zoom研究会を企画した話

zoom研究会を企画して世話人としてオーガナイズに奔走してみたのでその備忘録を書いておこうと思います.

昨年の10月頃,完全なる思いつきで有志数名と一緒に立ち上げたslackベースの植物マイクロバイオータ研究コミュニティがありまして,立ち上げから半年なんですが現在三十与名のメンバーでかなりアクティブにいろんな話をできていて楽しんでいます.今回Covid-19で学会が軒並み中止になったことを受けて,代替としてこのslackメンバーでオンライン研究会を開催できないかと提案したのが2月末.そこからあれよあれよと話が進み,有志数人が世話人として一ヶ月半ほど準備をしてきました.言い出しっぺとして筆頭に立ってオーガナイズに奔走してまいりました.最終的に9演題,瞬間最高22名の参加があり,実に盛会であったという手応えのもと完了することができました.ひとえに参加者の皆さんのおかげであります.

やったこと

1) Doodleで日程の設定 (〆3/17)
普段からこういう日程調整はdoodleでやってます.日本ではまだあまり普及してないというような話を聞きましたがどうなんでしょう.とても便利で気に入ってます.今回は対象が三十幾名だったのでなるべく全員からの希望を吸い上げるように頑張りました.もう少し人数が増えてきたら世話人のほうでエイヤッと決めないといけなくなってくるかもなぁというところ.

2) 改めて参加登録・演題登録 (〆3/31)
プログラムを作るため,およびdoodleには投票しなかったけど参加はするかもしれないひとを吸い上げるために,改めて参加・演題登録をお願いしました.発表希望の際はタイトルと発表者を必須とし,要旨は任意(中止になった学会の使い回し可)としました.要旨まで必須にすると腰が重くなって発表が減ってしまうかなと思ったので.結果9演題を含む19名の参加をいただきました.

3) プログラム作成 (4/7に完成)
今回は参加者の多くは日本からでしたが中国・ドイツ・アメリカ西海岸からの参加者もおり,時差の都合上,時間は日本時間15時スタートの一択だったのでマックス3時間程度と考えました.逆算して1演題20分としてプログラムを作成しました.5演題+4演題にわけ,5分間の休憩を挟む形で.

4) 開催(4/20)
予想通り参加登録されてないかたも参加してくださり,最終的に20名以上の方がコンスタントに入室してる状態でした.

当日の様子

フォーマットとしては座長をおいて,15分発表5分質疑応答を目安としました.チャットルームでの質問垂れ流しと挙手機能でのディスカッションを併用しました.最初はフワフワしたなかでしたが,徐々にみんなノリがつかめてきて,基本的には挙手での質問がメインになり,時間がなくてまわらなかった質問をチャットルームに流して随時返答してもらうような形に自然となっていきました.とてもよかったと思います.

終了後はチャットルームを開放してそのまま懇親会となりました.懇親会では基本的に全員アンミュートして好きに話すような形になりました.ディスカッションの続きをどうぞ,なんてアナウンスをしてはいましたが結局はコロナがどう,あのポジションがどう,誰がどう,といった「いつもの」話題をいつも通り話す感じで緩やかでした.

反省点

まずもって時間を大幅に超過しました.3時間ちょっとの予定のところ,がっつり4時間半かかりました(平均して各演題20分予定が30分かかった感じ).スクリーンシェアの切り替えが結構戸惑うことが多くて,そこでのタイムロスが結構バカにならない感じがありました.これは今後zoomミーティングが一般化していくことで経験と共に改善されていくものなのかなと思います.とはいえ,今後zoomに変わる新しいプラットフォームがでたらまた同じことの繰り返しですし,演題と演題の間に少しバッファーの時間を入れておいた方がタイムマネジメントとしては良策なのかな,という気がしました.それから質疑応答がやっぱりリアルに会ってる時とくらべて少し効率が落ちます.ミュートを解除するまでの時間だったり,音のタイムラグだったり,諸々と.そういう意味で,普段の発表会等に比べて質疑応答の時間を長めに取っておいた方がいいのかなという気もしています.

