不安に感じない

2020年4月、未知のウイルスがどんな脅威を持っているかよく分からないまま、政府が不要不急の外出自粛を呼びかけた。

仕事が新時代に対応しきれず急に休みになったり、働き方改革を模索したりはしていたが、僕自身マイナスの感情はほとんどなかった。

確かに先は見通せない。

当時のアメリカ大統領が言っていた「インフルエンザのように暖かい季節になったらこのウイルスもなくなる」説も当時の僕は10％くらい信じていた。

しばらくすると、色々なことに耐えきれない、の象徴か、著名な方が命を絶つニュースが増えた。

僕にとってもそれは「いくつかある人生の選択肢の中の一つ」に過ぎず、僕もやはりこのようなことで大騒ぎする世の中と距離を置きたい側の人間だ、と聞き流す程度に過ぎなかった。

コロナ禍に関して、当時先が見通せないことを怖いとは思わなかった。

だって先が見通せない不安を、ほぼ日本中、世界中の人々が同時に持っているからだ。

僕は子どものうちから孤独を強いられ、たった一人で自分のことを背負って、同じ気持ちを共有する仲間を作れる環境になかった。

しかしコロナ禍はどうだ、みんなで一緒に陥っているんだ。世界中が仲間じゃないか、と僕の目には映っていた。


環境に恵まれていないから、大人になるまで僕は生きられないだろうと思っていた。

だから将来の夢なんてものも頭の中で描けなかった。

僕はコロナ禍よりもよっぽど酷い生育環境の中で育ったんだ。

【チェックリストあり】「不安症」いま患者が増加 日常生活に影響も | NHK | WEB特集

記事内にある日本不安症学会が公開しているチェックリストをぜひ見てほしい。

ここ2週間で、こういうことはありますか、というリスト、ゼロから3までの点数×7項目。

何点以上なら医療機関を、と記してあるが、僕はそこまでは至らない。

しかしゼロの項目もあればマックスの項目もあるので、それはそれで不安定だから問題有りだとは思っている。

僕が過ごしてきた生育環境を考えたら当然の結果なので、特に不安に感じることはない。

僕は強いのか、弱いのか。