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ラブ、デス&ロボット シーズン1から3まで鑑賞(タイトル一覧および軽いネタバレあり)

ネットフリックスオリジナルのオムニバスアニメシリーズ、
ラブ、デス&ロボット ( Love, Death & Robots)を、
シーズン1から3まで鑑賞しました。

振り返りとして、
個人的な点数を100点満点でつけてみました。

あくまで個人的な点数なので、「どれから見ようかな?」と思ったときの参考くらいにしてください。

また、オチを割るような「ドネタバレ」は書かないようにしますが、内容には触れますので、ネタバレを読みたくない方は、本編鑑賞後にお読みください。

はじめに余談として書きたいことは、

シーズン1の配信順序が、
配信当時と2023/4現在とでは変わっていることです。

配信当時 2019/3 は、
1話ソニーの切り札→2話ロボットトリオ→3目撃者
で、最後が、
16話氷河時代→17話歴史改変→18話秘密戦争
でした。(その間も変わっています)

その理由として思うところはいくつかあって、

ロボットトリオはシーズン3で続編をやっているので、
「ラブデスシリーズの看板」として、第一話にふさわしいと思ったからでは?

初期に一本目だった「ソニーの切り札」は、
2019年2月日米公開の、
銃夢のアニメ化「アリータ バトルエンジェル」のある部分とビジュアルや
展開がかぶりすぎなので、初期はあえて一話にもってきて、
現在は、さすがにまるかぶりだよな、ということで下の方に下げたのでは?

あたりです。

個人的には、現在の並び順のほうがよいと思います。

のちほど点数を書くのですが、新鮮味に乏しい「秘密戦争」よりも、傑作の
「ジーマブルー」で締めたほうが、順番に見たときの鑑賞後の印象が良いからです。

では個人的な点数とコメント行きます。

★をつけた作品が個人的にオススメの作品となります。
なお、数を数えずに上から順番に傑作と思った作品に★をつけていったら、結果的に10作品になりました。

シーズン1

★ロボット・トリオ

90点
ユーモアSF 終末後の平和な光景

圧倒的な画質表現で、シリーズの質の高さを知らしめる名エピソード
さすがのジョン・スコルジー原作 (老人と宇宙で著名なSF作家)

★わし座領域のかなた

95点
ハードSF 超知性とのコンタクトもの

傑作。
緻密な宇宙表現に加えて、セクシー表現とホラー表現を両立させ、映像表現としても秀逸。

私は未読ですが、ハヤカワから数冊邦訳を出しているアレステア・レナルズ原作。
ストーリーもバッチリ。

ほんわかブラックユーモアムードのロボットトリオからの流れも良いです。

この2作を続けてみて、どちらもダメな人は、おそらくこのシリーズは合わないと思います。

氷河時代

ユーモアSF 一般人が巻き込まれる系

60点
ストーリーは古臭く、映像もゲームのムービーみたい。

とある「放射能」絡みのシーンで、日焼け程度の描写になっていたのが、いつの時代の映像作品か、という感じ。アニメ絵なら、仕方ないかと思うのですがね。

ソニーの切り札

サイバーパンクSF バトルもの

75点
はじめに書いたように、銃夢(アリータバトルエンジェル)のあるエピソードに似ています。

映像はゲームのムービー風

別にパクリとかそういうのではなく、サイバーパンクもののSFでは、よくあるパターンなのです。
オチはそこそこ。映画一本をこのオチで引っ張られるときついですが、短編なのでOK

