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酔っぱらった結果・・・身体障害者になっちゃった!!!  『無料公開 投げ銭方式』

●ようこそ身体障害の世界観へ●


みなさん お酒は好きですか?

酔っぱらうと気分がよくなりますよね~。

でも注意しないと・・・。

人生が狂ってしまうかもしれませんよ!!!

今回の主人公Mさんは30代男性です。
就職のため地方から上京し、工場の技術職として頑張っていました。

1人暮らしにも慣れ、職場で多くの友達もでき、楽しい毎日を過ごしていました。気の合った仲間とよく飲み会を開催しており、つい飲み過ぎてしまうことがありました。

そんなある日、いつものように仲間とお酒を飲んで帰宅途中、階段を踏み外し・・・。転倒、頭部から流血! 大騒ぎになりました。

まるで時代劇の階段落ちのシーンのように転落していったようです。

病院に運ばれ手術を受けましたが、脳挫傷で脳の一部を取り除かなければならなくなり、手術後は右側の頭が凹んでいる状態になりました。

イメージとしては空気が半分しか入っていないゴムボールみないなものです。上部がペコっと凹むでしょう。そんな感じです。

とりあえず治療は終了しましたが、左半身麻痺になってしまい、車イス生活が始まりました。

彼が施設に来たとき、あまり言葉を話しませんでした。

Mさんは「記憶を失っていた」のです!!!
転落事故のことはもちろん、過去の記憶のほとんどが消えてしまい、なぜ自分がここにいるのだろう?って思って過ごしていました。

そんなMさんのご両親が施設に面会に来ることになりました。

ご両親は高齢であり、しかも遠方から来るため、数年ぶりに会うとのことです。

ただ、ちょっと気掛かりなことがあったんですよね~。

ご両親は2人とも認知症です。そしてMさんは記憶喪失・・・。

さあ、この面会がいったいどのようになったのでしょうか?

続きをご覧ください。

【Mさんのご両親について】

転落事故が起こった時、ご両親は病院に駆けつけられませんでした。

理由はお父様もお母様も認知症があり、「息子が事故にあって生死をさまよっている!」と言っても理解ができず、旅支度が出来なかったようです。

うーーーん。何とも言えない・・・。

今回、Mさんの妹様と親戚の方が引率して、なんとか施設まで面会にくることができました。

【コント番組みたいな親子の再会】

さあ、感動のご対面です!

ハンカチの用意もバッチリです!

本人:・・・(沈黙)

え?無言・・・。 何か言いなさいよ!

本人としては「知らないおじいさん・おばあさん」に会っているという感覚なんでしょうか?

マジで?そうなっちゃうの?って思いました。

一方お父様・・・というと、

父親:こちらの方はどちらさん?

え!!!
い、今なんておっしゃいました?

どちらさんって・・・あ・な・たの息子ですよ・・・。
一緒に来たMさんの妹さん達も困惑しています。

妹:息子の○○! お兄ちゃんだよ!
親戚:そうだよ! ○○君なんだよ!

一生懸命 説明しています・・・。

一方母親はというと。

母:・・・どちらさん?

も、もしかして、お母様も・・・息子だとは解らない?
「この人、誰?」って顔をして息子を見つめています?

お母様にも妹様が一生懸命 説明しています。
しかし・・・。無理っぽいな。

親戚の方は半分、呆れています。

えーーーーー。

両親そろって自分の息子がわからないとは・・・。


た、確かに、転落事故前の顔とは全然違いますよ~。
でも、何か面影あるでしょう?

ご両親の頭の中には元気な姿で働いているMさんの記憶しか残ってないのでしょうね。
身体障害者になり、車イスに座り、頭が凹んでいるためヘットギアを付けた姿じゃ~別人だと勘違いしてしまうでしょうね~。

認知症ってこのようになるんだなぁって思いました。

私はてっきり「転落事故にあっても生き延びてよかったね~」
涙、涙の再会を期待していました。
Mさんも「親父・お袋!よく来てくれたね!!!」って言うのかと思っていました。

終始 お互い『知らない人』という感じで会っていました。


Mさんの妹様からいろいろ話をうかがったところ、ご両親は「怪我をした息子に会いに行く」という感覚ではなく、「旅行に行く」という感覚だったようです。

旅行という名目でないとなかなか出発が難しかったのではないかと想像されます。

でも、わからないものなんですかね~。お互い・・・。

だからMさん ご両親が帰られた後も別に普通にしていました。

名残惜しいとか全く思わないのですね。


ちょっと切なくなりました。

【リセット人生の始まり】

Mさんは脳が半分なくなってしまったため、過去の記憶が90%以上なくなりました。

自分の名前も忘れてしまっていたのです。

そのぐらい忘れてしまうと、人間どうなるか知ってます?

「黙ったまま、その場に立ち尽くす」しかできないんですよ。
※実際は寝たままか車イスに座っていますけどね。

ある意味、新生児と一緒です。いろいろ世話をして声掛けして覚えていく・・・。

どんなにリハビリをして頑張っても元には戻らないのです。

そうですね~。Mさんの場合は5歳児レベルだと思ってください。
簡単な意思表示と挨拶・返事ぐらいですかね。

【全てが新鮮!初めての感触!】

普通、転落事故に合って身体障害者になってかわいそうとか考える人がいると思いますが、本人はいたって元気ですよ。

仕事・彼女・友人・アパートのこと・両親のことすべて忘れてしまいました。明日の心配すらしなくなりました。自分が将来どのようになるのかという悩みすらなくなりました。

ただ、ニコニコ笑顔で施設で楽しく暮らしています。
とてもいいことではないでしょうか。

行きたい場所もなく、やりたいこともなく、とりあえず施設で暮らしていれば食事が出ておやつも出る。それが楽しみでもいいと思います。

こうしなきゃいけない!という考えは他人が良かれと思って口出しすることであって、実際、本人はそこまで深く考えてないような感じがします。

ご飯食べて・お風呂入って・眠って、たまに職員や入所者と話して・・・。
これで十分だと思います。

そうですね~。会社で働いていて健常者として生活していた頃には考えられなかった現実がここにあります。

【去っていった仲間たち】

あれだけ多くの仲間に囲まれて、楽しい毎日を過ごしていたMさんですが、怪我をして会話が成立しなくなってから、友人がみんな去っていっちゃいました。

最初は施設に面会に来ていましたが、友人たちはMさんの変わり過ぎた姿に驚き、唖然としていました。

別世界に行っちゃった・・・。仲間の言葉です。


現実的にはそうなっちゃうんですよね~。

だ・か・ら、怪我をしてはいけないのです。

楽しかった友達とは、美しい【思い出】だけになってしまいます。

今日のまとめ

怪我をして脳挫傷。今までの生活には決して戻れない。彼は新しい人生を歩み出す。「ごはん」と「おやつ」が楽しみな人生になってしまいました。
でも彼は『笑顔』で暮らしています。

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