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「ヘタレブーツが教えてくれる人生のヒント」

たまたま服屋で気になって買った茶色のブーツ。2、3回履いてそれからはずっと自宅謹慎中だ。はぁ羨ましい。久しぶりに見るとすごくへたれている。ずっと仕事もしないで家でのんびりしていたのにどうしてそんなにやつれているのか。まあ、ろくに手入れもせずに雑な保管をしていた俺が絶対に悪い。そんなブーツに対して敬意と謝罪の意を持ってこれからは靴さんと呼ばせて頂く。そして今その靴さんからは生きる気力や未来への希望が感じられない。

目次
1.靴さんはどうしてこうなったのか
2.靴さんはどんな生活をしたかったのか
3.靴さんを見て私は何を思ったのか

1.靴さんはどうしてこうなったのか


靴さんは購入当初、今か今かと出番を心待ちにしていたはずだ。ブーツは昔から足を保護するために使われてきている。騎士や兵士、商人、農作業者、工事労働者、鉱夫、ファッションなどなど調べるとたくさん出てくる。ブーツは色々な生活の中で使われてきた。靴さんもそうなると思っていたと思う。しかし靴さんの期待とは裏腹に、私の生活スタイルやファッションセンスが彼の出番をほとんどなくしてしまった。仕事、趣味のゲーム、スニーカーやサンダルの方が楽で良いなど、色々な理由で。そして靴さんはいつしか人目に触れないようにひっそりと息を潜めていった。

2.靴さんはどんな生活をしたかったのか


靴さんは活動的な日々を望んでいたのではないかと思う。雨の日も、風の日も、泥だらけになりながら足を保護する役目を果たす。その過程で生まれる傷一つ一つが靴さんの経験となり、彼の個性を形成していく。丁寧にケアを受け、また活動の場に駆り出される。そうして長い時間を経て独自のキャラクターを作り上げていく。それが靴さんのやりたかったことではないだろうか。それが全く生活スタイルの合わない所有者の元に来てしまったがために靴さんの夢は潰えてしまった。

3.靴さんを見て私は何を思ったのか


ここまで完全にただの妄想ではあるけど、靴さんからは大切なことを学んだ気がする。
靴さんが履かれることで本領を発揮するように、人も行動することで自分の才能や価値を見つけられるのかもしれない。ただ座ってるだけじゃ、自分の可能性もわからないし、新しいことにチャレンジする機会も減ってしまう。何かやってみることで、新しい発見をしたり、失敗から学んだり、成長したりできるのかもしれない。
長い間放置してしまった靴さんへ、きちんとした手入れで謝りたい。そう思い、Amazonで靴磨きセットをポチった。


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