秘密戦争

近現代もの 戦闘種族との絶望的な戦い 職業軍人もの

80点

映像はゲームのムービー風

傑出した数作品を除くと、ラブデスシリーズはこのへんの「ソニーの切り札」「秘密戦争」程度が、スタンダードな出来です。

魂をむさぼる魔物

近現代もの 戦闘種族との絶望的な戦い 傭兵と博士もの
アメコミアニメ絵

70点

★目撃者

映像表現全振り 近現代もの 巻き込まれた一般人もの
独自のルック

90点

ストーリーは大したことはない。でも映像表現で魅せる

スーツ

近未来もの 戦闘種族との絶望的な戦い 巻き込まれた一般人

ディズニーあたりの3Dアニメ風

75点

★グッド・ハンティング

スチームパンクもの 異種族疑似恋愛

中国アニメのルック

95点

傑作
ケンリュウの原作が素晴らしい。
前半はファンタジー、中盤以降にスチームパンクになる映像表現も素晴らしい。

ゴミ捨て場

近未来もの 怪物に襲われる系

ディズニーあたりの3Dアニメ風

70点

シェイプ・シフター

近未来もの 遺伝子改変SF  職業軍人もの
ビデオゲームムービー風

80点 

ストーリーも設定もありがちだが、バトル描写は見事

フィッシュ・ナイト

近現代もの ファンタジー系
アメリカのアニメ絵

60点

ヨーグルトの世界征服

ユーモアSF 超知性とのコンタクトもの
ディズニーあたりの3Dアニメ風

60点

ジョン・スコルジー原作なので、たぶん原作はいろいろと面白い設定の描写があるのだろうけど、映像作品としては普通

★救いの手

近未来もの 宇宙での孤独なサバイバル

85点

映画ゼログラビティなど、(ありがちなモンスター相手以外の)宇宙での孤独なサバイバルはちゃんと作れば良作になりやすいが、これも素晴らしい

歴史改変

ユーモアSF
ディズニーあたりの3Dアニメ風

65点 

ジョン・スコルジー原作
気楽に楽しめる小品

ラッキー・サーティーン

近未来もの 宇宙でのバトルもの  職業軍人もの
ビデオゲームムービー風

75点

つくりとしてはありがちだが、ストーリーが骨太でしっかりしている

ブラインド・スポット

近未来 サイバーパンク 傭兵の困難なミッションもの

80点

2023年の今みると「サイバーパンク エッジランナーズ」そのまんまだけど、
こちらのほうが先。

エッジランナーズは、これをたたき台として作ったのではないだろうか。
そしてエッジランナーズのほうが、ストーリーも映像も優れている

★ジーマ・ブルー

近未来 超知性とのコンタクトもの 

アメリカのアニメ絵

95点

この傑作もアレステア・レナルズ原作。アレステア・レナルズの2作が、シーズン1の評価を大いに高めている

シーズン2

★1 自動カスタマーサービス

ユーモアSF 壊れた機械に襲われる系
ディズニーあたりの3Dアニメ風

85点

2 氷

身体能力が改造で上がった青年たち 通過儀礼もの
アメリカのアニメ絵

70点

3 ポップ隊

近未来もの 人でなし仕事は辛いよ系
ビデオゲームムービー風

65点

ストーリーは、ありきたりだがちゃんとしているのに、ビデオゲーム風のルックが足を引っ張った

4 荒野のスノー

近未来もの 追われるならず者系
ビデオゲームムービー風

70点

5 草むらに潜むもの

近現代もの 巻き込まれた一般人
人間は油絵風で、独自性あり

60点

緊急事態にタバコを吸いに行って、勝手に危機に陥る主人公には、同情できない
評価できるのは油絵風のルックのみ

6 聖夜の来客

現代もの 巻き込まれた一般人 モンスターもの
ディズニー3Dアニメ風

60点

7 避難シェルター

職業軍人もの 壊れた機械に襲われる系
ビデオゲームムービー風

50点

設定および展開が同じシーズンの「自動カスタマーサービス」とかぶりすぎ。
せめてルックに独自性があればよかった

一応職業軍人ものは、シーズン2ではこれのみか? といっても、割りと素人味をのこした軍人なので、キャラはかぶる。

8 おぼれた巨人

現代もの 巻き込まれた一般人 モンスターもの
ビデオゲームムービー風

65点

静かな展開は、ラブデスシリーズでは異色

シーズン3

★1 ロボット・トリオ 出口戦略

90点
ユーモアSF 終末後の平和な光景
緻密な3DCG

正統派続編

2 最悪な航海

近代もの クトゥルフもの 船でのサバイバル
独自性あるルック

85点

絵柄が傑作映画「ウオッチメン」究極版に入っている「船乗りの物語」っぽい気がした

3 死者の声

宇宙での孤独なサバイバル 超知性とのコンタクトもの 
アメリカのアニメ絵

80点

4 小さな黙示録

映像表現全振り 歴史ダイジェスト系
ミニチュア パペットモーション風

75点

箸休め的な小品

5 絶体絶命部隊

近未来もの 戦闘種族との絶望的な戦い 職業軍人もの
アメリカのアニメ絵

65点

★6 巣

宇宙での孤独なサバイバル 超知性とのコンタクトもの 
緻密な3DCG
90点 (個人的思い入れとしては95点 OVER )

ブルース・スターリングの伝説的サイバーパンク短編の映像化

短編を読んでいたときに「この文章で書いてあることってどういうことなんだろう?」
と思っていたことが、ちゃんと映像化されていて感慨深い。

宇宙表現も素晴らしい

ちなみに、映像中では語られていないが、原作準拠だと、
主人公たちは遺伝子改造をほどこした、現行人類のアップグレードバージョンになる。

そのことを知らないと
「異様にスタイルが良い」「異様に身体能力が高い」「別人なのにめっちゃ似てる」
ことに違和感を持つ人がいるかもしれない

★7 メイソンとネズミ

ユーモアSF 風刺としての職業軍人もの
ディズニー3Dアニメ風

85点

本シリーズのディズニー3Dアニメ風の作品では、一番良い気がする

8 地下に眠りしもの

近未来もの クトゥルフもの 地下神殿でのサバイバル
緻密な3DCG

85点

「この手の怪物、また見たよ」となるかもしれないけど、本シリーズの似たパターンの作品と比較しても、映像表現はグレードアップ。
映像作品なんだから、それで良いのである。

ストーリーはクトゥルフものの定番パターンの一つ。

★9 彼女の声

映像表現全振り 中世風の異星
とんでもなく緻密な3DCG

90点

ストーリーは超能力をもつモンスター(本作だと"妖精"や"精霊"が近いか)とのバトルもので、みたことあるといえばあるんだけど、この映像表現は見たことがないはず。

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