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○○Pay議論が噛み合わない理由

QR決済を中心にまだまだ騒がしいスマホ決済関連。

普及する派と普及しない派がそれぞれ好き勝手に意見を述べているのだが、決定的に議論が噛み合っていない気がするのは僕だけだろうか。
それは、まずもって【論点がバラバラ】だからである。

基本的な主張はこんな感じだ。

普及する派:QRは導入コストが安いからいいんだよ!中国の屋台見てみろよ!使える店が多くなれば普及するよ!

普及しない派:アプリ開くのめんどくさい!かざすだけのFelicaの体験から退化してるじゃないか!あんな使いづらいもん普及しないよ!

おわかりだろうか?
主張によって【普及する】という言葉のかかる先が違うのだ。

普及する派は、[店舗]が広がるから普及すると言っているし、普及しない派は[ユーザー]にとって不便だから普及しないと言っているわけです。

つまりこの議論の正体は、普及店舗 VS UXの戦いなのです

スマホ決済、一長一短

スマホ決済を3つに分けると下記の通りになる。
コード決済、FeliCa(プリペイド)、FeliCa(ポストペイ)の3つだ。
そして、それぞれの代表的なプレーヤーは、PayPay or LINEPay、Suica、iD or QUIC Payなどだろう

実利用時のUX面では、チャージ不要でかざすだけのiD,QUICpayが際立つ。
ただし、この2つはクレジットカード会社発祥なこともあり、システムが硬くて口座開設フローが煩雑で、利用開始時に【アクセスコード】を取得するのに時間がかかるなど気軽に始めるのが面倒というデメリットがある。

逆に、開始の手軽さという意味ではSuicaはApple payなどの対応もあり比較的簡単に開始出来るのが強みである。ただし、実利用時はチャージが面倒という欠点がある。残高を気にしないといけないのは手痛い。
(一部カードではオートチャージ出来るが・・・囲い込み・・・)

普及店舗面では、現状Suicaが圧倒的だろう。Felica = Suicaというくらいの普及率だ。
ただし、Felicaのリーダ/ライタのコスト面等が普及のネックである。ここのバラまきに踏み込める業者は勝てる。
あとは、クレジットカードに対応していないような小規模店舗にはまだまだ入らないだろう。
iD,QUIC Payも普及が広がってきて感覚的には結構使えるがやはり細かいところで使えない店舗がある。コカ・コーラ以外の自販機とか。
普及のネックは良くも悪くもクレカのビジネスモデルに引っ張られていることです。結局最後は端末と決済手数料の問題に行き着く

QRコード決済は、紙っペラ1枚置いとくだけで基本的にはスタート出来るので、導入ハードルにイノベーションが起こっているが、必ずアプリを起動させるという性質上、かざすだけ陣営にはここで負ける。
そして、QR反対派はスマホ決済やキャッシュレスに慣れきっている人が多いので、この体験は退化にしか見えないのが本音だと思う。

ただし、アプリ発祥が故に気軽な送金などというUXを提供出来ているのも彼らだけである。
割り勘やお金の貸し借りに超便利!
それ以外にもお金のやり取りがアプリ軸になるとイノベーションも起こりやすいというものよ。

結局何をどうしたら、どこが勝つのか?

ユーザーからすれば【超優れたUX】で【どこでも使える】のが最強。
これを一番早く実現したところが勝つとしか言いようがない。

言い換えれば、最強の決済手段を作る事以外にゴールはない。

QRコード陣営がやるべきこと

割引施策が終わった時にどれだけ【使える】状況が整えられるかが勝負。

・Felica使ってる人種のUXに関する煩い意見は一旦置いておく(笑)
⇒未キャッシュレスな人種のほうがマーケットとしてポテンシャルある
・Felica対応の店舗はもちろんだが、中小零細店舗をどぶ板営業でひたすら獲得し、Felicaが手を出せない領域まで対応させる。
⇒これが重要。ココ以外に勝ち筋はない。Felicaもコード決済も両方使える人はUX面でFelica使える店舗でわざわざコード決済は使わないだろう。

Suica陣営がやるべきこと

コード決済陣営の得意領域である中小零細店舗と送金などの新しいUXが整えられるかが勝負。

・Felica利権を懐柔する(重要)
・コード決済陣営のお株を奪うように決済手数料無料、端末無料でバラまく
・アプリ作って送金などにもきっちり対応
・カード会社を懐柔し、ポストペイ対応でiDとQUICPayを潰す

iD,QUICPay陣営がやるべきこと

Suicaがすべきことにプラスして、導入ネックになってる、母体のカード会社の既存ビジネスを懐柔しないとにっちもさっちも行かないので、まずはそれをなんとかする。


NFCについて

もう一つのQRの強みで、カメラ搭載してるスマホなら対応端末に出来るというのがあるのですが、最近はNFC(≠Felica)もかなり普及しつつあるので、いちいちカメラで読ませるよりはかざすだけでアプリが勝手に開いて金額入力するところまで飛べる様になるとUXはだいぶ改善するのでは?と思ってます。アプリ見失ってもたつかないで済みますし。

繰り返しますが、ユーザーからすれば超優れたUXでどこでも使える決済手段が欲しいのであって、技術はどうでもいいのです。

ちなみに、現実的にはこんな感じで棲み分けがなされるのではと思ってます。

ウルトラCはメルペイみたいにiDとのアライアンスでなんとかしちゃうことw


最後に宣伝

スマホなくした時の為にお忘れスマホ自動通知サービスが使えるMAMORIOアプリを入れておくといいと思います。
電車とかでスマホなくしてしまっても、駅に届けられたりすると自動で予め指定したメールアドレスに位置情報をお知らせできます。
もちろんスマホのGPS情報の閲覧も可能です。


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