進撃の巨人　最終回考察 (2021年1月発売の「単行本33巻」と「次話135話」時点でのネタバレが含まれます)

32巻時点での最終回考察は下記です。

上記から約半年後に、33巻が発売され、ストーリーのラストスパートとしてかなりの進展がありました。

以下は33巻までと135話「天と地の戦い」のネタバレを含みますので、未読の方はご注意ください。

また、私自身はマガポケで、最新話136話「心臓を捧げよ」まで読んでいますが、136話「心臓を捧げよ」の内容は、含みません。

では最終回考察アップデートをはじめます。

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なぜ「33巻まで」ではなく、135話「天と地の戦い」までとしたかというと、この135話に、下記考察に必要な、非常に重要なパーツが出てきたからです。

現在、ラスボスである「エレン・イェーガー＆始祖の巨人 (以下エレン巨人)」と、ファンの間では「エレンストッパーズ」と呼ばれるアルミンやミカサなど調査兵団メンバーが、激しいラストバトルを繰り広げています。

その中で、エレン巨人に紐付けられた「歴代9つの巨人」が、エレンストッパーズの邪魔をしまくる描写があります。というか、それが延々と続いています。

この135話で「歴代9つの巨人」が出てきたこと、が最終話考察のための重要パーツです。

先の32巻時点で「エレンは、巨人の力をこの世から消そうとしている」と考察しましたが、それは今でも変わっていません。136話時点でも変わっていません。

重要なのは、この歴代9つの巨人を出すこと(出し切ること)、が、「巨人の力をこの世から消す」ために必要ということです。

歴代9つの巨人を出しきらなければ、過去の継承者たちが、巨人の記憶に囚われたままになるのではないでしょうか。それでは「巨人の力をこの世から消す」が実現されません。

「巨人の力をこの世から消す」目的のためには、地ならしとして壁の中の巨人を使い切ることが必要であったし、過去の継承者の呪縛をとくためには歴代9つの巨人を出し尽くすことが必要だった。

そしてその上で、エレンストッパーズに、エレン自らの心臓を捧げる。
その後に生まれる子どもたちに「お前は自由だ」。

そう考えると、ここまでの超絶展開にも筋が通ります。

以下は雑談気味になりますが、こういう展開は昭和のSFマンガや、平成のゲームには、結構ありがちなものでした。

例えばこういうもの。

主人公は地方の村で育った少年。
その国の王は、残虐を極める、極悪な王であった。
少年は仲間たちと立ち上がる。極悪な王を倒すために。

実は、その少年は、王の血を引く王子であった。
王は、真に民のことを思っていたのだが、心の弱さを悪魔に付け込まれて、変貌してしまったのだった。
王の真心はこうだった。
「私は心が弱く、悪魔に支配された。どうせ討たれるのであれば、我が子に討たれたい。その際に、我が子と仲間たちが悪魔軍団を一掃するよう、あえて悪魔軍団全軍とぶつからせるようにしよう」

冷静に全体像を見ると、結構むちゃくちゃな話なんですが、その場その場で見せ場をつくるためには、こういう手もあった、ということです。今でもあるかもしれませんね。

進撃の巨人は、少年漫画の王道パターンを結構はずして進めてきたと思いますが、この135話の「歴代巨人」では王道中の王道に回帰しています。

この予想が当たるか外れるか、どちらにしても4月の完結が楽しみです。

以下、太字部分は32巻時点での考察の再掲載です。

エレンは地ならしを強行する (確定済み)
↓
ミカサやアルミンなどが、エレンの判断に抵抗を見せる (抵抗中、どこまで効果があるかは未確定)
↓
マーレ国を殲滅させ、少数の共同体のみを残すところで、エレンは地ならしを終了させる
(両者の間のどこで終了するかは、その時どきの作者のさじ加減、ミカサアルミンの抵抗と説得次第)
↓
エレンは、始祖の巨人の能力を使って、
「自分の能力も含めた、巨人化の能力を、この世から消し去る」
↓
巨人化の能力を応用してつくられた、アッカーマン家などの特殊能力も、消滅する
↓
最後に、巨人化の能力を消し去った後に生まれた、エルディア(ユミル)の赤子に対して、
「お前は自由だ」
↓
この時点で、誰にも巨人化の能力は無く、また巨人化にたいして何らかの洗脳を受けた人類は、存在しない。(= エレンが未来視した、エレンなりに納得の行く光景)
逆の方向から言えば、洗脳を受けた人類が消滅するまでは、地ならしを続ける、ということです。
そして、洗脳されていないか、洗脳が完全に解けているミカサやアルミンと仲間たちは (能力面以外においては) 消滅させる対象ではない = 彼らは生き残る。
できれば、巨人化対策として進化を遂げた武器類も消滅させたいところです。
【中略】
要は、巨人化の痕跡を全部「地ならし＆始祖巨人の管理者能力」で消し去って、巨人化から自由共同体を残したい、のだと思います。な人類の共同体を残したい、のだと思います。

おわり

追記

ユーチューブの考察動画はいくつか見ていますが、上記内容に触れた動画は知りません。ですので、考察動画のパクリではありません。

ちなみにユーチューブ動画からみで、これは思いつかなかったと舌を巻いたのば、岡田斗司夫さんで、(有料配信部分ですが)「進撃の巨人」は永井豪の「手天童子」の「未来が過去に影響を与える」パターンではないか、と、早期に指摘していたことです。
これを応用して「(他の巨人は記憶を後の後継者に渡せるだけだが) 進撃の巨人のみが、記憶をさかのぼって過去に影響を与えることができる」と、私自身は捉えています。ちなみに手天童子は読んだことはありません (電子書籍で再発されれば読みたいのですが)。