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#111 【weekly paper news】製紙各社決算短信

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

お知らせ

本題に入る前にお知らせをさせてください。
ソーシャルグッドな紙の作り方や使い方を提案するプロジェクト「Paper for good」第1弾の商品がリリースとなりました!
紙からできた、地球にやさしいピクニックシート「CITON(しとん)」です。
職人が一枚一枚手で揉んでシワを付けた和紙が4枚重なった贅沢なシートで、まるで綿が入っているかのような座り心地です。
色は、自然をイメージさせる淡いブルー、ピンク、グリーンの3色展開です。
シートを入れるオリジナルのバッグも付いており、ギフトにもピッタリです。
この「CITON」をもってピクニック行く場合と持って行かない場合で、満足度に5~10倍の差が出るとも言われています。
1月30日から予約開始となっており、ご予約いただいた商品は、5月から順次発送予定です。
番組の概要欄に、オンラインショップのURLを貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。

さて、本題に入っていきたいと思います。

大手製紙メーカーの決算短信をみていこう!

今回は、皆さんお待ちかねのweekly paper newsです!
weekly paper newsは、僕が気になった主に紙に関係するニュースを取り上げていくという非常に画期的な企画となっております。

今回は、大手製紙メーカーの決算短信が揃ってきましたので、こちらを見ていきたいと思います。
業界2位の日本製紙は、8日に予定していた決算短信の発表を、14日に延期したので、今回は、業界1位・王子ホールディングス、業界3位・レンゴー、業界4位・大王製紙の3社を見ていきたいと思います。
このポッドキャストを普段からお聞きいただいている方は、業界のある程度の雰囲気はお分かりいただいているかと思います。
今回は、毛色の違う大手メーカーが、どのような経営状況なのか、深掘りしていきたいと思います。
それではまいりましょう!

王子ホールディングス

まずは、王子ホールディングス。
泣く子も黙る、業界最大手の王子ホールディングスです。
ちなみに、なんで王子ホールディングスって名前か知ってますか?
業界最大手だから、自分のことを「王子様」と名乗っている訳ではないですよ。
東京に王子という町があるんですが、そこが発祥の地だからです。
今の王子駅の目の前です。
はい、豆知識でした。

さて、王子ホールディングスの決算短信(2022年4月1日~12月31日)はというと、
売上高:1兆2,967億2,300万円(前年比+19.4%)
営業利益:595億700万円(前年比△37.5%)
経常利益:685億1,400万円(前年比△32.1%)
です。

値上やエネルギー事業(バイオマス発電所の稼働など)がプラス要因で働きましたが、それ以上に、原燃料価格の高騰が大きいようです。
今のところ、原燃料価格の高騰を、値上げでカバーできていない状況ということですね。

レンゴー

続いて、レンゴー。
こちらの会社、紙業界でない方は、あまり知らない方も多いんじゃないでしょうか?
なぜなら、一般ユーザーに対して製品を販売していないからです。
何を製造しているかというと、段ボールや紙器(お菓子の箱など)、軟包装材(コンビニのおにぎりを包んでるやつなど)のようなものです。
そう、企業向けの製品をつくっている会社ということです。
個人で、コンビニのおにぎりは買いますけど、おにぎりを包んでる包装材だけを買う人なんていませんもんね。
縁の下の力持ちのような存在のレンゴー。なんと業界3位です。すげぇ会社なんです。

さて、そんなレンゴーの決算短信(2022年4月1日~12月31日)はというと、
売上高:6,452億9,400万円(前年比+15.5%)
営業利益:236億1,600万円(前年比△20.5%)
経常利益:260億1,700万円(前年比△20.1%)
です。

こちらも、王子製紙同様、原燃料価格の高騰を値上等のプラス要因でカバーできていない状況です。
メインの国内紙関係事業は増収減益ですが、軟包装事業と海外の子会社は増収増益です。
また、決算短信と別で、決算の概況という資料に、プラス要因・マイナス要因が、非常に分かりやすく載っていますので、もっと詳しく知りたいという方は、そちらをご覧ください。

大王製紙

さて、最後は大王製紙。
大王製紙と言えば、カジノ、、、ではなく、エリエールですよね。
エリエールを知らないという方は、恐らくいないですよね。日本で一番有名なティッシュです。
大王製紙も、業界4位の大手です。

さて、大王製紙の決算短信(2022年4月1日~12月31日)はというと、
売上高:4,808億5,500万円(前年比+7.4%)
営業利益:△179億2,700万円
経常利益:△209億6,900万円
です。

なんと、赤字です。
こちらも、王子ホールディングス、レンゴーと同様、原燃料価格の高騰を値上等のプラス要因でカバーできていない状況です。
大王製紙は、赤字ということで、決算短信の他に、より詳しい説明資料や業績回復に向けた戦略書も開示しています。
業績回復に向けた戦略は、主に3つで、「価格改定」、「コストダウン」、「構造改革」です。
構造改革は何かというと、例えば、価格が高騰した石炭をやめて別の発電に切り替えたり、新聞の抄紙機を休ませて別の抄紙機をフル稼働にさせたり、ということだそうです。

総括

さて、みんさん、いかがだったでしょうか?
毎月、「紙・板紙需給速報」を見ていますが、各社のメイン事業を見ていくと分かりやすいです。
業界最大手の王子製紙はバランス型レンゴーは100%板紙事業大王製紙は紙事業が圧倒的に多い
そう、レンゴーは、安定している板紙だけなんです。新聞や印刷・情報用紙はやっていない。
一方の大王製紙はというと、新聞や印刷・情報用紙をバンバンやっています。
そういうことなんです。

じゃあ、日本製紙はというと、紙事業の割合が多いんです。
なんなら、新聞や印刷・情報用紙に限ってみると、王子ホールディングスを抜いてトップシェアを走っている。
つまり、皆さん、日本製紙の状況は、ある程度予想がつくのではないでしょうか。

日本製紙の決算短信は2月14日に発表です。

という訳で、今回は以上となります。
本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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