23N三十 良言諾諾

日記に書くことが無いので色んな良いことを書きます。




GACKTがマッチングアプリを利用停止になったっていうニュースをXで見たけれど、色々面白い話だ。


そもそもGACKTもマッチングアプリを試みるんだなとツッコミを入れたくなるのはもちろん、運営もなりすましだと疑うに決まってるなっていう納得感。

でもそれ以上にこんな事がニュースになっているということが面白い。

そりゃまあ、実際に僕も反応しているわけだし話題性はあるんだろうな。

大谷翔平が犬を飼っただとか、右向きのひらめが発見されただとかのしょうもないニュースは今に始まったものでは無いしね。
(しょうもないと思わない人もいるだろうが。)

まあ、誰々が離婚しただとか、誰々が炎上しただとかの面白くも何ともないニュースに比べたら全然良い。





おめがシスターズの『モンスターカミング』という曲が良い。

顔だけがVRになって久しいけれど遂に全てが実写になったおめシス。
存在自体が話題性の塊の様なもので、色物っぽい外見やMVに目が行きがちになるが、それとはうらはらに素晴らしい曲だと思う。

まずYouTubeサムネが良い。
過去動画でも彼女達はファンに直接会いたいと公言していた。
(それを叶える為の方法として選択されたのがこれなのだから、発想に脱帽せざるを得ない。)

バーチャルの世界から現実に会いに来たよ。となる構図は熱心なファンというわけでは無い僕にもグッと来た。


歌詞の中にある『キスだってしたいぜ 痛い程に』というフレーズが気に入っている。
おめシスの積極性と大胆さや豪胆さを上手く表せていると思う。
自らをモンスターと揶揄する所もおめシスらしくて良い。色んな良いで溢れている。



フィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を今更audibleで聴いた。
名作と言うだけあって面白かった。

僕はaudibleに登録するまでこういう名作と言われるものの殆どに触れてこなかった。
だからみんなが当たり前に知っていることでも今更になることが多い。

自分達と同じ姿をしたアンドロイドを物として処理する人間と、人間らしく努めようとするアンドロイドはどちらが一般的に言われている人間らしさに当て嵌まるだろう?僕は後者の方が人間身を感じてならない。
(作品内で処理されるアンドロイドは人間を殺しているのはあるけれど)

人間とアンドロイドの違いという問題は世間でも言われている様に今後AIの発展によって現実に表層化していくのだろうな。
いずれロボット三原則が現実になる日も近いか。


古典SFに触れるといつもフィクションの話ではないという気にさせられる。
電気羊なんて50年以上前の作品だ。先見の明がありありすぎすぎでしょ。


chatGPTの珍回答に笑っていられるのも今だけかもしれない。
それは楽しみでもあるし、同時に年を取っていく自分には明確な恐怖に感じられる。


どうなっていくのだろう。僕が生きているうちにはそうはならないかもしれない。
けれどその後を生きる人達にはこの答えのない問題が突きつけられる。

そのことを考えると少し、心苦しく思う。




カフカの『変身』も聴いた。
あらすじと顛末は知っていたけれど、全編を通しで触れたのは初めてだ。


カフカの父親へのコンプレックスを感じずにはいられない作品だった。
救われないオチに目が行きがちだけれど、ちゃんと聴いたらザムザ自身の在り方の変容が面白いと思えたな。
変身初期には家族に対して申し訳なさを感じていたザムザも、暫くすると自身への待遇の悪さに文句をこぼす様になる。
そこも含めて変身なのだろうか。


妹の献身が徐々に離れていくさまが聴いていて悲しかった。でも良い作品だな。

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