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北海道廃墟紀行:鴻之舞金山(紋別市)



写真ギャラリーNo.57を更新しました。
北海道の紋別地方にある『鴻之舞金山』です。
セルフ撮影なので、見辛い点はご容赦下さい。

普段であれば、この位のクオリティだと見るに耐えかねるのでギャラリーにはアップしないんですが…
遠方でなかなか行けない場所なので、アップしてみます。

昨年の9月に、キャララ!に出演してすぐに北海道に向かったときの写真なんで、徹夜で顔が汚いです。
ストッキングは廃墟に侵入する際に破れました。

紋別自体が北海道でもマイナーなので、かなりマイナーな廃墟だと思います。
半径数キロ〜十数キロ単位で民家ゼロ、人影ゼロ、対向車ゼロ、自販機ゼロである。

【関東の廃墟の特徴】

・人里がすぐその辺にある
・夜になっても、どこかしらに電気が見える
・通報される
・わたしの知識を具体的に教えると、カメラマンやモデル友達が「おお、行く行く」と言う
・なんだかんだ言って、進入するのは簡単
・なんだかんだ言って、レイヤーさんでも入れる
・モデルさんが廃墟で撮影した写真がネットに多数ある

【北海道の廃墟の特徴】

・人里が十数キロ単位でない
・道路に電灯すらないので、車のヘッドライトだけでどうにかする
・身長より高い草や木を分け、土砂を転がり落ちながら進むので、着いた頃には足が血だらけ、顔が泥だらけ
・視界に常にハエが10匹
・1秒立ち止まると、足に蚊が10匹以上ついてる
・蚊が耳の中に入り込んで出てこないショック
・いつの間にか服に大量に忍び込む蟻や蜘蛛
・怪我をしても、死んでも通報してもらえないし、気づいてもらえない
・わたしの知識を具体的に教えると、カメラマンやモデル友達が「絶対、行きたくない」と言う
・過去、関東の廃墟を私と一緒に探検したカメラマンたちが、北海道の廃墟では幾度も私を置きざりにして怖くて脱走した(なので今回1人で行った)
・歴戦の廃墟マニアが熊の気配を感じてUターンする
・誰も居ないのに、時折、すぐそこの草が『ガサガサッ!!』って言う
・誰も居ないのに、時折、その辺の枯れ木を『ボキッ!!』って踏みしめる音がする
・昼3時くらいに引き返さないと遭難
・太陽が地平線に落ちるときに、照り返しで一瞬周囲が明るくなるのを「あれ?なんだか明るくなったね!晴れたのかな?」…と天気が良くなったと勘違いすると、一瞬にして死亡フラグ
(森の中なので地平線が見えず、アレ?と思ったら5分以内に一面暗闇)
・人物が写っている廃墟写真が、自分しかネットにない

ギャラリー写真は、鴻之舞金山の一角にある、発電所跡地です。

そのほかにも廃墟が点々としているらしいのですが、発電所が一番綺麗だとの噂だったので、そこだけ行きました。

発電所を含め、ここの廃墟たちは冬の間は到達不可能。

夏の間も、森が深すぎて道路沿いから目視できないのです。

グーグルアース先生でも、全然わかんないのです。

ところで、紋別観光協会が鴻之舞金山ガイドツアーって言うのをやっておるですよ。

このガイドツアーに申し込めば、廃墟の中には…勿論入れてもらえませんが、外から眺めさせてくれるので、眺める程度に留めましょう。

たぶん、おじさん達が案内するコースはノリで決まるっぽいので、発電所を見てみたい!と言わないと連れて行ってもらえないような気がします。

3人ほど案内用のおじさんが居るぽいのだが、一番トーク好きのおじさんが出てきた場合、おそらく9割方、右寄りなトークのみで強制終了な気がします。



と言うことで、ガイドツアーの集合場所である、『旧上藻別駅逓所』。
とつぜんここに集合と言われても、それがまず東京の人にとっては難しいんですケド。

駅逓所って言うのは、馬の宿場?かなんかだそうです。わからん。

周囲、十数キロ人里なし、コンビニなし、車なし、人影なし、自販機なしとは思わなかった…

ドアを開けてすぐ「すみません、東京から来たんですけど、喉が渇いて死にそうです。なにかジュースを下さい(;´Д`)」と言った私…

でも、この建物の中にも売店がないので、おじさんがご飯のあと飲むはずだったサイダーをもらいました…
ありがとう…
何故か北海道のご老人はみんな、ジュース=サイダーである…

