シン仮面ライダー TV版ライダーはあまり見ないが石ノ森漫画大好きな人の観想
この記事は、記事途中から映画「シン仮面ライダー」のネタバレを含みます。
未見の方は「ここからネタバレを含みます」の注意書きより下の部分は、鑑賞後にお読みください。
なお、ヘッダーの画像は「シン仮面ライダー公式サイト」からの引用です。
この映画に対する私自身の結論はと言うと、傑作とは言わないまでも、シンウルトラマンよりは楽しめたのでOK、という感じです。
逆に言えば
「シンウルトラマンと同じタイプの作品で、評価としてはそんなに変わらない」
ので、配信などでシンウルトラマンを見て「この程度なら映画館で見なくても良いな」と思った人は、無理して映画館で見なくても良いとは思います。
シンウルトラマン最高! 映画館で見て良かった! と思う人は、もちろん映画館で見るべきです。
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私自身の立ち位置
仮面ライダーのリアルタイム体験は、スーパーワンです。
ちなみにスーパーワン前後の放映年は、
1975年ストロンガー
1981年スーパーワン
(ちなみに、ギャバンなどの宇宙刑事シリーズは、この間の 1982-1985)
1988年ブラック
と、数年開いているので、ファーストコンタクトした仮面ライダーで、世代が結構分かれます。
子供の頃の5年とか6年とかの差は、すごく大きいですから。
とはいえ、スーパーワンが始まる前も、
購入していた「小学館の学習雑誌」で、仮面ライダー特集が掲載されていたはずですし、
地方テレビ局による再放送も行われていたので、スーパーワンがはじまる前も
知ってはいました。
ちなみに2001年のアギト以降は、ほぼ毎年シリーズ放映されています。
そういう世代ですが、タイトルに書いているように
私自身はTV版ライダーはあまり見たことがないけれど、漫画版は好きな人です。
また、映画版リブートの仮面ライダーネクストや、真仮面ライダーは見ています。配信ではなく、レンタルビデオやレンタルdvdですが。
漫画は、石ノ森ヒーローの代表作はかなり読んでいるはずです。
009は生涯のベストマンガの一つだし、スカルマン、ロボット刑事K、もちろんオリジナル仮面ライダー、仮面ライダーブラックも読んでいます。
幻魔大戦シリーズが、石ノ森氏の死後20年過ぎて、漫画版でちゃんと終わったことには、心から拍手を送りました。
まとめると、私は
「仮面ライダーシリーズはそんなに好きじゃないけど、石ノ森マンガはずっと大好き」な人です
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自分の立ち位置説明を終えたところで、
私は本作がどのような作品と捉えているかというと。
・動く辞典 兼 プロモーションムービー
です。
いわゆる一般的な映画、たとえば近年の代表作だとトップガンマーベリックのような、一つの物語を2時間~3時間かけて語る映像作品では無い、と思います。
その意味で、本作はシンウルトラマンと同じカテゴリーの作品ですが、
私はシンウルトラマンより好きです。
それはおそらく、石ノ森漫画版の仮面ライダーを読んでおり、そのオマージュシーンに「おおおー!」となったからでしょう。
あとはこれも漫画ですが、「仮面ライダースピリッツ」は初期は、熱心な読者でした。途中から離れてしまいましたが。
ちなみに二号ライダーを演じた佐々木剛氏が主演した、改造人間哀歌THE MOVIEのイベントは、見に行きました。仮面ライダースピリッツ作者の村枝さんがゲストの回。
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ではお約束ですが、
「ここからネタバレを含みます」
「ここからネタバレを含みます」
「ここからネタバレを含みます」
「ここからネタバレを含みます」
「ここからネタバレを含みます」
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ネタバレあり編スタート
不満点
中盤のCGがドラゴンボール
CGのクオリティの低さは、まぁいいでしょう。マニアが「原作リスペクトだっ!」と評価する部分なのかもしれないし。
しかし、ストーリー上の問題はおかしい。
