AIvs教科書が読めない子どもたち 感想

シンギュラリティは到来しない、ということを著者の体験を元に示されており、共感した。

昨今、AIの発達は益々進み、人間の職領を侵略している。中国では無人コンビニの登場でコンビニ店員が消えた。今後は自動運転が主流になり、ドライバーが居なくなる。いっそ全ての職業がAIに淘汰されるのかと思うが、決してそうではない。AIにできない仕事も多数ある。著者は自らが掲げる、人工知能を東大合格させるプロジェクトから人工知能の限界を示している。

一方、人工知能の限界を知って安堵できるというわけではない。著者が全国の小中高生対象に簡単な国語の問題を出題したところ、散々な結果が返ってきた。この問題は平易ではあるが、AIも間違えてしまう問題である。つまりこの問題に躓いているということは、その子どもはAIと同等ということになってしまう。そんな子どもたちが大人になった時、彼らに「仕事」が与えられるのか、AIに淘汰されるのか、厳しい運命を余儀なくされるのだと思う。

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