見出し画像

「贅沢は味方」を終えて

こんにちは、「贅沢は味方」企画者のはづきです。改めて、出演者・関係者の皆さま、ご来場いただいた方々、配信をご覧になってくださった方々、ありがとうございました。

まず会場BGMを紹介します。結構こだわって、楽しみながら考えました。是非、読みながら聴いてみてください。

本イベントはモナレコードの主催 (企画内容はわたしの案をそのまま使っていただきました!) で6月に行われました。コロナ禍の中、無事開催できたこと、各方面に感謝です。延期になったり主催者変更になったり、すんなりとはいきませんでしたが、それは置いておいて、ここからは楽しかったことを書いていこうかなと思います。

まずイベント当日について。1組目はこの日唯一のバンドセット出演、アスナロサイエンスでした。アスナロサイエンスの音楽は、潔くてさわやか、元気な時も元気じゃないときも聴けて、心を晴れやかにしてくれます。でも全く無理矢理じゃなくて、すごく自然にそういう気分を味わわせてくれるのです。この日も、もともと心が晴れてた人の気持ちをさらに明るく、そうではない人の心からはもやもやとか心配事、そういうものたちを取っ払ってクリアにしてくれたんじゃないかなと思います。ライブのいいところってこれですよ、別にずっとじゃなくてもいい、その瞬間だけでも、嫌なことを考えなくて済む。これって本当に価値があることなのでは…? いや、そうに違いない!

画像2

ほかの箱でも勿論かっこいいんだけれど、モナレコで見るアスナロサイエンス、好きだなあと今回の企画で改めて感じました。箱のあたたかくて落ち着いた雰囲気と、アスナロサイエンスのからっとした感じの相性が良いんです。ぱりっとしていて、でも落ち着いていて、独特なんだけどすごくいい空気だ、初っ端から最高だと思いました。

アスナロサイエンスで心がすっきりしたところで、次は2組目の碧海祐人。読み方はオオミマサト、です。今回はドラム&パーカッションの赤瀬楓雅さんとのデュオでご出演でした。わたし、ほんとうに碧海さんの声が好きで、一曲目はしっとりした曲だったけれど、わたしの心の中はもうお祭り状態で「ウワ~!!やっぱり最高だああ」と叫んでいました(笑)。冷たくてあたたかくて、切なくて優しくて気怠げで繊細で、とにかく素敵な声なんです。そんな歌声に、心地よいギターとパーカッション、ドラムが絡んで生まれるグルーヴがたまらなくて、気持ち良すぎてとけるかと思いました。

画像1

碧海さんを知ったきっかけは、「秋霖」という曲で、Spotifyのなにかのプレイリストに入っていました。作業しながら適当に音楽を流していたのに、「秋霖」が流れたとたん夢中で聴き入ったのを覚えています。ぶっ刺さってしまいました。これはライブに行かねば、と思いました。そういうわけで「秋霖」は大好きな曲だったので、今回のイベントで演奏してくれて本当に嬉しかったです。前半の静けさに対して畳みかけるようなラストの盛り上がりに、鳥肌が立ちました。そしてなにより、お二人がほんとうに楽しそうに演奏している様子がフロアにも伝わってきて、その楽しさが会場全体に満ちているような、素敵な時間でした。

会場BGMで星野源の「ダスト」が流れるなか転換を終え、トリはグッド・ライフ・フェロウズ。アコースティック編成で、あたたかくてワクワクする音楽を聴かせてくれました。「はじめての惑星」の演奏前のMCで、ボーカル&鍵盤ハーモニカのサトーカンナさんが、「諦めるっていうのは簡単なことなんですよ、人に期待しないとか、自分が我慢すればいいかとか、大人になるとそれをやりがちなんですけど、それは絶対にしたくないという強い決意が私にはあります。やりたいことしかやりたくないし、嫌なことには嫌って言いたい」とおっしゃっていたのが印象的で、はっとしたし、心の中で全力で頷きました。ああ、私がこのバンド好きなのって、ただ優しいだけじゃなくて、こういう強かさが根っこにあるからなんじゃないか。そう思いました。

画像3

最後の曲の「劇的人生-feat.KTY」にゲストで出演したKTYさんは、じつは二年前にロクステの企画「NEON BEAT TOKYO」にMONJU N CHIEでも出演してくださってたのです!これを意図してブッキングした訳ではなかったのですが、あ、繋がってるすごい、と思いました。「NEON BEAT TOKYO」はわたしが上京して初めてのライブハウス体験で、そこからライブハウスに通うようになったわけで、やはり感慨深いものがありました。「劇的人生」は最高のしあわせ曲で、イベントの最後にぴったりだと思いながら聴いていました。身も心もリラックスして体を揺らし、こうやって音楽を楽しめることのありがたさを噛み締めました。

最後に、この企画に込めた思いを少しだけ書きます。「贅沢は味方」というイベント名は、とある曲の歌詞から引きました(会場BGMにあります!)。響きも字面も綺麗だし、意味も素敵だと思っていました。そして、ずっと前から、それこそコロナ禍になる前から、「将来企画を打つときのタイトル候補」としてメモしていました。なんだかコロナ禍を意識したようなタイトルになっちゃったかな、と思ったのですが、そんなことはなく案自体はかなり前からあったんです。

ライブじゃなくてもいい、明日発売のコンビニスイーツ、毎週火曜日のドラマ、なんでもいいけれど、たとえそれが「贅沢」で、無くても死なないものだったとしても、そういう楽しみがないと生きていけないよね? という考えがずっとありました。こういうものたちは、味わっているその瞬間は勿論、その時まで楽しみにしている時間が尊い。あーバイトが終わったらあのお菓子買って帰るんだ、今週耐えたら録画してたドラマ見るぞ、来月のライブまでは絶対に死ねないな…と、この時間がわたしたちを生かしてくれます。だから「贅沢は味方」だな、ということでこのタイトルにしました。ちょっと大げさで恥ずかしくなってきちゃいましたが、きっとこの思いは伝わったはず、そう信じたいです。

会場に来てくれた人がわたしに伝えてくれた感想が、こっそり自分の中で考えてた裏コンセプトそのもので、それが本当に嬉しかった。中指立てたくなるような毎日に、少しでもワクワクを、楽しみを、作れたかもしれない。そういう手ごたえを感じました。

それもこれも、やっぱり出演者の皆さんをはじめ、箱の皆さん、お客さんのおかげです、ありがとうございました!今回企画を打ててほんとうによかった。贅沢はいつもわたしたちの味方です。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?