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【ようこそ】Apple版MAMORIO(紛失防止デバイス/AirTag)が出るならこうなる。

※本記事は2019年4月に書かれているため、UWBに関する情報は加味されずBluetooth5.1を想定しています。
記事における本質的な部分は大きく変わりません


今朝、起きた瞬間に衝撃のニュースが飛び込んできた。

なんとAppleが紛失防止デバイスを開発しているらしい。開発コードネームは「B389」だそうだ。
弊社もMAMORIOという紛失防止デバイスを作っていて、曲がりなりにも国内トップの認知度ではあるので、MAMORIOピンチか?という空気もあるのだが、僕はワクワクしている。

世界の巨人が本当に参入するのならば、僕らのビジネスの行く先が正当化され、市場が活性化し、落し物のない世界が近づくからだ。

当然会社としては、起こりうるシナリオを想定するわけだが、せっかくなのでAppleが今後やってきそうなことを予想し、ここで公開しておくことで、当たったらドヤりたいと思う。

俺がApple社員ならこうする。

この予想(願望)に及ばない製品をAppleが出したら軽蔑する。

1.ハードウェア

まず予想されるHWの発表時期から言って、次期iPhoneに近いタイミングになり、Bluetoothの規格はこれに合わせてBluetooth5.1を採用するだろう。

このバージョンでは、cm単位の測位と電波の方向を検知するプロファイル(AOA)が追加される。これを使わない手はない。

そして、バッテリーはリチャージャブルになるだろう。

この辺は、分解を許さないApple製品の設計思想を考えれば当然だし、高価なバッテリーを安価に調達出来るAppleの並外れた調達力にモノを言わせることで実現が可能だ。

ボタン電池を使う可能性は無くはないのだが、それをやってしまったらAppleのデザインチームはどうした?と僕は思うだろう。

余談だが以前、現在はSONYの子会社であるQrioさんがスマートタグに参入した時、電池交換の為のちっちゃいネジが背面にあって、僕は「SONYデザインを名乗るのにこんな美しくないことあっていいのか!」と競合なんだから別に美しくないことはいいことなんだが(笑)憤慨したことがある。

そんなこんなで充電はワイヤレス充電になるはずだ。
ただし、Airpowerが発売中止になったことは気になるポイントである。

ただまぁ最近のAppleはApple Pencilみたいな不格好な充電を許容しちゃう会社なのでどうだろうか・・・。

サイズは非常に小型、バリエーションは複数あるかもしれない。
サイズ感としてはAirPodsのイヤホン抜きくらいになるだろう。まさかMAMORIOよりデカいものをジョブズが生きていたら許すはずがない。

そしてタイプは3タイプ発売される。
キーホルダー型、カード型、シール型だ。
しかしキャッシュレスの時代にカード型の未来は無いから2種類、もしくはタグ型Onlyの一種類かもしれない。

まさかTileの丸パクリとはいかないだろう。

2.ソフトウェア

報道の通りであれば、Apple製品以外も管理出来るよう、一覧性の高いUIを採用するはずだ。
この辺は既存のiPhoneを探すにMAMORIOを足して2で割ったくらいのUIになるかもしれない。

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【参考】MAMORIOのUI

3.探し方とそこに隠れた戦略

実はここが最もユニークなものになることを予想している。

Appleが前述の予想通りハードウェアとして5.1を採用するのだとしたら、その先の戦略上、絶対に外せず、紛失防止タグの再定義をするとしたらコレしかない。

ARだ。

カメラをかざすと部屋のどこにあるか浮かび上がってくるAR。
これは絶対にやってくる。

知らない人のために解説すると、Tileに代表される既存の紛失防止タグ(MAMORIOは除く)は常に「音を鳴らす」という方法で部屋の中での「見つからない」を解決してきた。

シンプルな解決策だ。アプリを開いて、タグから音を鳴らせば大体場所がわかるからだ。

しかし、この方法には決定的な弱点がある。

それは、小さなハードウェアに大音量スピーカーを積むというアプローチが絶対に必要になることだ

それはすなわち、サイズの制約に繋がり、それは即ち付ける対象物を狭めることに繋がってしまう。

早い話、音を鳴らすというアプローチは、Airpodsを部屋の中で探したり、今後普及するかもしれないスマートグラスを探したり、もっと言えばIoTの時代になってあらゆるものがBluetoothを積んでいる未来に対応できない。