観光ガイドのおっさんたちは、ちょうどお昼ご飯を食べておったのです。
自分たちのご飯が終わったら、観光行くから待っとれって言われたので、待っとりましたのです。



のどか。



駅逓所の中。
クマのじゅうたんを見ても、特に何とも思わない私は北海道出身。



観光ガイドのおじさん達は、金山が稼動してた頃に働いてた方々だそうです。

住友財閥?が主導となって、金を発掘してたんだけども、金の採取ってのは本当に効率が悪いと。

なんだったかなー、何百キロの岩石をもぎって、そのうち金が取れるのが1グラムとか言ってたかなー。

効率悪いから1973年に閉山になっちゃったとか言ってたかなー。

金山が稼動してたころは、1万人以上の人が住んでたようです。
それが、たかだか40年で鬱蒼とした森になってるのだから怖い…(´・ω・`)

廃墟も、ギャラリーで取り上げた発電所以外にはコンクリート土台がある程度で、ほんと鬱蒼とした森だけなのよね…

少しでも鴻之舞と言う場所があったと言う事を後世に伝えたくて、観光ガイドをやってるって言ってました。

行けども行けども、まったく変わらない、草ばっかり、森ばっかりなのに、

「ここには昔、共同浴場があってね…」

「ここは街の終点でね、ここから先には、住友の雇われ工員は雇用期間が終わるまで行けないんだよ。脱走が起こるほどに、砂金掘りは大変な仕事でね。でも、一度働くと、ふつうに働くより沢山のお金がもらえたんだよ!」

「警備員にワイロを払って街を抜け出して、たまに隣町の風俗まで出かけたよ…あっはっは」

とスイスイ語るおじさんの心中を考えると、せつない。



この居間を借りてメイクしてたら、飯を食べ終わったおじさんに

「いいっぺよー!そんな一生懸命、化粧しなくても十分可愛いから!!早く行こうず!!」

と言って観光ツアーに連行されたのであった。

「なんでそんなに化粧すっぺよ? ぶろぐ とか へいすぶっく に 載せるのかね?」

って言われたので、ブログやってないって答えたおいた。



うちの実家にもまだある、コレ。

天井から吊るすのに、だんごをいちいち逆に入れ替えたんだなぁと思うとジワジワ来る…



鴻之舞金山そのものの入り口です。

この山の上に、ゴーストタウン化した住宅地が何件もあるのが見えるんだけど、森も深いし、たぶん、よほどプロの登山家じゃないと到達は無理かな…(´・ω・`)屈強な廃墟マニア程度だと遭難しそう…





写真ギャラリーで取り上げた発電所の近く。

おじさんに「クマ出るかね?」と聞いたら、「普通に出るけど、日の高い時間は暑いから寝てるんじゃない?」と言ってたので、おじさんを信じて後日進入してみたという…



数十メートルまで近寄っても、この位にしか目視できないのである。

「発電所が見たい!」と言う私に、おじさん「どれどれ、じゃあ、近くまで行ってみるかね…」と言って、車を降りて、鍵を開けてくれる…



車内から、私に

ここでオヤジの頭を木刀でゴーン!!

ここでオヤジを車でドーン!!

とか言われてることには、気づく余地もないオヤジであった。

【参考過去ログ】

2012/9/22 北海道速報1
2012/9/22 北海道速報2

速報2でご飯を食べに行ったのが、紋別市内のカニ料理専門店『かにっこ』である。

「お客さんは芸能人みたいだけど…どこから来たのかね?旭川かね?札幌かね?」

と言うので、「東京」と答えたら

「とっ、東京から…なんで…わざわざ…何が良くて…こんな街に…(´・ω・`)」

と言われた。

ここの人に限らず、北海道の田舎のほうの人は、だいたい「なんでこんな街に来るんだ」って言う。

あと、洋服が派手な人=芸能人。

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