進撃の巨人 最終回考察 (単行本32巻時点でのネタバレが含まれます)
進撃の巨人は、初期の時点では「20巻くらいで終わる」構想だったそうです。
もしそうなっていた場合の物語の落とし所は、22巻のエンディングになるでしょう。
ここをもうちょっと終わりらしく「希望度高め」で演出していれば、22巻最後の海を見るシーンで終了としていても、特におかしくはありません。
そういう終わり方をしているマンガはたくさんあります。
たとえば映画でも「無印マトリックス」などはそのようなイメージですし、その終わり方であっても世間一般に「名作」と認識されていたと思います。
ところが実際には、「第二部」と呼んでもおかしくない、その後 23巻(91話)からの「マーレ編」で、物語はさらに進化・深化し、どんどんおもしろくなってゆきました。
9月9日発売の「32巻」までの情報での、私なりの最終回の考察を残しておこうと思います。
32巻 (第130話 人類の夜明け)以降の話は読んでいませんが、雑誌連載で「ある主要キャラクターの死」が描かれたことは知っていますので、その点だけは前提情報として加わっています。
(以下の考察でも、「誰が死んだ」かは書きませんので、単行本化されていない話のネタバレが嫌な方もご安心ください。また、下記考察において、そもそも「誰が死んだか」は大きな影響はありません)
原作漫画以外の、最終回に関する前提情報
前提情報その1.
情熱大陸において、最終回のいちシーンとして公開された
男性が赤子を抱いて「お前は自由だ」と伝えているラフ絵
前提情報その2.
進撃の巨人展 FINAL で、最終回 (別情報によるとクライマックスの流れ)の音声として公開された
移動する音、
砲撃の音、
立体機動装置の起動音、
アルミンらしき男性が「エレーン」と呼ぶ
波の音
最終回予想
始祖の巨人の能力を得たエレン・イエーガーには、未来が断片的に見えている設定があります。
これと、自由を信奉するエレン・イエーガーの性格や、ここまでのストーリーを合わせると「エレン自身が納得できる、美しい光景を未来視した」からこそ、地ならしに踏み切った、と考えられます。
これらを合わせて、最終回の展開として推測するのは以下です。
エレンは地ならしを強行する (確定済み)
↓
ミカサやアルミンなどが、エレンの判断に抵抗を見せる (抵抗中、どこまで効果があるかは未確定)
↓
マーレ国を殲滅させ、少数の共同体のみを残すところで、エレンは地ならしを終了させる
(両者の間のどこで終了するかは、その時どきの作者のさじ加減、ミカサアルミンの抵抗と説得次第)
↓
エレンは、始祖の巨人の能力を使って、
「自分の能力も含めた、巨人化の能力を、この世から消し去る」
↓
巨人化の能力を応用してつくられた、アッカーマン家などの特殊能力も、消滅する
↓
最後に、巨人化の能力を消し去った後に生まれた、エルディア(ユミル)の赤子に対して、
「お前は自由だ」
↓
この時点で、誰にも巨人化の能力は無く、また巨人化にたいして何らかの洗脳を受けた人類は、存在しない。(= エレンが未来視した、エレンなりに納得の行く光景)
逆の方向から言えば、洗脳を受けた人類が消滅するまでは、地ならしを続ける、ということです。
そして、洗脳されていないか、洗脳が完全に解けているミカサやアルミンと仲間たちは (能力面以外においては) 消滅させる対象ではない = 彼らは生き残る。
できれば、巨人化対策として進化を遂げた武器類も消滅させたいところです。
また、104期生ユミルが50年くらい?「無垢の巨人」の中にいてから、9つの力の巨人を食べたことで人間体に戻れたように、巨人の力を消滅させた時点で生き残っている「巨人の中の人」も、人間体に戻るかもしれません。彼らの記憶は、改ざんすればいい。(始祖の巨人のチート能力よ !)
要は、巨人化の痕跡を全部「地ならし&始祖巨人の管理者能力」で消し去って、巨人化から自由な人類の共同体を残したい、のだと思います。
事前に公開された「赤子を抱いている男性」の「赤子」は、巨人化能力を失い、大地の悪魔との契約からも解き放たれた始祖ユミルの転生。男性は、エレンが有力ですが、誰でもいいです。
実際の生物学的な父親も、誰でもいい。転生なので、「処女懐妊」でもオーケーです。ただ、母親は王家の血がヒストリアにしか残っていない以上、ヒストリアが有力でしょう。
実際のエンディングがどうなるかはともかくとして、一読者としては上記のように考えています。
追記
でもこれ、行き着くところはジークの安楽死計画と似たようなものなんですよね。死ぬのがどっちか、というところが違うだけで。
終わり
追記
33巻発売後にアップデートした考察note を下記にアップしています。
このnoteの後の展開に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
なお、下記noteは「単行本33巻」と「次話135話」時点でのネタバレを含んでいます。
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