しかし、これを解決出来る策がARであり、Bluetooth5.1である。

Bluetooth5.1対応デバイスならば、ものがどこにあるか?という方向がわかる。
さらにAR技術によりカメラの情報とジャイロセンサーなどの情報を元に室内でのiPhoneの自己位置の測定を行う(それはGPSではできない)ことが出来る。

※追記:BT5.1+AOAではなく、UWBを使うという噂も出てきたが、素人の方はやってることは似たようなものとして読み進めてください。UWBはHWとしてはまだまだ普及していない技術です。iPhoneに載せるつもりか・・・?

この2つの要素技術を組み合わせれば…?

紛失防止タグがついていなくても、大音量を流せるスピーカーがついていなくても、カメラをかざして探すことが出来る。

事実、彼らはそういう特許を取ってきている。

そしてまさにAppleの狙いは下記の通りだ。

Appleは全てのBluetoothデバイスを探せるようにすることで、更にそのサービスをサブスクリプションサービスで提供することで、IoTの時代に全てのユーザーの持ち物の情報を把握し、ハードウェアを作らずに紛失防止タグビジネスを実現することが出来る。

しかし、その未来はまだ遠い。だから、そのユーザー体験を体感してもらう手段として紛失防止タグという過渡期的製品を発売する必要があるのだ。

そして、価格は3個のデバイスで99ドルくらいか?

4.さいごに

上記は全て僕個人の妄想である。ソースはない。

というか、ある意味ではMAMORIOが目指すビジョンである。

MAMORIOは「なくすを、なくす。」紛失防止カンパニーだから、本気でこんな未来を毎日考えているわけだ。

こういう未来が来ると思っているから、MAMORIOはZERO UIというコンセプトを掲げ、2014年のクラウドファンディングの段階から、つまり最初っから音に頼った捜索は行わないことに決めている。

ARではないが、音がならなくても電波強度で探す機能(通称:自分でさがす)も持っているし、日々研究開発を行っているわけです。

※追記:MAMORIOにARを活用したカメラで探す機能が付きました。これでAppleがAR積んでも先にやったって言えるぜ。


さらにあらゆるデバイスを探せる未来を作る布石として、MAMORIO Insideという、MAMORIO機能が内蔵された製品も登場している。
MAMORIO機能が内蔵されている財布なども実は結構な数あるし、大手メーカーSONYのwena wristというスマートウォッチはMAMORIO機能を内蔵している。

そして、極めつけはMAMORIO Spotだ。
全国約700路線の鉄道・バス事業者だけではなく、さまざまな観光地や商業施設の遺失物センターと提携している世界でも随一のネットワークを国内で構築している。
JRをはじめ、多くの大手私鉄や地下鉄事業者さんが、MAMORIOを日本におけるデファクトスタンダードと認めてくださったからこそ実現出来ているのである。

日本の落し物は国民の高い道徳観と各社の必死の遺失物対応の努力によって落し物センターに届くからだ。

全ては紛失の無い未来の為への先行投資。

さらにこれらのサービスは特定のハードウェアに依存しない仕組みなので、MAMORIOであれば新世代、旧世代問わず、更には上述SONY製品も含めたMAMORIO Insideモデルも見つかるし、仕様上はあらゆるBluetoothデバイスの発見に繋がるよう設計されている。

Appleが本当にこの市場に来てくれるなら、ここまでの未来を描いて参入してほしい。音が鳴るだけのTileの二番煎じなんて出さないでほしい。

僕らは2012年から黙々と変わり者扱いされながら、落し物をテーマにした「なくすを、なくす。」会社をやってきたから、そういう市場があることに着目してくれたのだとしたら、仲間が増えたと思って歓迎します。

ちなみに、MAMORIO負けるの?と言われたら、これらを全部appleの全力でやられたらしんどいかもしれない。

でも、紛失防止タグはあなたの生活を革命的に便利にする。

その凄さを皆さんが体感した時、そしてappleがAndroid版アプリを出さなかった時、または値段が高くて手が出なかった時、その体験をMAMORIOが用意しています。

全部実現する為に100億円くらいは欲しいけど。

秋が楽しみだ。どのくらい当たるかな。

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