っています。バンド活動では個々のイメージを尊重しますが、二人の時はとことんルーズで、ギリギリアウトもOKなスタンスで取り組んでいます。

夢人:僕も同じです。時々、番組の進行を催促するコメントがあるんですが、「お前は仕切るんじゃねえ!」と吐き捨ててみたり。それも芸風ではあるんですけどね。

葵:バンドのファンがメインで聴いてくれているのですが、新規、そして男性ファンも増えているので、昔ではありえないノリもアリになってますね。

バンド活動にも様々な副産物が

――SNSの使い分けはどう意識していますか?

葵:個人やバンド単位でのSNSでの発信はいくつかあるのですが、二人でやってるものはRadiotalkのみです。やはり、リアルタイムに二人でやりとりをしながら声で発信できることが大きいなと。

夢人:普段文字では伝わり切らないことを言葉にできるので、ストレス解消にもなっています。実は今、火曜日が近づくのが楽しみなんです。

――Radiotalkで配信を続けて、二人やバンド本体にもたらした影響はありますか?

葵:まず、夢人君と会う頻度が増えたのは良かったなと。バンドの活動だけじゃなく、個々の活動もしているので、ツアーやリリースがないと実際は集まる機会も少ないんですよ。

夢人:作詞作曲は分担作業なのですが、バンドそのものの動きについては、細かく会っていないと出ないアイディアがあります。1時間以上話していると、ライブMCもレベルアップしている感覚もありますしね。

――忙しい中でも配信を続けるモチベーションは?

夢人:ギフトです(笑)

葵:毎週3万SCOREという目標を設定していて、おかげ様でそれを達成でき、ファンの方々の支えをより実感できていますし、番組制作費も賄えています。最近は終了10分前に目標に達成していない場合は「首の皮タイム」と題しまして、ディレクターがゴングを鳴らして「投げ銭ターイム」みたいなこともやらせていただいてます!皆さんのおかげで頑張れています。

Radiotalkは応援と期待感を実感できる場所

――今後、Radiotalkで挑戦してみたいこと。目標があれば教えてください。

葵:まずは番組ステッカーを作りたくて。ラジオ番組っぽいじゃないですか。車に貼ってあるのを見かけたら嬉しくなる。番組内で発言したら、Radiotalkの社員さんからも「やりましょう」メッセージが届いたので、読み上げて既成事実を作って、戻れなくしてみました!

夢人:あと、ディレクターが目をキラキラさせて「お酒飲みながら泥酔してやりたいね!」と言ってましたね(笑)

――Radiotalkを聴いてくれるリスナーは、二人にとってどんな存在ですか?

葵:感覚でしゃべっているので、バンドでも見せていない自分たちを見せられているんじゃないかなと。そして、番組を盛り上げてくださってる人たちがいるからこそ、バンドに戻ったときにトークの組み立てがうまくなった実感も味わえてますので。もう、感謝しかないですね。

夢人:アプリもわざわざダウンロードしてくれて、毎週聴いてくれて、コメントにも愛情を感じています。自己顕示欲が満たされることで、ミュージシャンとしてのモチベも保ててますので、これからもよろしくお願いします。

――Radiotalkは二人にとってどんな場所?

葵:自分が発した声からリアルタイムな会話が広がる、そして気心知れたおしゃべりができる環境ですね。これから、バンド自体も活動を活発化させていくのですが、ここでしか出会えない人にもどんどん巡り合っていきたい。そしていつか、ライブ会場で集合したいですね。

夢人:実はもう、アプリ内で自分の番組を立ち上げて楽しんじゃってるんですよね。魅力のあるコンテンツとしてホットなので、これからもRadiotalkは続けていきたいな。お気に入りの場所です!

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