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木工技師

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ラザロ

ラザロは誰も騙さず、誰にも逆らわない。ゆえに誰からも軽んじられ、それでいて、疎まれ、疑われる。誰ひとり、ラザロの誠実なまなざしを正面から受け止めることができない。顔を逸らし、顔を逸らしてしまう自身の恥に耐えられず、いっそうラザロを蔑む。人間の聖性の実体化としてのラザロの存在は、しかし一方で誠実さというものから程遠い暮らしをしている人びとの心を、きわめてわずかづつに、清めていく。貧しく、傷ついた元村人たちが、壊れた車を押しながら未来への希望を抱く終盤のシーンは『リトル・ミス・サ

    • 藤野

      ほかのあらゆるものをなげうって、ひとつ物事に取り組まなければいけない。そうしなければ価値を認められるものは生み出されず、この世界に存在を認められ生きる権利を得ることはできないという強迫的な価値観が、まあそれは時代にかかわらずのものだと思うけれど、それにしても今この最近はゆきすぎて幅を利かせているのではないかと思うことがある。ウマ、アイマス、後藤ひとり。炭治郎君もそうかも。他人から引かれる程度にはのめり込んでいるけれど、他事にはいっさい脇目も振らないというほどの狂気的な情熱でも