CyberneXにジョインし、Brain Computer Interfaceの社会実装のトビラを開きます!
皆さんこんにちは、泉水です。
この度、2021年12月1日よりイヤホン型のブレイン・コンピューター・インターフェース(※BCI)の社会実装を手掛けるスタートアップであるCyberneX(読み:サイバネックス)にChief Strategy Officerとしてジョインすることにしました!
CSOと名前はついていますが、スタート初期のスタートアップなので今まで同様COO的な動きをしていくことになると思います。
※CyberneXではEar Brain Interfaceと言っています。
CyberneXとは?
CyberneXは2020年に設立された脳波を活用したBCI技術の社会実装を目指すスタートアップです。
ブレインテックやニューロテックと言われ今後本格的に市場の立ち上がりが期待される分野に取り組んでいます。
目指すところは、人間の脳が持つ脳波の活用を進め、これまでのインターフェースが持つ壁を破壊し、新しいコミュニケーション(対人だけではなく対物も)を実現することです。
CyberneXの設立の経緯は少しユニークです。
GUIやマウスを始め、今日のパーソナルコンピューターの原型などを作ったことで知られるパロアルト研究所を持つことで有名なXerox社と富士フイルムの合弁会社であった富士ゼロックス(現:富士フイルムビジネスイノベーション)にて次世代のコミュニケーションデバイスとして脳波を使ったコミュニケーションの研究開発を続けてきたチームが、富士ゼロックス内でプロジェクトが凍結されたことをきっかけに、富士ゼロックスからスピンアウトする形で設立されています。
当社は旧富士ゼロックスとの資本関係はありませんが、富士ゼロックス時代の技術資産や知財などを引き継いでおり、大企業時代の強みとスタートアップとなったことでより機動力を持って本事業を進めています。
CyberneXのEar Brain Interfaceはイヤホン型故に装着が気軽で日常での脳波活用を期待されており、これまでの額で取得するタイプの簡易脳波計に比べ体動や筋電のノイズが乗りづらいなどの特徴があります。
更に耳の穴から脳波を取ることにフォーカスした設計思想のお陰でデバイスが脳波計としては非常に小型になっていることも大きな特徴です。
また、開発済みのプロトタイプにはマイクなども搭載されているので、これらと組み合わせたソリューションも開発出来るのではないかと思います。
なぜCyberneXへ?
巷では富士ゼロックスの特許王などと呼ばれる代表の馬場さんとは、私が新卒で入社した富士ゼロックスを辞め、MAMORIOでCOOに就任してすぐの2016年に一度アドバイスを伺いに行った時に初めてお会いしました。
まだまだIoTスタートアップとして始まったばかりのMAMORIOの話を「面白い」と言ってくださり、すぐに製品を会社で購入してくれたことを覚えています。笑
あれから5年、様々な縁が重なって今回のジョインに繋がったわけですが、私がこの分野に飛び込もうと思ったいくつかの理由があります。
1.やりたい仕事に近かった
結論から言えば、この1年、色々やった中で「テクノロジー感のあるスタートアップでより良い社会づくりをしたい」という思いが強くなり、自分のやりたいことに合致したというのが一番大きいです。
1年前、私はMAMORIOの役員を退任した後、法人としてのTEKION Groupを設立し、千葉の田舎に移住してフルリモートで仕事をしていました。
例えば、新たな産業づくりをインタープレナーと共に行うという壮大なビジョンを元に動くSUNDREDでのCBDOとしての業務は、いかに今までの自分が小さな視野で動いていたかを実感する、とても刺激的な毎日でした。
新しいソーシャルイノベーションのあり方や、幸福、医療・ヘルスケア、フード、自己開発など様々な新産業のテーマに触れられましたし、自分自身も今までやったことのない、人材育成プログラム作りに取り組んだりとやったことないことが沢山ありました。
IoT関連の仕事も引き続き行っており、MomoやトリニティではIoTプラットフォームやウェアラブル事業の事業開発などに携わったりしました。
自社としても、PCなどの電子機器の販売やJENESISのメンバー及び代理店としてIoT機器の量産支援、仮想通貨のマイニングファームの運営などスモールビジネスも立ち上げました。(WEBすら作りかけですがw)
20代を大企業、スタートアップ、個人事業主、スモールビジネスと色々やってきたわけですが、イノベーションを引き起こす企業体としてのスタートアップはまたやりたいと思わせる魅力を持っていて、またチャレンジしてみたい思っていたところです。