2人の仮面ライダーが、あんなに早く動けるのなら、なぜショッカーのアジト内では、一般人間レベルでしか動けなかったのか。
(「風がないから」とか「ショッカー幹部のブラーナのせい」とかなんだろうと、推測はつく)
アクションが、カットを割りすぎてしょぼい
(本作を見てから、TV版仮面ライダー第一話を見ましたが、TV版のアクションはとても良かった)
ショッカーアジトへの出入りがあまりにも簡単
(映画の尺としてカットしているのはわかるが、それでもあんまりだ)
全体的に、
「"劇場用映画としてはおかしい" 部分を "初代オマージュだからこの程度でいいでしょ?"と誤魔化している」
のが不満点。
普通に期待するのは、「初代で惜しかった部分を、現代的に・劇場用にアップデートする」ことだと思う。
たとえば「初代機動戦士ガンダム」に対する「ガンダムオリジン」のように。
たとえば、the orign では、ルナツー司令であるワッケイン"少佐"は、"少将"に昇進している。非常に重要な戦略拠点の責任者なのだから、役職としてはもちろん「将」がふさわしい。
シンウルトラマンでも見られた、
普通に映画を見たときに感じる、ごく真っ当な批判を、
マニアたちが「オマージュだからこれでいいんだ ! ニワカだからわからないだけ!」
と、変な方向からバカにした態度をとるのは、おかしな光景だと思う。
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良いところ
これは不満点の裏返しです。
不満点では、
「"劇場用映画としてはおかしい" 部分を "初代オマージュだからこの程度でいいでしょ?"と誤魔化している」
ところに不満を感じていた、と書きました。
それとは逆に
「現代的に・劇場用にアップデート」できていた部分は、もちろん満足度が高いです。
ラストシーンの一本道を走り抜ける絵作り。
怪人たちのデザインやマスクのアップデート。
オリジナルTVシリーズの魅力の一つだった、観光地巡りのような風光明媚な風景。
役者陣の基本的な演技
これらは良かった。
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冷静に見ると、良くも無く悪くもないけど、ついついテンションが上ってしまった部分
そりゃあ
「お見せしよう !」
ですよ。
あまりTV版をみていない私でも、それが分かる程度には、初期のTV版を知ってはいます。
漫画版仮面ライダーリスペクトの部分
石ノ森ヒーローワールドリスペクトの部分 (ロボット刑事K~キカイダー)
これは良し悪しの問題ではなく、脊髄反射です。
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いまいちだった部分
ルリ子にフォーカスされすぎていた。
最後の遺言の部分は、あんなに尺を取らずに、ぽんぽんとまとめてほしかった。
とはいえ岡田斗司夫さんも指摘していたけど、
「まあ極論、映画って女優を魅力的に撮れればそれでOKでしょ」
の通り、OKな部分ではあります。
キャラクターの配置がエヴァンゲリオン過ぎた
ルリ子は、アスカ足す綾波割る2。
結局家族げんかかい !
(エブエブもそうですが)
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ということで、絶賛でもアンチでもない中途半端な感想になりました。
自分としては岡田斗司夫さん風に評点をつけるなら、
シン・ゴジラ 85点
シン・エヴァンゲリオン 85点
シン仮面ライダー 80点
シンウルトラマン 75点
でした。
シンウルトラマンも、映画館で見て損したとは思っていないし、
本作も、映画館で見て損したとは思っていません。
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最後に。
クリストファーノーランのバットマン三部作と比べたら、いまいちだなぁ。
と思っていた映画「ザ・バットマン」
シン仮面ライダーを見たあとだと、「ものすごい良い映画だった!」と、私の中で評価が上がりまくっています。
ということで、誠実にリブートした孤独なヒーローキャラクターの映画が見たければ、「ザ・バットマン」を観てください!
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