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テクノロジーの進化を受け取れない日本企業

1年前に下記の記事を読んで、すごく共感した。汎用的なAIよりも特定の用途に特化したAI活用が主流になるだろうという部分。

ここで書かれている間取図AI的な課題は、実はあっという間に解決していた。学習データさえ与えれば、当然、間取図を生成することは可能。ただし、実際に建物を建設するに際しては、平面図だけでなく立面図、アイソメ図などの配管図、構造部材情報、などの膨大な情報が集結して初めて施工が開始できる。(ザックリ言うと)それらの建設に必要な情報の全てを1つのプラットフォームに集約して管理しようというのがBIM。BIMを使いこなすのは現時点でも一部の専門人材だけで、BIMを扱うためのトレーニングでさえ大手ゼネコンしかやれてないので、現実には上述のような様々な図面情報を見ただけで立体的にイメージができる「職人技」を持つベテラン職人だけが全体像を把握できていて、他の関係者は一部領域のことしか把握していない、それが建設・建築の業界だ。

本題に戻ると、この1年の間には既にテクノロジーの進化は続いていて、今では生成AIで「text to 図面」は可能だし、「to 3D図面」も可能だし、「to メタバース空間」も可能だ。つまり、(ザックリ言うと)『50坪ぐらいの一戸建てで、4LDKで、リビングは20畳で、黒を貴重とした重厚感のある外観で、、、』などの希望イメージから、3Dで立体的な家を立てて、それをメタバース空間に置いて、中を自由に歩いて見てみる。ということが可能。
一般的な素人には、「見てみないとわからない」ってことが多々ある。家はまさにそうだ。なので、実際にVRゴーグルを被って仮想の家に入って中を歩いてみればいい。そして、階段は奥が良い、扉は右に、キッチンはアイランドよりもカウンター型、などの希望が出てきたら、それをAIに指示してメタバース上で変更してもらう。そんな未来型の内覧を経て、その3Dモデルを逆の発想で図面化する。BIM化でも良い。そんなことが技術的に可能になっているのが最新のテクノロジー事情。

VRで中に入ってみよう

では、これがなぜ日本の建設会社・建築会社で一気に進めていないのかと言うと、これはたまたま建設・建築業界の例を挙げているが、おおむね、日本ではどの業界も「今が最適化された状態」という信念が強い。そのため、「最適なのが現状だから、そこを少しだけ良くする」ってことは起こっても、大胆に抜本から革新しちゃおうって話は非常に起きにくい。これはこの国の普遍的な社会構造。

こちらの動画でVoicyの緒方社長が言ってましたが、本当に大企業では当たり前のように「飛び出したら最後」という空気が蔓延してます。失敗したら最後みたいな雰囲気があって、失敗しないために冒険的なことはしない。それが企業で出世していくための最低条件、みたいな風土。これがある限りは、今の現状を大きく否定するような考え方は最初から土俵にも上がれないし、当然却下されるし、提案すること自体がマイナスになる、みたいな空気です。上記のように建設・建築向けの生成AIを開発して、仮に1億円を投資したとしましょう。結果として上記のようなソリューションが完成した場合、どれだけの人件費が削減できるでしょうか。異なった図面を横断的に理解した上での会話が各業者間で自由にできるようになったら、どれだけプロジェクトの生産性が上がるでしょうか。コンサル会社が喜んで試算しそうなネタです。そして、いちばん大事なのは、エンドユーザー、この場合で言うと、専門用語など何も知らないし図面など読めるはずもない施工主が、関係者と一緒に会話しながらプロジェクトを進めていける。こんな未来型の建築・建設業界であれば、2025年問題など気にすることもないでしょう。

そんな未来を想像しながら、生成AIとうまく付き合っていく、生成AIを上手に活用していく。そんな提案を弊社ではドンドン行っていますので、よろしければ下記の宣伝もご一読下さい。


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