2.”いつか来る未来"を引き寄せる仕事がしたい
スタートアップならなんでもいいわけではなく、自身としてはMAMORIOの時のように「まだ市場として成り立っていない」新しいテクノロジーが入っている領域でプレゼンスを発揮していくような仕事をしていきたいと思っていました。
実際、MAMORIOでも当初は多くの人がそこに価値を感じていなかった「紛失防止」をターゲットに事業を行っておりましたが、今年ついにGAFAの一角であるAppleまで参入するようなジャンルまで成長しました。
その当時思い描いていた紛失が無い未来を作りたいという思いが認められ、製品が人々に使われ、IoTを構成する一つのジャンルとして認知されていった過程を経験し、筆舌に尽くしがたいやりがいを感じていたのです。
人によっては、自分にとって初めて触ったIoTデバイスはMAMORIOだったという人もいらっしゃり、こういう話を聞くと「やってよかった」と心底思うわけです。
脳情報を活用したBCIの社会実装もまさにそれを目指したい。
みんながいつかこういう未来が来るんだろうと朧気に思っている世界観ですが、まだまだ脳情報の活用といえば、噂には聞くけど研究室の中から出てこない非常に遠くの未来の話に思えてしまったり、脳科学ビジネスはあってもなんかオカルトっぽい物だったりします。
しかし、CyberneXのEar Brain Interfaceというのは、その装着の手軽さや携帯性の高さなどから、うまくすると人々にとって初めて「脳情報」が活用されて生活が便利になったという最初のプロダクトになれる可能性があるのではないかと思っています。
シンプルでライトなソリューションこそ、作って実際に世に出すことが重要で、やっていると当初は思いもよらなかった未来に繋がってくるということが往々にしてあるのでCyberneXを沢山打席に立たせていきたいと思います。
3.魅力的なストーリー
前述の通り、この会社の設立は富士ゼロックスで次世代コミュニケーションとしてのBCIの事業化が認められなかったことに端を発します。
ビジネスとしては何がどう儲かるのか?はあまり見えていないまま、結構なお金をつぎ込んで開発を進めてきた経緯や、それなりの大企業の屋台骨を支える事業として投資を続けるには厳しいというのは経営判断として理解出来るところ。
とはいえ「知の想像と活用をすすめる環境の構築」や「Better Communication」というミッションを掲げる(あるいは富士フイルムBIになるまで掲げていた)はずの富士ゼロックスが富士フイルムのドキュメントソリューション部門としてコピー機周りのソリューションばかり作っているなんてもったいない、もっと社会の役に立ちたいという技術者達が、儲かるかもわからない領域に会社を辞めて大海原に漕ぎ出した。
そこで一足先にスタートアップに飛び込んできた自分が、ビジネスサイドの人間として20代に培った経験をつぎ込んで世の中にこの技術の将来性を問う。
これがとてもワクワクするストーリーに思えたんですよね。
余談ですが、CyberneXという社名の最後の一文字「X」は、今は富士フイルムによって歴史の闇に葬られてしまったXeroxの名前とフィロソフィーを俺たちがひっそりと引き継いだぜというメッセージが込められているとかいないとか。
こうしたストーリーを持った上で、脳情報活用の新しいトビラを開いていくのはきっと面白い仕事になるのではないかと思いました。
この辺りが僕がCyberneXへのジョインを決めた理由です。
ちなみに11月上旬に箱根で行われたビジョンOKR合宿に参加し、メンバーの皆さんとお会いすると同時にCyberneXのビジョンなどを策定しました。
この段階から関われるのは楽しい!
お話しましょう!
そういうわけで僕がCyberneXにジョインする理由を簡単に書いてきましたが、脳情報がどれだけビジネスに使えるかというのはまだまだ未知数なのが実情です。
僕自身はなんとかしてブレインテックを研究室の中から社会に引っ張りだしたいと思っています。それは全てこの会社だけで出来るわけでもないし、ブレインテックに関わる人、そうでない人皆さんと作っていく未来なんだと思います。
ということでCyberneX面白そうだなと思ってくださる方々とのディスカッションなどは、どんどんさせていただければと存じます。
一緒に何かやったら面白そうという方、是非僕にお声がけください。
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