もう一点は,まだ解決策がどこか自分でもわかっていないのですが,発表にしろ懇親会にしろどうしても声の大きい人と顔のでかいひとの会話をその他の人が聞いている,という形になってしまいます.普段の飲み会でもそれはそうなんですが,一会場で複数の会話が飛び交う飲み会と違い基本的に会話のラインは一本のみなので声の小さい人を汲み上げる意識がより求められるなと感じました.下にも書きましたが懇親会の始まったところで一時退席しなければならなかったので,本来であればそのタイミングで残ってくれた人のなかで誰と誰が初めましてで,みたいな確認をしつつ適宜自己紹介をする時間をとればよかったなと感じています.比較的異分野横断型のコミュニティとして走っているので,今回のような交流の機会を逸してしまったのはかなり大ミスだなと感じています.

極めて個人的なことですが,オーガナイズに必死になって自分も演者であることを完全に忘れていたというのが一番の反省点です.おかげで当日未明の午前1時半からスライドを準備する羽目になりました(中央ヨーロッパ夏時間で研究会は朝8時スタートでした).久しぶりに毛穴から汗が吹き出す感覚を味わいました.アホみたいな話ですが,けっこう世話人・オーガナイザーあるあるではないでしょうか.みなさんお気をつけください.

雑感

zoom研究会の良いところはミュートだ,と思いました.基本的にミュートなので自分が発表する時間以外は周囲にどんな雑音があっても問題になりません.普段の少人数でのzoomミーティングだと子供たちに静かにするように言わないといけないところ,気にせず活動していていいよ,と声をかけれたのは家庭のストレス的にかなりポイント高いです.

途中退席が迷惑じゃないというのも大きいですね.トイレに行くとかコーヒーを汲みにいくとかもそうですが,きょうだい喧嘩が勃発した際に嫁さんのヘルプにはいれるとか,水を飲みたいと擦り寄ってくる子どもの対応とかが気軽にできるのは大きかったです.

上記2点と同じことですが,懇親会モードに入った時,僕自身は家族の昼食の用意などがあったのですぐに退席をして,という形になってしまったのですが,その際こちらをミュートにして音をスピーカーに出しておけば,近くで家族と昼食をとりながら懇親会の話に耳を傾け情報収集をすることができました.食後改めてカメラ前に戻って再度参加しました.

zoomのテクニカルな部分ですが,今日は珍しく国の間による「時差」を感じました.普段のミーティングだとあんまり感じないんですが.それから座長をする上でのtipsですが,マルチディスプレイであれば,片方に発表者のスライドを写し,もう片方に参加者のギャラリービューとチャットルームと参加者リスト(挙手機能のため)を同時に並べて表示しておくのが便利です.なぜかはわかりませんが,発表中はビデオをオフにして,質疑応答の時間はビデオをオンにする参加者の方々が一定数いらっしゃったのが興味深かったです.もちろんつけっぱなしの人と消しっぱなしの人もたくさんいらっしゃいました.

結論

「zoom研究会、控えめに言ってサイコーじゃん」です.

まだまだ色々と改善点があり,世話人の間でも議論しつつ,現在集計中のフォローアップアンケートの結果等も踏まえて修正していこうと思ってはいますが,世界中にいる研究者が一同に介して話す.しかも学会の縛りから開放されて「植物マイクロバイオータ」という共通の興味だけでつながってるので視線の多様性が広い.ある程度のクローズ感を担保しているのでかなりフランクな会話やギリギリの議論なんかも深めることができるし.コロナ等に関係なく,ここでしかできない議論ができたと思うので,これは継続して定期的に開催していこうと思っています.

なんか思い出したら追記していこうと思います.今日はとりあえずやったこと感じたことの備忘録と,この楽しかった感情を記録に残すという意味で記事を書きました.最後に待機時間中に表示してたスライドを貼り付けて終わりにします.自分が演者であることに気づく直前の部屋着丸出しのアホヅラです.(発表中はこれがお勧め,とありますが発表中にもギャラリービューが可能なのは当日開始後に知りました)

植物微生物叢相互作用オンライン研究会-注意事項



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