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#168 郵便技術を発展させた「コーヒーハウス」

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

「コーヒーハウス」の誕生と拡大

というわけで、今回は、「コーヒー文化が郵便技術を発展させた」というお話をしていきたいと思います。

コーヒー文化が郵便技術を発展させたと一言で言っても想像がつかないと思いますが、、これ、「風が吹けば桶屋が儲かる」みたいな話しで、コーヒー文化が広がったことで結果的に郵便技術が発展した、みたいな、そんな感じです。

さて、まずは今回の舞台となる「コーヒーハウス」について解説したいと思います。
「コーヒーハウス」というのは、いわゆる「喫茶店」、「カフェ」のことと思っていただいて大丈夫です。

1554年コンスタンティノープルに世界初の「コーヒーハウス」ができます。
世界初のコーヒーハウスはコンスタンティノープルだったんですね。

その後、船による貿易が活発化したことで、ヨーロッパにコーヒーが伝わってきます。
そうして、1652年イギリスで最初のコーヒーハウスが誕生します。

はい、今回の舞台「イギリス」になります。

1652年にイギリスで最初のコーヒーハウスができたのを皮切りに、イギリス国内でコーヒーハウスが急増していきます。
31年後の1683年には3,000店舗、62年後の1714年にはなんと8,000店舗に拡大していきます。
もう、今の感覚に近い状態です。
近所に必ずコーヒーハウスがある、そんな感じになっていきます。

こうなってくると、コーヒーハウスが、ただコーヒーを楽しむ場だけにとどまらなくなっていきます。
政治について語り合う場であったり、それから、商売も行われるようになります。

なんと、株の取引もされていたそうです。
今で言う証券取引所の役割もあったということですね。

それから、現在でも世界最大の保険会社「ロイズ社」の起源は、なんと、コーヒーハウスなんです。
北海道のお土産で有名な「ロイズ」ではありませんよ。保険会社の「ロイズ」です。

そして、今回のテーマでもある「郵便」。
郵便の機能も備わっていきます。

郵便技術を発展させた「コーヒーハウス」

それまで、世界的に「民営」の郵便は存在しませんでした。

その状態が、「コーヒーハウス」の出現で一変します。

先ほども述べたように、イギリス国内でコーヒーハウスはとっても身近な存在になりました。
地元の人たちは、地元のコーヒーハウスに出入りして、コーヒーを飲みながら、政治の話をしたり、新聞で情報を得たり、保険の契約をしたり。

さて、Aさんは隣町に住むBさんに手紙を送りたいなぁと思っています。
今だったらLINEを使って一瞬でメッセージが送れますが、昔はそうはいかないですよね。

AさんはAさんの地元のコーヒーハウスに出入りしているのと同様、BさんはBさんの地元のコーヒーハウスに出入りしています。
Aさんは1ペニーを払うことで、Bさんの地元のコーヒーハウスに手紙を運んでもらいます。
そうすると、Bさんは、コーヒーハウスに行くとAさんからの手紙があることに気づいて、それを読むことができる。
1680年ウィリアム・ドックラという人物がこのシステムを始めます。
これこそが、世界初の民間の郵便です。

その後、世界的には官営の郵便で、より高度な郵便システムに移行していきますが、イギリスは先進国の中で官営の郵便への移行が一番遅かったと言われています。
それは、民営の郵便が確立していたから、という訳です。

ただ、このイギリスでのコーヒーハウスの文化が郵便技術を引き上げたのは間違いない事実です。

わからないものですね。
どんなところから技術が進歩するのか。

はい、という訳で今回は、「コーヒー文化が郵便技術を進歩させた」というお話でした。いかがだったでしょうか。
それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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